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2話 目を開けると

始界教聖書 第四章(救世主の後の世界)

『1.勇者学院と勇者の設立

人々の発展。そして、人々を守る為、勇者を我が兄弟しと達は望んだ。しかし、私が力不足の為に、未だ救世主ゆうしゃをお呼びすることができていない。そこで、私が救世主ゆうしゃ様をお呼びするまでの間、この世界の者の中から勇者を集い。救世主ゆうしゃ軌跡れきしを研究し、救世主ゆうしゃ様が残した知識を元に、新たな技術の開発。そして、人々を守る為の魔法や武術を研究するための教育機関。『勇者学院』を設立した。そして、この世界りょういきの者の中から、優秀な者を「勇者」と呼ぶことにした。…』

『5.救世主の再臨

私は、あの戦争で多くの兄弟しとを失った。だから、私は、覚悟した。私は、私の命を対価にあの日会った我らの神に祈り、再び救世主ゆうしゃを呼ぶことを。そして、遂に成功した。信仰心の厚い者には、この先の世界りょういきを知る事ができるだろう。』






「…う者様。私の前に来てください。この世界を救う為。」という誰かが祈る声が聞こえる。俺はその声で目が覚めると、そこはあたり一面が暗い世界だった。だが、声の聞こえる1点のみは明るかった。そして、俺は気づいた。抗うことの出来ない力でそこへ引っ張られている事に!そして、また俺の意識が無くなってきた………。


その時、一人の青年の身体は人ではない何かに変わっていった。それと同時にその青年が一瞬目覚めた時の記憶は完全に消えていった……。



救世主ゆうしゃ様。ようこそお越しくださいました。我らの世界へ。」

という声で目覚めた。辺りを確認すると、周りは光のカーテンのようなものに覆われ、俺の両隣には、四人の人間が横たわっている。中には、血痕が服に付いている者もいる。俺はこのカオスな状況に、一瞬思考が停止した。しかし、俺は、一つの答えが思いついた。コレは夢である‼︎というより夢でないはずがないと思い、確認するためアニメおなじみの自分のほっぺたをつねくろうと、その手の色を見ると、緑色だった。


「ハー?俺の手が緑色。一体どういうことなんだよ!」


その衝撃で再び俺は思考停止に陥った。と同時に俺の挙げた大声に共鳴するかの如く周りの人達にも伝わり、目覚め始めた。


「ここはどこだ⁉︎」


「私、…なったんだっけ?確か…。」


「あれ?私生きている?死んだんじゃなかったけ?」


「ワーーーー?人andカエル?」


各々が話し始める。その声に再び思考が開始する。う〜ん。人とカエル?まさか自分がカエル?と思った矢先、光のカーテンが舞い上がる。


「全ての救世主ゆうしゃ様が、お目覚めになられたぞ!皆、救世主ゆうしゃ様に頭を下げよ‼︎」


と俺らの前に偉そうな神官と修道士達が10人そして騎士団の様な人達が5人頭を下げている。


「あ、頭を上げてください。」


と服に血痕がついた女は言う。その声に神官達が頭を上げる。しかし、その表情はすぐに険しいものに変わる。そして神官の一人が、


「カエルが紛れている!なぜ、我々の救世主召喚に下等なモンスターがいる?ガスト!殺せ!」


騎士団のような格好をしている男の一人が抜刀する。そして、次の瞬間、俺を目がけて、剣を向けた。俺は、確信した。俺が狙われいることに。恐怖という感情がどんどん湧き上がってくる。早く目覚めろ、早く目覚めろ!しかし、目が覚める感じはない。剣先が俺のお腹に迫る。


「ヤバイヤバイ、死ぬ‼︎死にたくない!」


と狂乱の声を上げ、目をつぶる。しかし、その瞬間、金属と金属が交わる音がした。俺は、目を開けると空中に飛んだ刃と中心にいた騎士団長のような格好をしている男の隣にいる全身を鎧で覆い隠している男が剣を自分の鞘にしまっているのが見えた。俺は、間一髪危機をくぐり抜けたらしい。いくら、夢であったとしても死にたくはない。本当に良かったと心の底から安心した。すると騎士長のような男が、



「ガスト早とちりしすぎだ。このカエルが救世主の守護獣、下手したら救世主様かもしれん。調べてからでないと‼︎」


「しかし、このノガエルが神官様たちを襲ったら、どうするおつもりなんですか?」



「なーに?もし、襲うようなことが有れば、殺してしまえば良い。それに、そんなびびることはない。なぜなら俺の観察眼でそいつはf級のノガエル位の強さしかないとわかる。」


