二戦目
事勿れ主義の俺、新子得武は喧嘩しないように穏便に日々を過ごしていた。誰にもぶつからないように、意見の衝突があった時も真っ先に俺は折れていた。
なので人を殴った事はないし殴られた事も今まで一度もない
そんな俺にとってこれは最悪の展開である。
初めての戦闘がまさか・・・こんな未確認生物との殺し合いになるなんて夢にも思わなかった。
ゴブリン達との距離およそ2メートル強。悔やんでも仕方ない集中だ!!
背後の2匹は無視、まずは目の前の1匹を仕留める!!
そう心に決めて地面を蹴った!
体制を低くし、消化器を振りかざし横にスウィング。狙うはゴブリンの頭だ!!
ひょいっと。
軽くバックステップで躱されてしまう。それならば・・・消化器を前に構えてそのまま突進した!
体当たりでゴブリンを捉えると、商品棚へと叩きつけるように挟み込む。
ゴブリンの体制を崩した所に足でしっかり捉えてマウント。
消化器を振り上げ頭に強打する。
ごきぃっ!とリアルな音。リアルな感触。
青い血が飛び出す。
気持ち悪い。
リアルに命の取り合いをしている事の罪悪感。
えっ、本当に殺すの?俺、殺人だよね。
ゴブリンに対する法律ってどうなるの?ゴブリンに動物愛護法って適用する?というか本当にゴブリン?ただ血の青いだけの人間だって事ない?過剰防衛。殺人行為で俺刑務所行きだ。
一瞬で頭を駆ける負の思考。思わず「俺って一体何をやっているんだろう・・・」って思ってしまう。殺さなければ殺されるのは俺だって本能ではわかっているのに日常生活で積み上げた習慣性が・・・殺しはいけないという先入観から俺の行動を鈍らせてしまう。心に揺らぎが出てしまう。
そのせいで周りの反応も気になり始めるのだ。
「何この子。ヤバい。」
「警備員呼んで。」
周りの反応から見て俺本気でヤバい奴だ。今の俺は不安と焦りはマックスに達している。
戦闘に集中しないと俺も周りの人も命が危ないのに。心が揺らぎっぱなしで
こんな調子で本当にゴブリンと戦えるのか?
一旦落ち着こう。これは夢だ。
ゴブリンは殺す。俺の行動は間違いない。
落ち着いて、眉間とか脳天、急所に鈍器を撃つべし撃つべし。
冷静に分析すると、周りの人はゴブリンが見えていないのか、乱闘が繰り広げられているというよりは、痛い人を見るような冷たい反応だ。
俺、消化器ぶっ放して商品棚突っ込んで1人暴れてる奴。
そんな奴、頭ぶっ飛んでるわ。
冷静にこの状況を整理しながら俺の行動を正当化する。
ゴブリンの頭に暴力を振るい続ける行為は周りの人から見えてない。
やって殺人罪は適用されない。
対抗で、俺の足を掴み返してくるが、すごい握力。
学生服を通りこし、爪が食い込む。血が滲む。
痛い!この夢、心も体も本当痛い!
不意に髪を引っ張られた。
腕を引っ張られた。
ヤバい。まだ1匹倒してないのに。後ろの2体に掴まれてしまった。
脳裏に浮かぶ一つの言葉。
詰み。またの名をゲームセットという。
嫌な思いを振り払う。
消化器を持ち上げ、倒れたゴブリンに力の限り投げつける。
ドォズゥン!!
