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1話 プロローグ 俺の日常

どうも作者のMJです。どうか温かい目でこの作品を読んで下さると嬉しいです。それではお楽しみください!

「『この世界りょういきは神によって、存在を認められ、光、時空、水、土、闇といった5つの太古の力がこれまで何もなかった地に開放された。数千年後、サンタリオスという魔王がこの世界りょういきを奪うため、神から5つの力を強奪した後に、人々が知らぬ間に、神を封印したため、世界神りょういきしんの存在は薄れてしまっていた。


 しかし、ある時、空から光と共に人が降ってきた。その聖なる者は、人々に信なる光を授けた。その結果、自分たちが魔王に欺かれている事に気づいた。そして、人々は救世主かれを中心にさまざまなものが協力し、魔王を追い詰めた。その時、死を感じた魔王は、原初の5つの力を強大な魔獣に放ち、その中に、力を封印した後、その魔王は死んだ。人々は勝利を確信した。


 だが、人々は絶望した。その5つの力を手にした魔獣を中心に魔物の血を引く亜人族そして魔物が暴走し、人々と戦争を始めた。世界を救った救世主ゆうしゃ使徒じゅうしゃもまた例外でなかった。そして、救世主ゆうしゃは、仲間達を殺してしまった。その時、救世主ゆうしゃはこの世界りょういきに来て、初めて絶望した。そして、彼は決めた。自己を犠牲にし、世界に調停を取り戻すことを。そして、救世主ゆうしゃおかげで、我々の平和は完全に取り戻された。』と始界教の聖書に載っている勇者様のお話だよ。」


「お姉さん!私もゆうしゃ様のように世界を救いたいよ。」


「そうかい。なら、首都にある勇者学院にいけば、多くの人を救えるよ。」


「そうなの?私、頑張ってみる!」


「頑張りなさい。アルジェリカ」


****************************



この時代より遥かに進んだ世界りょういきでの最近の研究では、この始界教の聖書には、以下の続きがあったのではないかと考えられている。

『しかしその平和は束の間だった。なぜなら、原初の力を有した魔族は数年おきに倍増し、我々を殺さそうとするからだ。だから私いや始界教最高司祭は、彼のような勇者を生み出すため、ある術式を完成させた。その名も「救世主召喚」という。』


****************************


『2014年4月14日』この日が俺、四城吉雄しじょうよしおの分岐点になるとは思わなかった。俺はこの春から大学付属高校の2年になったのだ。 


ビービーというスマホのアラームが鳴る。


「くぅ。もう朝か?最悪!」


俺は、つくづく思うのだが、この世でこれほど絶望感を感じる音はない。まぁ、起きるしかないか。よし、いつものルーティンを開始する。顔を洗い、納豆飯と味噌汁を食べ、歯を磨き、リュックを背負い右には鞄、左にはゴミを持って、家を出る。そして、ゴミを捨て、電車内で音楽を聴きながら、生物の予習をし、学校の最寄り駅まで行く。そして、中3のクラスが同じだった友達、安野に会った。

「安、新しいクラスはどう?」


「うん。僕のクラスは普通だよ。」


「満先生だもんね。あの感じだったら、良い気がするもん。」


「そうだね。ところでヨッシーはどうなの?」


「それが最悪だよ。あの一条がうざ絡みしてくるんだよ。」


「一条かぁー。確か登校初日に金髪できて、掃除は一切やらずに、授業中は、うるさくして、教師を怒らせて、怒ってきた教師に『俺達には校則より上である法律があり、そこでは、自由が認められているのに、どうして駄目なんだ。』って楯突いて、指導部長に訓戒を何度も喰らっても懲りず、『最強の自由神』とか語っているアイツが、どうしてお前と関わってくんの?」