「えー。ロザリア司祭。それにガスト上級騎士。慌ててはなりません。実際に真実の鏡で判断しましょう!心配なら︎ガストよ。お前がそのカエルを真実の鏡の前へ連れてゆけ!何か有れば、切り捨てても構わん。」


「チッ。分かりましたよ!最高司祭。」


と不満気に言い、ガストは、刀を鞘にしまった。そして、俺を持ち上げた。しかし、死にかけても、目覚められないという状況、騎士団長達の発言から察するに本当にカエルになってしまったということだろうか?そんなはずはない。だって、俺生きてるもん。確かに持ち上げられいるということは背が40cm位なのだろうけど。でも、きっとこれは、この夢?世界の人が特別にでかいだけだ。いくらなんでもカエルの筈がないし、死にかけるという現実が平和な日本に有り得る筈がない。しかし、もし本当にカエルになっていたとしたら、一回死んでしまったということなのだろうか?俺がここに来る前のことを思い出してみよう。確か、学校に行って…。と考えていると、目の前には巨大な鏡が広がっていた。そして、鏡に映った自分の姿を見ると、そこには、俺が学校カバンにつけているストラップによく似たカエルの姿があったのだ。 


「人じゃなくてカエルになっている。」


と思わず、発狂した。その時に、鏡から透明な光が出てきた。そして、俺にぶつかった後、銅色の光となり、鏡に吸収された。そうすると、鏡に文字が写った。するとガストが、紙を取り出し、その紙を鏡につけた。そしてクリフ騎士長に渡した。そして、彼は威厳に満ちた声で


四城 吉雄

1種族 救世主族

2能力(Lv.1)

HP 14

攻撃41

防御14

スピード41

魔術41

MP41

3技

recycle→ロックされてます。

record→ロックされてます。

respond→通訳。

recover→回復を行う。

称号

回復の救世主、分解士、カエル


と読み上げた。すると大司教と思わしき男が


「貴方が、救世主ゆうしゃであることは、分かりました。部下が不敬な真似をはたらいてしまいすいません。言い訳の様に聞こえるかも知れませんが、我らの敵である魔獣の救世主ゆうしゃ様は前代未聞だったもので、きっといえ私含めて不安だったのです。誠にすいません。」


「すいません。」


とロザリアを始めとする修道士らは謝ってきた。一方で、ガストを含めた騎士団は始めから知っていましたというような表情をし、謝ろうともしなかった。色々言いたいことはあるが、母の教えに謝られたら許すというものがあるので気にしないことにする。黒髪で、瞳は青く、鼻が高く凛々しい顔立ちをした180cm位の青年が


「俺たちは、勇者なのか⁉︎」


と尋ねた。大司祭?と思われる男が、


「申し遅れました。救世主ゆうしゃ様。私は、始界教大司教、ジャテイアスと申します。素晴らしいそのお力で魔獣を倒し、救世主ゆうしゃとして我らの世界りょういきをお守りください!」


はー?勇者って何?そんなファンタジーな展開ありえるのか?と思っていると、例の青年は、


「いいぜ!魔獣をぶっ潰すとかゲームみたいな感じで面白そうだし。でも俺らに魔獣に対抗する力とかあんの?」


「有りますとも!われわれの魔法『救世主召喚』は、死んだ魂を異世界から、召喚します。そして、その魂は、一度死んだことにより、自らの能力を開花させることで、魔獣と対抗する力を身につけるというものです。その能力は神との契約で決められいるようですが……。」


