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九戦目

俺が登山用のリュックに懐中電灯、ノコギリ、携帯食糧、雨具、着替え、コンパス等、必要物資を詰めているとエリシアは突っ込んできた。


「ちょっと待ちなさい。どこに行くつもり?」

「裏山に建築資材を調達しにいくんだよ。」

「そんな装備でうろつくの?モンスターが彷徨いてるのに?」

「いや、万が一に備えて万全な道具を揃えているのに、これのどこが問題か?」

「最低限、回復アイテムとか、携帯食糧とか、砥石とか、樽爆弾とか、ブーメランとか、いろいろ持ってくものあるでしょうが。」


なんかのゲームと勘違いしてないか?


「素材集めだし。いいよ。」

「ボスキャラ来たらどうするのよ!回復アイテムぐらい作って行きなさい。」

「エリシアのアイテムボックスに入ってる薬草って無限にあるわけじゃないんだろ?」

「そうだけど。」

「じゃあ現地調達する」

「この世界にないって!いや、育てればあるのか。」

「育てる?」

「あんた。畑空きある?」


俺はうなづいた。


「その畑借りるわよ。」



そう言われて本日2度目の畑に到着する。


「体借りるわね。」


言ってエリシアは俺の体に憑依する。今度はエリシア主体での畑仕事が始まった。

特にやった事といえば俺がやった事と変わらない。



(回復薬ってむしろ魔力を餌に育つから肥料は魔力多めが良い。昨日オオカミ殺した時、土に魔力が溶けて移ってるからその玄関前の土を使います)


エリシアの解説付きです。

玄関前の土を撒き。

さらにゾアルの左手を持ってくる。

うわっ。黒い泡になって消えてないし!


(本人が生きてるからね)


ああなるほど。

それを錬金術でぐちゃぐちゃにし、土に混ぜる。

青いきのこを錬金術で成長させまくって、胞子を出させて、枯らせる。

すると土の上からいっぱいきのこが生えて来て。


「いい感じに増殖してるね。」


1個が30個ほどになった。

続いて薬草だ。


アイテムボックスから枝付きの薬草を取り出すエリシア。そして水を張った水槽を用意する。そこにいろんなゾアルの左手で作った養分を混ぜて茎を入れる。

すると茎の部分から根が生えてきた。


ある程度生えるとそれを地面の中に移しかえる。

土の中に根を張りまくって色んな場所から生えてくる。

まるで雑草だ。

大葉サイズの薬草が100枚ぐらいになりました。


(よし、こんな感じかな)


憑依終了。体から出てくるエリシア。


「俺、これ、説明受けただけでも出来たよ。」

「過信はいけないよ。堆肥の魔力の量間違えたらちゃんと育たないんだってば。」


なるほど。

そこまで意識して見てなかったな。でも作ったのは青いきのこと薬草だけ。


「後、ハチミツは。」

「スーパーで買ってきたやつでオッケーだよ」


それでいいんだ!!

回復薬スーパーを調合し、500ミリペットボトルに詰める。

今日は4本分だけ調合し、後はエリシアのアイテムボックスに。


「エリシアの、生きてる回復薬スーパーって反則だと思う。」

「序盤だけね。回復量に限界あるし。例えば最大HP1万あるとして、10万のダメージ受けました。この回復薬スーパーって2リットルじゃ一瞬で無くなっちゃう。」

「なるほど。」


そんな天変地異のような存在にはなりたくないな。


「得武!ご飯出来たけんね。はよ来ちょくれ。」


というばあちゃんの声がする。素材採取はまた食事の後になりました。





ご飯を少し取りわけ、仏壇に供える。

(ご先祖様、今日も見守って下さりありがとうございます。)


感謝の気持ちも忘れない。ご飯を頂くのはそれからだ。

食べ終わったら山へと出発だ。

トロロごはんと味噌汁、浅漬けに軽く焼酎の香りがする梅干し。

山芋は自然薯と呼ばられる自然の物・・・すり下ろして作るトロロには、畑のものとは全く別物、粘りが強すぎて団子になっている。だから椎茸出汁とうま口醤油で濃度と塩気を調整。このトロロごはんが香り豊かで最高に美味しいのだ。


この食事で、すり減った精神と体力を補給。ばあちゃんありがとう。


「ご馳走様でした。」

「婆ちゃんのご飯も心こもってて美味しいね。すごい元気出る。」


そんな事をエリシアが言うもんだから思わず御供えしたごはんを横目で確認。案の定無くなっていた。


「エリシア、やっぱり食べたんだ。」

「いいでしょ、魔力いっぱい使ったし。」

「いいけど、ご先祖さまにも残しておいてくれよ。」

「得武、そんな事言うなら次から2人前御供えしなさい。」

「えっ!?」

「約束ね!!」

「ま、いいけど。」

「やったー!!ありがとうね。」


そんな契約を結ばされてしまうのだった。でも、エリシアはパートナーだ。そんなパートナーである精霊に食事を分けてあげないというのもおかしな話である。だからこれからは、2人前御供えする事が決まったのだ。