「いや、知らん。何か、俺四城じゃん、でアイツ一条だから14ジョウペアーとか言うのを作りたいらしく…」


「アイツ、本当何考えてるかわかんないよな。」


「同感だよ。それで、俺の邪魔ばっかしてきて、休み時間に勉強できないのはまだしもアイツがいつもうるさくて授業に集中でき無いんだよ。」


「それは、困ったねぇ〜。まぁ、何かあれば、また相談してくれよ。」


「うん。ありがとう。」


「話し変わるんだけどさ、この前の春休み空けテストどうだった?」


「あー。まだ、返されてないや。今日返されると思うけど、そこそこ難かったよね。」


「うん。僕65点だった。惜しいミスだ。悔しい。」


というようなたわいもない話しをしていると、背後から俺の肩をまわしてくる手があった。俺はすぐ誰の手か分かった。一条だと。そして、あの子供びた嫌な声が聞こえてくる。


「四城君。元気?俺は元気。」


俺は、関わりたくないから、奴のことを無視した。


「ナー無視すんなよー。」と言って彼は、俺の両方のほっぺたを引っ張ってきた。


「何すんだよ!痛ぇーじゃねぇ〜か?」


「ごめん、ごめん。笑顔にしようと思って?」


俺は思った。コイツに無視の作戦は通用しない。それなら、強い言葉でコイツを撃ち落とすのみ。


「しようと思ってじゃねーだろうが?もっと真剣に謝れよ!」


「ハー?俺の謝罪が受け入れらんないと言うのか⁉︎まさに卑怯者だな。」


その言葉に、俺の心のコップから水が溢れ出しそうになった。コイツの嫌がらせをやめさせる為、殴ろうかと考えていると…安が、

「まあまあ、卑怯者とか言わない方が良いんじゃないかなぁ。元々始めに手を出したのは一条君だし。」


「でも、無視したのは、ヨッシーの方だぞ。」


「うん。そうだね。でも、ちゃんと自分の言葉で伝えないと、相手に伝わらないよ。」

 

流石は、安。『仏』と俺が思うぐらいだけのことはあって、その言葉に重みがある。『最強の自由神』と自称する一条も、


「確かに…悪かった。四城、ごめん。」

と素直に謝ってきた。

だから、俺も安のことを考え、ここは、謝罪を受け入れ、謝ることにした。


「あー。良いよ。無視をしたと思わせてしまったのなら、悪かった。ごめん。」


「そんな堅くなるなよー。なにせ、お前とは14(フォーティー)ペアだから許すさ。」


「ところで、一条君。僕と話しているところに、割り込んだわけだから、何か急用があるんじゃないか?」


さすがは『仏』、奴への気配りが出来る。まぁ、流石に急用なんて無いとは、思うけど…その時、奴はニヤリとしてこう言った。

「そう2つあるっすよ。一つ目は、前から疑問に思っていたけど、どうして学校指定のカバンに、そんなにデカイリュックを背負っているの?」


そうすると、『仏』は俺と目を合わせてきた。こういう時に、俺らは、目を合わせたら、Yes、目を合わせなかったら、Noを意味する。だから、今回は、奴の問いに答えていいかという風なことが言いたいのだろうと推測した。少しの間悩んだが、ここで答えないのも変だろうと思い、俺は目を合わせた。


「コイツ、生物学者になるために国立受験するから、塾通ってんだよ。それで、学校カバンだけに弁当とかが入りきんなくて、カエルのストラップ付きの学校カバンに加え、リサイクルリュックも、持ってきてんだよ。」


「カエルのストラップってかわいいとこあんじゃん。」


「あん⁉︎」


「悪かったよ。ヨッシー。それで、一条くん。2つ目は何かい?」


「えっ〜と。あ。思い出した。吉雄のことをヨッシーって呼んでもいい?」

俺は冗談じゃないと思った。俺の中では、ヨッシーと呼んでもいいのは、友人と思える人だけだった。だから、『嫌だ』と答えようとした時、『仏』が、


「いいんじゃない?吉雄?」


俺はそう言われたことに驚きすぎて、後ろに首を下げ、あっという声を出しそうにはなったが、出さずに口を閉じた時に、思わず首を下げてしまった。


「うん。吉雄もいいみたいだし。今度からヨッシーって呼びなよ。」


「ありがとう。ヨッシー。」


俺は泰介に思わず、こう言いそうになった。俺が嫌いな相手に謝らせて、さらにヨッシーって呼ばれるようにして、ふざけんなよ。と。しかし、学校の門が見えてきたので、帰り道までこう言うのはお預けにした。


「ヨッシー、一条君。学校見えてきたし、東館だから俺行くわ。じゃあ。また、帰り道!」


「じゃあな。」


「またな、安。ヨッシーじゃあ俺らのクラスに行こう!」



「あれ、一条君と一緒じゃないの?ヨッシー?」


「アイツはコンピュータ部があるらしく。今日は、絶対負けられないトランプゲーム大会があるって言ってたよ。」


「ふーん。結構仲良くなったんだな。朝は切れそうにしてたのに。」


「その件だが、ありがとうな。」


(その時、俺は不思議と、アイツに関する怒りの感情が消えていた。)