すると、えっ?俺死んだの?と思っていると、俺以外の勇者は何かを思い出したかのように、それぞれが口ごもり始めた。


「そうだ、俺は、確か槍の救世主になるとか?」


「そうよ‼︎私も救世主に選ばれました。とか言われたような気が。」


「私は、暗いところで誰かと話したような。」


「ミーもそんな感じがする。」


「きっと、それらは、我等の神の思し召しでしょう。」


「ところで、その能力は、どうやって知るんだ?」


「はい。そこにある真実の鏡が教えて下さります。実際に真実の鏡でカエルの救世主様の疑いを無くしました。」


「なるほど。つまり、この前に立てばわかるのか?」


と言ったそばから、黒髪の青年はもう鏡の前に立っていた。しかし、その鏡からは光線が出てこない。


「はー?ポンコツかよ!カエルの時は反応したのに、なんで反応しない?」


「すいません。真実の鏡を使うには、ちょっとした、秘技が必要なんですよ。」


「その秘技とはなんだ?」


「はい。赤魔術『red eye』です。この魔術の効果は能力を底上げすることそして真実の鏡が使えるようになります。」


「そうか。ならとっとやってくれ!他の奴もそれで良いよな‼︎」


服に血痕がついた女がうんとうなづくと他の人もうなづいていった。俺は、渋々というより、もう赤魔術されてしまったらしいので、否応無しであったが、しょうがない。とにかく、皆がうなづいた。すると、大司教の目が赤く光り、そこから赤い光線が出て、勇者?達をその光が包む。だが、包まれた光は、すぐに消えた。


「終わったのか?」


「えー。無事成功しましたよ。」


「じゃあ出来んだな?」


例の青年が鏡に近づく、すると、透明な光が出た。そして、彼にぶつかると、紫色と金色の光が出てきた。


「こ、こ、これは、原初しかも闇の力。素晴らしい。素晴らしい。……」


と大司教は発狂するかの如く声を挙げた。そして、文字が写るとロザリアとかいう修道女が鏡に紙を貼り、文字を写した。そして、大司教に渡した。


黒蒼夜 麗

1.種族 救世主族

2能力(Lv.1)

HP 1200

攻撃 1315

防御 1286

スピード 1409

MP 682

3技

unbra zone→ロックされてます。

darkness break→ロックされてます。

administrate→ロックされてます。

translator→通訳。

lancer→槍に魔術を込めることが出来る。

4称号

闇の救世主、槍の救世主、ゲーマー


「ほ、ほ、ほ。これは、素晴らしい。原初の力の持ち主とは!やはり、貴方には、素晴らしい才能があります。私達が望んだ通りの救世主様です。」


「俺、そんなにすごいのか?」


「えぇ、貴方は1000年に一度の原初の救世主。そんな、あなたにお目にかかれ、うれしいのです。」


と大司教がいうと、みんなが頭を下げた。ガストや騎士長も頭を下げた。ふーん。そんなに闇の勇者って強く、偉大なのか。そもそも闇って言ったら悪いイメージじゃん。とか思っていると、


「ちょっと。ちょっと。私達がいるのを忘れないでくれる?」


と言う尖った声が響いた。びっくりして、発信源の方をむくと、茶髪で長く、眉毛は細く、目は大きい、そしていかにもギャルぽいメイクをした170cm位の女性が、


「救世主様、もちろん覚えていますとも。では、金髪の貴方様から触れてください。」 


「はいよー。」


と軽い乗りで、彼女が触った瞬間、激しい光に包まれた。


「これは、まさか、原初の救世主が二人も‼︎」


と言う声が聞こえる。そして、また例の鏡に文字が現れた。


レイラ モーリス

1種族 救世主族

2能力(Lv.1)   

HP 1154

攻撃 1108

防御924

スピード1305

MP 852

3技

lightning player→ロックされてます。

闇光合成→ロックされてます。

archer→矢に魔力を込めれる。

tlanslator→通訳

trender→ロックされています。

4称号

光の救世主、弓の救世主、カーストファースト


「あー思い出した‼︎確か、神と名乗る女から『救世主になりました。』って!でも、救世主ならもっと強くしろよ。そもそも、変な世界に呼ばれて最悪だっ―の!」


「しかし、MPが俺より高いし、これくらいなら、カエルのアイツより、妥当じゃね。」


「それもそうねー。カエルよりかは、マシだわ。それより、さっきから気になってんだけど、この紙は何なの?後、技がロックされてますって舐めてんのか?」


「それは…。」と大司教が言いかけた時、


「大司教様、ここからは私に説明されてください。」


という威厳に満ちた聖騎士長の声が聞こえた。


「発言を許そう。騎士長。」


「はい。ありがとうございます。では、救世主様。このことに関して聖騎士長いいえこの勇者学院の導き手であるこの私から、説明させてもらいます。」


「何なのよ―。早く教えなさいよ。」


「はい。この紙はステータス神書と言います。これは、真実の鏡を通して、見ることのできるステータスを紙にし、いつでも見られるようにするものです。また、何故技がロックされているのかというと、おそらく、救世主様の力は絶大であるため、レベル1からかなり強力な技をお持しているのですが、レベルが低い為、その力を行使出来ていないこととtlanslatorの情報量が低いことが要因であると考えられます。そのため、救世主として多くの我らの同胞ひいては国を亜人や魔獣どもから救っていただく為に、レベルをあげ、この世界の知識や技を身につけてもらう為、皆さん方には、この勇者学院で1年間学んでいただきます。概要を話す前に、御二方のステータス神書をつくってしまいましょう!」


