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★3 親の毒と愛

よろしくお願いします。

たくさんの評価、ありがとうございます。

朝8時にリビングに行くと、樹愛羅も起きていた。

「ああ、おはよう。朝ご飯はパンと牛乳とオレンジジュースな。」

「・・・ありがとう。いただきます。」

声は大きくなったけれど、相変わらず顔が見えない。何を考えているのだろう?


「よく眠れた?あ、体調はどう?」

「よく眠れました。体調もいいです。」


「そうか、よかった。・・・でも、これからどうするの?すぐ家に帰る?

まず、お母さんに電話してみる?」

「・・・電話してみます。」


・・・


午前中のサッカー部の練習は休むことにした。


サッカー部のラインで連絡するとすぐにメンション来た!

仙石龍聖からだ!

「大丈夫か?ちゃんと休めよ!月曜に会おうぜ!」

・・・吐き気がしてきた。


朝起きるのが遅いらしいので、樹愛羅は9時に電話をかけた。


「お母さん?」

「どこにいるの!」

「あの、友達のと・・・」

「良かったじゃないか!もう帰ってくるんじゃないよ!

電話ももうしてくるな!お前なんかアタシの娘じゃない!帰って来るな!

二度と顔、見せんな!」


大きな声で吠えられて、すぐに切られた。

酷すぎる!毒親ってホントにいるんだ!


「お母さん・・・」

樹愛羅はさめざめと泣き始めた。可哀想だけど、どうしよう・・・


昨日の晩、俺が感じていた絶望を軽くぶっとばしてくれた彼女から絶望を無くしたい!かな?


「・・・大浦さん。」

どう励ませばいいかわからないまま名前を呼んでしまった。


「お願いです!ここに置いてください!何でもします!お願いです!」

ビクッと反応して、弾けるように頭を下げてお願いしてきた。


「・・・親に相談してみるよ。」

「・・・うん。」


母親に電話を掛けた。

「朝早くどうしたの、ゴンちゃん?

お母さんが恋しいの?ゴミ屋敷になっちゃって、助けが必要かな?今すぐ帰ろうか?」

テンション高く、親馬鹿全開だ!

「ああ、まだ大丈夫だよ、ありがとう。

実は同級生の女の子がめっちゃ困っていてさ・・・助けてあげたいんだ。」

「誰が困っているの?彼女?皐月ちゃん?」

母さんのテンションが駄々下がりだ!


「いや、ただの同級生。ていうか学校で酷いイジメを受けてる。

あとネグレクトも。昨日の晩、こっちは大雨だったのに、家を追いだされていたんだ。」

「酷い話ね。それでどうしたいの。」


「しばらくこの家でお世話したい。

あと、学校でイジメられないように、制服とか修学旅行の積立金とか用意してあげたい。」

「権助、それはやり過ぎよ。こども家庭センターに連絡しなさい。」

母さんが怒っている!やはり、やり過ぎだった!


「・・・いや、でも、その娘の親だって気が変わるかもしれないし・・・」

「権助、気が変わるんだったら余計にやり過ぎよ。」


「やり過ぎは分かっているよ。だけど、それでも助けてあげたいんだ!」

「ダメよ、権助!」

「・・・」


俺が途方にくれていたら、電話から父さんの落ち着いた声が聞こえた。


「権助、父さんならその娘に1万円渡して縁を切る。

だけど、お前は世話をしたいっていう。お前は優しいな。

やってみろ。

10万円だけ特別に送るから、その中で考えなさい。

だけど、絶対に無理するな。

本来は母さんの言うとおりなんだから。」

「分かった、約束する。ありがとう。」


また明日投稿します。


面白ければ評価をお願いします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] このような展開だと、母親が「よくぞやった。さすが私の息子」てな感じでノリノリで盲目的に賛成に回るパターンが多く食傷気味ですが、最後まで断固として反対の立場を貫いた辺りに作者さん、よく考えら…
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