Sheet3:リファレンス
「あー、ダメだわこれ」とエルは言いながら、ノートPCの画面を薔薇筆と貴美代に向けた。
更新できません
リンクされたブックから更新された値を取得できませんでした。
[ブックのリンクを管理]
「あぁ」薔薇筆も落胆と納得の入り混じった声をあげる。
「貴美代さん、このファイルはブック…別のエクセルファイルとリンクされてます。そちらから値を取っているので、これだけではどうにもなりません」とエルも残念そうに言った。
「なぁエル、他に分かることはないのか?」アキラが尋ねる。
「うーん、そうだね」エルはノートPCを自分のほうに戻すとカラオケモニターにミラーリングしながら説明し始めた。
「まず、この列『#REF!』ってなってるでしょ?ここが他のファイルから値を取って更新出来なかったところ。貴美代さん、ここに何が入るか分かりますか?」エルが尋ねる。
「そこには社員の名前が入ります。このファイルは社員の毎月の経費を管理するのに使ってたものですから…」貴美代が答える。
「今はどうしてるんですか?」薔薇筆が尋ねる。
「そのファイルの体裁だけ使って、後は全部手で入力してます」貴美代も自分がどこで間違えたのか薄々分かって来たようだ。
エルは『#REF!』となっているセルの一つを選択した。
=INDIRECT("'[list.xlsx]sheet1'!A2")
「"list"ってファイルを参照してるみたいね。たぶん元々このファイルがあったのと同じところにあると思う」とエルが言うと、貴美代が頷いた。
「このINDIRECT関数って何でしたっけ?」と薔薇筆が尋ねる。アキラは、薔薇筆がうろ覚えの高度な関数について質問することに意外さを感じた。
「簡単に説明すると、セルの場所を文字列で指定できる関数なんだ。例えば、普通なら『A1』って直接セルを指定するでしょ?でもINDIRECT関数を使うと、ダブルクォーテーションで囲って『"A1"』って文字列で指定できるの」
「それって、何が違うの?」とアキラが尋ねる。
「そう思うよね。でも実はすごく便利なんだよ。この関数のすごいところは、セルの参照を自在に操れること!例えば、他のセルの値を使ってセルの場所を指定したり、シート名を変数にしたりできるんだ。このINDIRECT関数は単独で使うよりも他の関数と組み合わせると本領発揮するんだ。例えば、VLOOKUP関数と組み合わせると、動的な範囲指定ができるようになるよ。最初は難しく感じるかもしれないけど、使いこなせるようになると、エクセルでできることがグーンと広がるよ!」とエルが一気にまくし立てた。
薔薇筆は理解した様子だったが、アキラと貴美代は今ひとつピンときていないようだった。




