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12/21

★13 ネックレス

よろしくお願いします。



改札を出ると皐月と樹愛羅が待ってくれていたけど、

3人の男子高校生?につきまとわれていた。

「お待たせ!」

快活に皐月と樹愛羅に声を掛けた。


「ゴンちゃん、遅いよ!」

皐月と樹愛羅が笑顔を向けてくれると、3人の男は舌打ちしながら去っていた。

2人に挟まれ歩き出すと、「「ありがと。」」と2人にハモられた。


「うん、すぐに向こうに行ってくれてホッとしたよ。

でも30分も早く来たらダメだよ。

2人ともめっちゃ可愛いんだから!ナンパ野郎が寄ってくるでしょ!」

俺が軽く叱ると、「「う、うん・・・」」とやっぱりハモって下を向いてしまった。


「今まで、可愛いとか言わなかったくせに・・・」

何やら皐月が呟いているけど、よく聞こえない。


まずは俺の服を買いに行った。

真由ねえにTシャツを選んだことがバレてしまうと

2人が1セットずつ選んでくれることになった。


「どう、ゴンちゃん、このシャツは?」

「うん、ショッキングピンクは勘弁してください!」

などとちょっとイジられてしまった。


あれでもない、これでもないと俺の服を吟味する女子2人。

決まった時にはいい加減疲れていたので、オシャレなカフェで休憩した。


キョロキョロ挙動不審な樹愛羅が可愛い。


皐月がカフェオレを一口飲むと恐る恐る尋ねてきた。

「ねえ、ゴンちゃん。その、親戚のお姉ちゃんとはどんな関係?」

「仲良しなだけ。樹愛羅がいたから、からかってきたんだよ。」


皐月と樹愛羅は明らかにホッとしていた。ムズがゆい・・・

「じゃあ、ゴンちゃん。TDLは誰と一緒に回るの?」

もうすぐ修学旅行に行くのだが、愛梨沙と龍聖、イインチョと約束していたよな・・・


「・・・白紙になっちゃったな。」

「じゃあさ、一緒に回ろうよ!私も決まってないんだ!樹愛羅もどう?」

皐月のテンションが上がって笑顔になった。


「うん!お願い!」

「じゃあ、とりあえず3人は決定な。」

「どこか、行きたいところある?」

皐月がTDLガイドブックを取り出した。用意周到だな。


「海賊のアトラクションがいいです!」

樹愛羅が嬉しそうに提案した。


三宮駅に向かって歩いていると、

皐月が「ゴンちゃん、ここ!」ってパワーストーンショップに入っていった。


樹愛羅がパワーストーンを興味深そうに見ていると、皐月がそっと近づいて囁いた。

「ねえゴンちゃん、愛梨沙の件とか、樹愛羅の件、大変だったね。」

「ああ、だけど皐月のお陰で上手くいったね、ありがとう。」


「ねえ、これオシャレだと思わない?どうしようっかな?」

濃い赤紫の石のネックレスをじっと見ていた。


「これって何の石?」

「ガーネットだって。」

これって買ってくれっていうことかな?値札を見たら二千円だった。


「・・・お礼にプレゼントしようか?」

「えっ、いいの?ありがとう!」

花のような笑顔を見せてくれたけど、作戦どおりだろ!

可愛いから許すけど。


皐月から気配を消すように言われた。

支払いを済ませると、2人でこっそりと店の外に出た。


「最初はグー、ジャンケンポン!ゴンちゃんの勝ちね!

じゃあ、このネックレス、着けさせてあげる!」

えっと、どういうことだろう?


ネックレスを渡されたので、皐月の後ろに回ろうとすると押しとどめられた。

頬を赤く染めながらニンマリと笑っている皐月。


「ゴンちゃん、ジャンケンで勝ったから、前からネックレス着けていいよ!」

「へっ?前から?」


「そう、前から。勝ったでしょ?」

赤面しながら、出来るだけ触れないようにしながら手を伸ばし、

首の後ろでネックレスを着けようとするが初めてだしなかなか上手くいかない。


皐月の体温を感じる!呼吸を感じる!ヤバい!ドンドン緊張感が高まっていく!

なんとか着けると、ふんわりと抱きしめられ、甘く囁かれた!

「留め具を前に出せば良かったのに!抱きしめたいからって、エッチね。」


永遠に思えた一瞬から解放されると、ちょうど樹愛羅が慌てて店外へ出てきた。

ガーネットを触りながら、真っ赤になって下を向いている皐月と

シビれて動けなくなっている俺を交互に見ていた。


樹愛羅はしばらく、口を利いてくれなかった。


読んでくれてありがとうございます。


面白ければ評価をお願いします。


また明日投稿します。

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― 新着の感想 ―
[一言] おおっと、てっきり皐月は翔真とくっつくもんだとばかり・・・。
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