ばあちゃんに突っ込まれたらなんて答えようか・・・。

そんな不安を頭によぎりながらリュックを背中に背負う。凄い上機嫌なエリシアを肩に乗せ、山に向かうのだった。





「雑木林じゃなくなってる!!なんか森になってるし!なんで!?」


正直な俺の感想だった。

道中、化け物を5体ほど倒した。

ゾアルが落とした短剣をそのまま使わせてもらっている。

武器の性能のおかげか、エリシアの力を借りずに一人で倒せたのだ。

肉を斬る異様な感覚は本当嫌だが、慣れるしかない。


「世の中、ダンジョン化してるけど、これは本気のダンジョンがあるのかも知れないわ。」

「ダンジョン?世の中のダンジョン化。」

「この○○西町のダンジョンボスがいるかも。」

「ダンジョンボス!?倒すとどうなるの!?」

「その地区に化け物がリポップしなくなる。」

「よし狩ろう!!最優先で狩ろう!」

「素材集めって言ってたでしょう!10分前の誓いを忘れたか!!ほらこれ。」


道端に生えてる草を指さすエリシア。


「雑草がどうした?」

「異世界ではお馴染みの毒消し草よ。麻痺茸とかもある」


俺はエリシアの指刺す先の野草を採取する。


「異世界の草がなんでこんな道端に。」

「地球の異世界化が進んでるのかも」


そうなりますよね。

でも、それならそれで戦闘が楽になるかも。


「もっと奥まで進んで見よう。」


好奇心は抑えられなかった。

洞窟を発見。

中に入ってみる。

ホームセンターで手に入れた短剣を錬金術でツルハシへと加工した。

エリシアの指刺す場所を掘る。


「鉱石ね。魔鋼タングステン。それとメタル。」


掘ってすぐエリシアがアイテムボックスへ収納してしまう為物が見えなかった。


掘り進めると出て来る鉱石は魔鉱タングステンがメイン。メタル微量でたまに紅い石。


「得武、そこの床、トラップあるよ。気をつけて。」


トラップって、なんだよ。

俺は心の中でボヤキながらトラップを見つめた。

確かに土の色が違う。「踏み付けたら罠が作動するんだろうな」という事は一目瞭然で分かる事なのだが、罠って一体どんな理屈で成り立ってるんだろうって考えてしまう。

分解して調べてみたい気持ちに駆られた。


「エリシア、これ。」

「罠が何かしら?」

「持って帰れないか?」

「持って帰る?」

「玄関先に設置してゾアルを困らせてやろう。」

「なるほど。いいわねそれ。アイテムボックスに土ごと入れるわ。」

「頼む。」


俺の、対ゾアル戦に向けて我が家の大幅リフォーム計画が脳内に作り上げられて行く。

新子家が要塞に近づいているとは妹の咲羅は思ってないだろうなと考えると悪戯心が刺激され、もっと癖の強い造りにしたくなってしまう。


そんな事を考えながらの素材採取はワクワクの連続で楽しいものだった。

洞窟の中は天然の要塞だ。

化け物しかいないのにところどころになぜか松明がこもっている。誰が付けたのだろう・・・。それは知らない。


「得武、物陰に隠れて。」


エリシアに誘導されながら、洞窟の中の分岐点、狭い路地を行く。

中から二足歩行の豚が数匹歩いてた。

150センチサイズ。

豚さん、キョロキョロしている。

俺は気配を殺しながらボウガンを構え、狙い打つ!!


「ブゥヒギィいい!!」


首にヒット!

悲鳴が上がる。

まだ仕留めて居ない。

2体同時に襲いかかってくるが、冷静に矢を装填し、

狙い打つ!!

一体倒れた!!

ボウガンを手放し、ナイフを構える。


豚の突進、躱し切れない!