流石、聖騎士長‼︎他者に配慮ができるとは、できる男だと感心した。それに比べてギャルめ。俺のこと馬鹿にしあがって。ところで、勇者学院ってなんだ?レベル上げとか一体何を言っている?レベルなんて存在しないだろうがっ‼︎しかし、『郷に入れば郷に従え』という言葉もある。とりあえず、黙って話しを聞くことにしよう!


「分かったわ。では、そこの女早くやりなさい。」


「は、は、はい。」


きっとこの映像だけ見たら、だれもが陽キャが隠キャをいじめているとしか思わないだろうな。しかし、疑問なのだが、なぜこの女には血痕が付いているのだろうか?と考えていると、透明な光が黒髪の女の方ヘ鏡から出て、ぶつかると金と茶色の光になった。その瞬間例の如く大司教が


「なんと素晴らしい‼︎三人目の原初の救世主が!」


と叫んだ‼︎


心園 優花

1種族 救世主族

2能力(Lv 1)   

HP 1230

攻撃 963

防御 1340

スピード 1147

MP 765

3技

trimmer→ロックされてます。

ペースメーカー→ロックされてます。

dreamer→ロックされてます。

tlanslator→通訳。

癒しの光→回復

4称号

召喚の救世主、起死回生、地の救世主


俺は、この名字と髪の毛の色、そして名前から、コイツは日本人だと思った。そこで、確かめるべく


「ゆうか?ゆか?どっち、もしかして君日本人?どっち?」


と尋ねてみた。しかし、いきなりのかえるの発言に彼女は驚いてしまったらしく…


「あのぅ〜?えーっと?」


と彼女は、心細気に声を出した。そうすると大司教が


「カエルの勇者様。レディーを困らせてはなりませんよ。ところで心園様、原初の力をお持ちになるとは素晴らしいことです。だから、私達も貴方の事も頼りにさせてもらいます。」


「そ、そんな、頼りになんて、私にはもったいない言葉で、です。あ、あ、ありがとうございます。」


なるほど、『コイツは極度の人見知りかもしれない』と俺は思ったのと同時に、『大司祭め。俺に恥をかかせあがってふざけんなよ』という少し怒りめの感情が沸いた。だが、今は、この世界でしばらく生きていかなければならそうだから、ここは自分の気持ちを抑え、奴等の命令を聞く事にする。


「では、最後に、金髪の救世主様。ご確認なさってください。」


「OK,meのことですね。やってみたいと思います。」


少し太っている金髪の俺と同い年くらいの外人だと思われる男が反応した。『さすが、外人。英語が混ざっている』と俺が思っていると、透明な光が彼にぶつかり、銀色の光となり、鏡には戻ていった。そして、


ジョージホワイト

1種族 救世主族

2能力(Lv 1)   

HP 1500

攻撃 1030

防御 1250

スピード428

MP 435

3技

風斬り→ロックされてます。

乱れづき→ロックされてます。

architect→ロックされてます。

tlanslator→通訳。

回転斧→斧の回転速度を上げる。

4称号

斧の救世主、サバイバー、木こり


「僕はオ…斧、斧ですか?他の皆に比べたら、弱いかもしれませんが。頑張ります。」


「斧の勇者様気にすることはありません。普通の人に比べたら、充分にお強いです。私こそ全力でサポートしていきますのでよろしくお願いします。」


「これで5人分できたな。話はここらで今日はやめて、5人ともこの世界をよろしく頼む。そして、皆の者、今日は疲れたと思う。だから勇者学院については明日話すとして、きょうはゆっくり休んで欲しい。では、救世主様達を部屋に案内してあげなさい。あと、副騎士長、カエルの救世主様を持ち上げて、部屋に運びなさい。」

すると、さっき俺を助けてくれた男騎士が、


「了解いたしましたわ。僕がお部屋に御運びいたしますね!」


と騎士団とは程遠い柔らかな声で答え、俺を持ち上げる。俺は、その声に衝撃を受け、しばらく思考が停止してしまった。








前回に引き続き、ご視聴頂きありがとうございます。

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