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4話 初恋が実らなくても…

それから、栞も舞も特に進展はなく…

中2になった。

中2になって、クラス発表を見たら

空とも、栞ともクラスが違っていた…


ショック…


でもクラブで会えるから…


毎日、クラブだけが楽しみだった…

空は、クラブの休憩の時によく栞と話をしている。

空は、たまに舞にも…


「元気か?今のクラスどうよ。友達出来たか?」


と話し掛けてくれる。


「正直、1年生の時の方が楽しかったよ。でも、話せる友達はできたよ」


「それなら、よかった。藤本と初めて会った時、マジでこんな風に顔が引きつってたからな…」


「ホント?私ってそんな顔してたんだー」


「何か、困ったことがあったら、いつでも言って来いよ」


「うん、徳島くんありがとう」


そんな会話を交わした…


―――空は、本当に優しい…


―――でも、その優しさは、色んな人に向けられることも分かってる…


でも、たまに話せるだけでいい…

それだけで、幸せだった。


そんな日々が過ぎていき…




中2の終わり頃だった…


舞が部屋で寝ていると…

誰かに起こされた。


「舞さん…舞さん…」


目を開けると…

そこには、黒ずくめの男の人が立っていた。


舞は、助けを求めたかったけど、恐怖で凍り付いて声が出せなかった…


「ビックリさせて、申し訳ない…私は、杉山といいます」


「はい…」


「実は、あなたの好きな徳島空くんは、これから大きな病気をして生死をさまようことになります」


「本当ですか?って、これって夢なんですよね……」


そう言っても、杉山は話を止めない…


「あなたの行動次第で、空くんを助けることも出来ます。」


「どういうことですか?意味が分からないんですけど…」


「あなたは、空くんを助けたいですか?」


「そりゃ、もし助けられるなら助けたいです」


「あなたが、願うなら助けられます。でも、その代わりに…あなたの初恋は実らないということになります。それでもいいですか?」


最初は、夢かと思って話を聞いていたけど…

杉山と名乗るこの人は、真剣に話をしている。

しかも、空が病気になるのも本当のことのようだ…


「もし、空くんが本当に助かるなら…私の初恋は実らなくてもいいです。空くんが元気で生きてくれていたら、私はそれでいいです」


「本当に、いいんですね…」


「はい……」


「では、願いを聞きましたよ」


そう、言って杉山さんは消えた…


舞は、目が覚めてからも、信じることが出来なかった。

変な夢を見てしまったんだろうって思うことにした。


もし、本当に本当だったら…

私は、空くんの健康を望む…

例え、私の初恋が実らなくても…

空くんの為になるのなら…



翌日、クラブで空に会った…

空は、すごく元気そうで…

とても、病気になりそうになかった…


―――やっぱり、あれは夢だったんだよね


―――なんか、信じて損したかも??



それから、舞たちは中3になった。


クラス発表を見た舞は驚いた…

舞は、空と栞と同じクラスになっていた…


また、空くんと同じクラスになれた…

栞とも…

良かった…

中学の最後のクラスに2人と一緒になって…

本当に良かった。


その時の舞は、杉山とのやり取りなんて忘れて…

楽しい日々が始まると…

そう、信じていた。







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