★16 修学旅行
よろしくお願いします。
今回は短めです。
TDLもその15人で相談して、昼間は一緒に回ることになった。
みんなでファミレスに行って、行きたいアトラクションを決めて、ルートを考えた。
樹愛羅はこんなに大勢でファミレスに来たことがなかったので、大喜びしていた。
家に帰ってからも家事をしながら、宿題をしながら、
軽やかに鼻歌を歌っていて微笑ましかった。
ちなみに愛梨沙と龍聖は体調不良により、3日前にキャンセルしていた。
TDLは快晴だった。
みんなでぎゃあぎゃあ騒ぎながら、アトラクションやパレードを楽しみ、
色んな食べ物をシェアしたり、はしゃいだ写真を撮り合っていた。
夕方になって班ごとに分かれた。
俺たちはナイトパレードを見るため、座って待っていたら翔真が立ち上がった。
「ちょっとトイレ行って、飲み物買ってくるわ。何かいる?」
翔真がいなくなってしばらくすると、右隣の皐月が真剣な口調で囁きかけてきた。
「ねえ、ゴンちゃん・・・」
「どうかした?」
「私、ゴンちゃんのことが好きなの!ずっと前から!お願い、私のカレシになって!」
皐月がすがるような目で見つめていた。
ずっと仲良くしていたけれど、こんな表情は見たことなかった。
愛おしさがこみ上げてきた。だけど・・・
左隣の樹愛羅にも聞こえていたらしく、ビクッと反応していた。
「あ、あの、皐月・・・」
皐月のことは好きだけど、去年の愛梨沙のように、
お前じゃなきゃダメなんだってわけじゃない・・・
「・・・樹愛羅の方が好きなのかな?」
答えが遅い俺に、皐月ががっかりした感じで呟くと樹愛羅がまたビクッと反応した。
「・・・いや、今は好きな子はいないんだ。この1年は受験だしね・・・
好きな子と同じ高校に行きたいなとは漠然と思っているけど・・・」
「・・・そう。じゃあ、私、元町高校に絶対に、合格してみせるよ。
一緒に行こうね、ゴンちゃん!」
いったん気落ちした皐月だが、すぐに立ち直って高校合格へのやる気をみなぎらせた。
だけど、無理してるよな・・・どう話しかければ・・・
ナイトパレードが近づいて来ると、翔真がタイミング良く帰ってきた。
パレードが目の前を通っていく。
キャラがこっちを向いたので手を振ったら、ちゃんと振り返してしてくれた!
「ねえ、ゴンちゃん。私も元町高校目指して頑張るからね!」
樹愛羅が耳元で囁いてきた・・・
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