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17/21

★18 大浦樹愛羅③

よろしくお願いします。

高評価、ブックマークありがとうございます。

誤字報告、ありがとうございます。

22話で完。

ゴンちゃんは、私が変身するときにこう言った。

「できればイジメたヤツらを許してあげて・・・」


このクラスで私を酷くイジメたのは、若槻りんなちゃん、海老沢美姫さん、市川エイルさんと

仙石龍聖くん。


絶対に許せないのは、仙石くんだけ。

自分が悪いくせに、ゴンちゃんを滅茶苦茶殴った上に、

彼女の愛梨沙さんを寝取って、ゴンちゃんの心まで酷く傷つけたから。


結局、初犯で14歳だったから補導で済んだらしい。


イヤらしい笑顔を浮かべた海老沢美姫さんと市川エイルさんが、

帰ろうとする愛梨沙さんを引き留めた。

「なあ、どこ行ったんだ?ネトリ野郎との二人っきりの修学旅行は!」

「ラブホテルだよね~、ビッチちゃん!」


その言葉を遠くで聞いていた仙石くんは走って逃げ出した。


愛梨沙さんは2人を強引に引き離し、ゴンちゃんに近づいて叫んだ!

「私を助けてよ!なんで大浦さんを助けて、私は助けてくれないの?

酷くイジメられているんだよ!なんで、なんで、助けてくれないの!」


ゴンちゃんの顔は蒼白になっていた!

「樹愛羅は上から下まで清潔にして、ちゃんと挨拶すればって分かっていた。

だけど心のキレイさは、どうやったら証明できるんだ?」

苦しそうに言葉を絞り出していた。

「!」

「龍聖に助けてもらえよ。」

泣きながら愛梨沙さんは教室を出て行った。


教室中が静まり返っていた。

その空気の重さに耐えきれず、何人かがこそこそと帰っていった。


しばらくしてからゴンちゃんは立ち上がって、

若槻りんなちゃん、海老沢美姫さん、市川エイルさんに近づいて行った。


「なあ、頼みがあるんだけど・・・」

「愛梨沙のこと?」

「うん。事件起こされたらイヤだしさ、もうアイツをイジらないでくれると嬉しい。」

2人がうなずくと、りんなちゃんが話し出した。


「ゴンはホントに、いいのかよ?」

「・・・俺はまだまだ許せそうにないけどさ、

やっぱり愛梨沙が可哀想に思えちゃって・・・」


「女の子に甘いねえ~。龍聖はどうなのさ?」

「・・・うん、アイツはどうでもいいな。」


「・・・ふ~ん、考えておくよ。次はこの3人一緒に勉強会をしてくれよな!」

「そのくらいなら安いもんだな。」

ゴンちゃんはほっとしていた。


夕食が終わって、宿題が終わると少しだけ休憩タイムだ。

テレビのニュースをぼーっとしながら、2人並んで見ていた。


「ねえ、ゴンちゃんは今、楽しいかな?」


私が話しかけると、ゴンちゃんはふわりとした笑顔を浮かべた。

だけど、目は少し悲しみに沈んでいる!


「そうだね・・・今日はちょっとやられちゃったけど、毎日、楽しいよ。

樹愛羅や皐月、翔真たちのお陰だね。ありがとう。」


ゴンちゃんの心を救いたい!少しでも暖めてあげたい!

「ありがとうはこっちだよ。

母といた時は暗闇の中にずーっといたんだ。

だけどゴンちゃんが光の下へ連れ出してくれた!ゴンちゃんが私を幸せにしてくれた!

食事だって、この服だって、寝床だって、友達ですら、全部ゴンちゃんがくれたんだよ。

もっと、ゴンちゃんにお返ししたい。ゴンちゃんに笑ってもらいたい。

ゴンちゃんに幸せになって欲しい。

ねえ、ゴンちゃん、何でも言ってね?

何でもするし!頑張るから、ね。」

一番言いたかった「好き!」っていう言葉は飲み込んだ。


私の言葉にゴンちゃんは微笑が大きくなった。

「ありがとう、毎日、美味しいご飯を作ってくれて。毎日、一緒に笑ってくれて。

今まで通りで充分幸せだよ。ありがとう、樹愛羅。」


ゴンちゃんの優しい言葉がすっごく嬉しかった。


だけど、ゴンちゃんの幸せを邪魔したらいけないから・・・

「ゴンちゃんが・・・もし皐月ちゃんを・・・他の誰かを恋人に選んだなら、教えてね。

私、この家を出て行くから・・・」


「ダメだよ、そんなの!絶対にこの家から出て行かせたりしない!

・・・今はこの人じゃなきゃダメだっていう人はいないんだ。

もしかしたら、他の誰かを好きにになるかもしれない。

だけど、勝手だけど、樹愛羅はずっとこの家に居て欲しい。

・・・ずっとここに居てくれ!」


私の言葉にゴンちゃんは弾けるように答えてくれた!

「ずっと居ていいの?ありがとう!」

うれし涙が止まらなかった。



読んでくれてありがとうございます。


面白ければ評価をお願いします。


また明日投稿します。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 女ってだけで許される展開かぁ
[一言] 樹愛羅のこと考えると私も一緒に住むっていうくらいの強引さがないから皐月は愛梨沙に取られちゃってたのかね〜
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