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ダリテア・スピアーズ  作者: らーじ
2章
12/73

2-3

突然、自分の家に来た刑事と思われる二人に戸惑うダリネ。

「あ、あの、警察さん、俺を逮捕しに来たんすか?」

 と、目の前にいる二人に質問を投げつける。

「いいえ、違うわ。この件について、貴方は関係あるの。いわば、事情聴取に近い感じかしらね?」

 この質問に背丈が高く、水色パーマ髪の女性刑事である、ナナルテがきっぱり。

「事情聴取?もしかしたら、場合によっちゃ逮捕されるかもしれないんだろう?」

 ダリネが眉を寄せるが、内心は冷汗をかいている。

「いいえ、違うわ。ここでは部が悪いわ。

 ダリネにラウラン、貴方はメフィレス天国警察署に来てもらいます。そこのセテアさんだっけ、貴方は自分の家の中で見守っていてね」


 それでダリネの頭にはハテナというマークで一気に頭がいっぱいになってしまった。


「待ってください、ダリネ様は悪いことをしたんでしょうか?それだけでも、私に聞かせてください!」

 セテアが慌てて、話に割り込む。

「ダリネは悪いことはしていない。が、悪いことをしているとしたら、こいつの過去だ」

 出会って少しの間、無口だったロジェが口を開く。

「そ、それは…」

 セテアは戸惑った。

 確かにダリネにはいろいろと前科がある。

 国家繁栄のために、700以上の人間を殺したという事実は変わらない。

 それに、ダリネにはいろいろと謎が多い。

 ダリネといつも暮らす場所が一緒なセテア自身もそう思う。


「ダリネ様!」

「大丈夫よ、セテアちゃん♡ ダリネは無事に戻って来るわ。少々、時間かかるかもしれないけど」

 Kがセテアを落ち着かせる。が、それでもセテアは困り、まるで片方の翼をもぎ取られた感覚だ。


「ちょっと、ダリネ(こいつ)は何か悪そうなことしていそうだけど、私は自国アメリカに戻すつもりでしょ?」

 自己主張の激しいラウランがこの場を制す。


「まあ、それも天国警察で話しましょう~!」

 ナナルテがラウランに向かってウィンクする。

 ラウランはそのナナルテの態度にイラつく。

「これだから、メフィレス人は…!!」


「…、ダリネも来い!」

 ロジェに手首を掴まれ、強引に連れ去られるダリネ。

 こいつの腕力が意外とあって、離せられない。


「ダリネさまあああああああーーーーーーー!!!」

 セテアが寂しそうに叫びながらも、刑事と死神とアイドルと、呼ばれた歴史上の英雄はこの場から消え去った。





 ここはメフィレス天国警察署。

 メフィレスは中間の人口を誇る国で、他国とー、主にヨーロッパとのやり取りが盛んだ。

 このメフィレス天国警察署もその管轄の一つだ。

 とは言いつつも、天国、もはや、地獄との繋がりと、それに関する事件や事故の解明に今日も忙しい。


「そうか、メフィレスを救ったとされる、あの伝説の英雄ダリネード・スピネルドか。30年ぶりに会ったな。俺のこと、覚えているか」

 ナナルテたちの上司である警部補の髭面の男性が、たばこを吸いつつ、灰皿にそれをつぶしあてる。

「忘れた!」

 ダリネの一言にその警部補が驚くと、すぐさまにがっかりする。

「覚えとらんのか!

 俺はジロマ。ジロマ・タクカだっ!!」

「そんな30年前のことなんて、すぐ忘れるって!」

 ふんっと、そっぽを向くダリネ。


「さあて、ラウランは別の取調室で話している。

すぐさま、逢わせるが。」

 ジロマはタバコを吸うのやめて、両手を組む。

「お前、大昔、ジャルヌ・S・タルクと裏でこっそり契りを交わしただろう?」

 その一言で、ダリネは知られたくもない過去が、この中年によってまた暴かれる。

「そ、そんな、俺は…、俺は…、あのときは、しょうがなかったんだ!!」

 ダリネは眼帯を抑える。

 目がくらくらする。


 思い出したくもない、ダリネの過去の一つが暴かれようとする。

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