「それは、どう致しましてだけど。お前なら、今回も怒ると思ってたのに。」


「はー、俺の器舐めんなよ。今日はずっとアイツに絡まれて大変だったんだぜ。例えば、授業中。アイツ、なりふり構わず、手挙げて、『毎日塾に通いずっと勉強してるヨッシー君が答えたそうにしています』って毎回の授業で言われ大変だったんだから。」


「アイツ、ホント何考えているかわかんないよなぁ。人間って面白いよな。」


「うん。そうだね。」 


「それは、そうとテスト何点だった?」


「俺は、85点だったよ。」


「さすが、毎日塾通ってることだけはあるな。尊敬するぜ。で、一条は一体何点だったの?」


「それが、まさかの100点。」


「はー‼︎?まじかよ。アイツあんな馬鹿そうに見えて、そんな高い点数なのかよー?やはり、あの噂は本当かもな…」


「どんな噂?」


「去年の全てのテストで評価10の人がいたじゃん。」


「あーいたねー。もしかして…い」


「そう。一条らしいんだ。」


「へー。マジで?じゃあ、アイツ超天才じゃん!なのに、邪魔すんのかよ。ざけんな‼︎」


「まあまあ、そんな怒らないの。なら、アイツから教えて貰えば?どうやって、勉強してるのか?って」 


「絶対嫌だね。俺のプライドがそんなこと許さないね。」


「ふふふ。お前らしいな今の解答。そういえば、今日の塾何の科目?」


「今日は、生物で、代謝・遺伝子らしい。」


「へぇ―。そういえば、今、生物、顕微鏡やってんな。そしたら、満先生が、ドッジって、スライドガラス割ってさ…」

俺と安の話しは、生物と満先生の話しで、盛り上がった。


「じゃあな、ヨッシーまた明日!」


「おー。また明日。」


この時までは、俺達はまた明日が無事に来ると思っていた。でも、それは叶わないことになる事を知らなかった。



801教室に9:15の鐘が鳴り、生物の授業が終わった。皆は、帰っていく。俺は、今日授業で扱わなく予習で気になっていた細胞内共生説の仕組みについて聞こうと思った。

「先生。質問があります。」


「うん。どうしたの?」


「細胞内共生説について、聞きたいんですが。」


「四城。真面目だな。お前。いいぜ。細胞内共生説とは、好気性細菌が、我々のご先祖様の細胞に入りこんで、呼吸を行うミトコンドリアになり、植物にはシアノバクテリアも入り、光合成を行えるようになったんだ。ちなみに、太古の真核細胞を持つ生物は、21億年前の化石から発見されたグリパニアって言う生物なんだ。」 


「先生。流石分かりやすいです。」


「でも、四城。これじゃ、満足しないだろう。だから、遺伝子と進化論を説明していくよ。……………」

とかなり盛り上がり、25分も話してしまった。


「じゃあな。四城。またなぁ。」


「ありがとうございました。」


エレベーターボタンで、1F押して

9F 四友社学院教室

8F 四友社学院教室

7F

6F 東京美容クリニック

5F

4F 四友社学院教室

3F 四友社学院教室

2F 四友社学院教室

1F 四友社学院受付

なんか、今日いつもの授業より疲れた気がする。でも、エレベーターに乗ったし、いつも通り家に帰るまでに、今日の復習終わらせよ。今日は、DNAとセントラルドグマか。セントラルドグマとは、DNAの複製から始まって、転写され、翻訳され、タンパク質が合成された生物の普遍原理のことで、細菌から人まで同じように、タンパク質を合成するのか。DNAの複製とは、DNAがほどけて、それに対応する塩基が運ばれて。と1Fに着いた。その時、携帯の着信音が鳴った。どうやら中3のクラスLWINEらしい…珍しいと思いながら俺はエレベーターが開くと同時に、アプリを起動させ、見ようとした。次の瞬間足が下に潜っていく感覚を感じた。それと同時に雷に打たれたような感覚を感じた。そして、俺の意識は消えた…


2021/04/14 9時41分14 エレベーター内監視カメラに映った映像には、一人の携帯電話を持った少年が消える様子と以下のエレベーター掲示板の表示が映っていた。

9F 四友社学院教室

8F 四友社学院教室

7F

6F 東京美容クリニック

5F

4F 四友社学院教室

3F 四友社学院教室

2F 四友社学院教室

14 勇者学院受付

となっていた。

拙い文章だったと思いますが、初回を視聴頂きありがとうございました。これから、長くなると思いますが、よろしくお願いします。

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