強烈な痛みに耐えながら。

でも同時に回復薬が使用されるのを感じる。

急所を見極めナイフを振り下ろす。


<レベルが上がりました>


ふぅ。緊張するな。


「まだまだぎこちないけど、だいぶ様になってきたわよ。」

「褒めてるのか馬鹿にされてるのかわからないな。」

「褒めてるのよ。」

「ありがとう。」

「でも欲を言うと、今の戦闘はノーダメージで切り抜けて欲しかったな。」

「今の戦闘・・・俺少しもたついたよな。気をつける」


2体のオークは黒い泡になって消える。

そこに残ったもの。

それは石だった。拾い上げる。


「それはオークの魔石ね。魔石関係はいろんな利用価値あるから見つけたら回収ね。」

「エリシア、それどんな利用法?」

「この魔石は低品質だから粉にして畑に蒔いたらいいと思う。良い薬草ができる。もしくは特殊な鉱石混ぜて、魔除けのお守りにするとか。」

「それは貴重だ。」

「上品な魔石が手に入ったらもっと違う使い方あるけど、手に入れた時説明するね。」

「ありがとう。」


レベル6になった。ステータスはこうだ。


新子 得武 レベル6

精霊の理解者

スキルポイント 4


HP 60

MP 135


STR 7

VIT 7

INT 14

MD 12

DEX 7

AGE 8

LUK10


スキル

精霊の守護レベル3

錬金術補正レベル2

錬金時鑑定レベル1

魔力成長補正レベル3

物理耐性レベル2

精神耐性レベル3

精霊魔術レベル1


MP以外のステータスはレベル1の咲羅のステータスに満たない事を、この時はまだ知らなかった。

あれ、なんかスキル項目が増えてる。


「そうね。スキルポイントを振るだけじゃなくても使い込む事で産まれるスキル、上がるステータスってのがあるわ。あなたの場合MPもそうだけどHPもそうね。」

「これはレベルアップしたから増えたんじゃ無いんだ。」

「当たり前でしょう!大体、マックスからMPを0になるまで使い込むと最大MPが増えるわ。それは以前に説明したと思うけど100回以上繰り返すから135まで上がってる。」

「なるほど。」

「それと同様にHPもマックスとゼロを繰り返したので上がってます。」

「なるほどね。じゃあレベルアップ分差し引いて30回近く死んでるね。」

「そうなります。」


聞きたくなかった。


「スキルボードは長押しするとスキル詳細が出てくるよ。」


なるほど。良いアドバイスありがとう。


精霊の守護レベル3

レベルを上げる毎に精霊の力の還元率が上がる。仲間になる精霊の数が増える。精霊魔術を使う時、より遠くにいる精霊に呼びかけて魔法を使える。


錬金術補正レベル2

錬金術が失敗しなくなる。レベルが上がる事で魔力が濃い物まで分解、錬成、属性や特殊なスキルが付与出来る様になる。

錬成出来る大きさもアップ。離れた場所から錬成できる。


錬金時鑑定レベル1

一度錬金術使ったものに対し、鑑定を行う。

知る事で分解、合成しやすくなる。

レベルが上がるにつれて、魔力が濃いものまで見る事が出来る。


魔力成長補正レベル3

MPの成長を促す。

MP 0になった時の疲労感、悪酔いを軽減。


物理耐性レベル2

物理ダメージを2%カット。


精神耐性レベル3

精神ダメージを3%カット。


精霊魔術レベル1

レベルを上げる毎に威力が増す。

レベル及び集めた精霊の数により異次元の世界から、召喚獣、悪魔、天使を呼ぶ事が出来る。


なるほど。

今までお世話になっていた精霊の守護にスキルポイントを振る。


あれ、レベル5から6に上げるのにスキルポイント2つ消費するのか。


上げてみよう。


<精霊の守護レベル6になりました。守護精霊のスキルの一部を継承出来るようになりました>


「えっえーー!!!ダメーー!!!」


エリシアが叫んだ!


「ダメって何が?」


思わず聞いてみる。

エリシアは顔を真っ赤にして首を振った。


「なんでスキル共有なんかしないといけないのよ!!破廉恥だわ!プライベートをなんだと思ってるのかしら!!」

「えっ、俺、なんで怒られてる?」

「怒るわよ!!絶対、絶対、スキルなんて共有するもんですか!!いいわね。勝手にアイテムボックスの中身見ない事。鍵かけるけど、決して解除しない事。いい。」

「ちょっとまって、俺まだ状況をよく把握してない。」

「誓いなさい!!」


どうやらエリシアのアイテムボックスの中を覗けるようになったらしい。

そもそも俺、女の子のタンスの中身勝手に開けて見ないし。

この反応。黒歴史でも入ってるのだろうか?

エリシアの視線がよりキツくなるのであった。


「はい。私、新子得武はエリシアのアイテムボックスを覗きません。ここに誓います。」

「よろしい。」


不可抗力なのに。なんとも理不尽な話であった。




お読みいただきありがとうございます。


もし気に入ってくれた方はブックマークと評価を頂けると嬉しいです。


こちらも覗いて頂けたら幸いです。


<strong<ahref="https://ncode.syosetu.com/n2498ih/


エルフの少女に転移した俺は神子として崇められる。無自覚に無理難題を解決する内に現実世界でも無双(大暴れ)する。


・・・タイトル通りの展開です。

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