重い、嫌な音がした。それにこの手の感触・・・俺の中で胸の奥から湧き上がって来る不快感。それに人に似た何かを殺める罪悪感・・・それは表現し難いほど気持ち悪い。
<ゴブリンを倒しました。ステータスを取得します>
突然脳内に響く不思議なアナウンス。
軽い、軽すぎる。このアナウンスによりまるでゲームの中のような感覚にさせられるから怖い。
そして、このゲームを思わせる要素がもう一つ、目の前に広がる異質なスキルウインドウの画面だ。
新子 得武
精霊の理解者
HP 15
MP 15
STR 1
VIT 2
INT 4
MD 3
DEX 2
AGE 2
LUK2
理解不能だった。
<3秒後にステータスを閉じます。再び見る場合はステータスオープン!と心で念じましょう。>
と再びアナウンス。
今分かるのはそんな事構ってる場合じゃなくて、後ろのゴブリンどうにかしなければならないという話。
掴まれてる腕が痛い。折れそうだ。
髪が抜かれる。殴られた!!だが負ける気はない。半分意地と気合いだった。ゴブリン、一体蹴り飛ばす。
意識を持っていかれそうだった。あまりにも痛覚が悲鳴をあげるから・・・
「あんたやるじゃん!よし、そのままやっちゃえ!」
そんな女の子の幻聴まで聞こえる。しかもまるで隣にいるような錯覚まで覚えてしまう。通行人なんて皆、警戒して俺の周りから居なくなっているというのに・・・
ステータスを得たおかげか、身体が妙に軽い。
もう一体、手を掴んで来るゴブリンを背負い投げ!
容赦なく地面に叩きつける。
昔、親戚の兄達と遊んでて覚えたのだが、その経験が役にたった。
そのまま踏みつける!
その感触は空を切る。
幽霊みたいにすり抜けたのだ。
あり得ない。なんで?ゴブリンの体が透けて攻撃が通らないのだ。
俺はびっくりして後ろに飛び退いた!!
2体のゴブリンに体勢を整える時間を与えてしまう。
「あんたヘタくそ!今なんで気を抜いた?魔力通さないと触れられないの常識じゃない。」
再び女の子の声がした。
常識!?魔力とか漫画やゲームの世界でしか聞いた事ないのだか、一体この観客は一体どこから声を出してる?耳元から声が聞こえるのだ。
何度も確認するが、ホームセンター内、大体の人が俺を危険視し距離を取っている。観客なんて1人もいない。幻聴が本当に酷いな。頭を強く殴られたのだ当たり前だ。この戦闘が終わったら病院行こう。
「もうヘタくそ。私が見本見せるから何も動かさないで。」
また女の子の声。
と思ったら俺の肩に手のひら小さな人形が止まっている。羽が生えている、まるで妖精のようだ。
「妖精じゃない。精霊よ!」
人の心が読めるらしい。
「君は一体・・・?」
「説明は後、あなたのHPも半分切ってるから、このままじゃ死ぬよ。」
なんだって?
と思ったら精霊が透明になった。
というより溶けて俺の体内に入り込んでくる感覚がある。
勝手に手が動くので不思議な感覚に思わずびっくりしてしまう。
(抵抗しないで。私に全て任せて)
頭の中に声が響いた。
精霊と名乗る初めて会う不思議な生物に身体を乗っ取られたのだ。そして「全て任せて」なんて怪しい言葉で俺の自由を奪うのだ。抵抗しないという選択肢がまず無理であろう。
だが、2体のゴブリンは体勢を整える。一体のゴブリンはこちらに突進してくる。もう一体のゴブリンは後方から俺にホームセンターの商品を投げて来る。
飛んで来たのは観葉植物だった。
精霊様のコントロールにより自分の足が勝手に動く。
その観葉植物を避けると、向かってくるゴブリンに対して足を振り抜いた!!
ゴブリンがまるでシュート撃たれたサッカーボールかのようにぶっ飛んでもう一体のゴブリンと衝突。玉突き事故である。
その強さは快感であった。俺は操られてる違和感は吹っ飛んでしまう。俺の運動不足の身体で、どんな体術が飛び出すのかワクワクする。だが、俺の中にいる精霊はこの結果に不満の様子だ。
(ラチがあかないわね。このまま続けて・・・こんな雑魚に何分かけるのよ。)
と言ってゴブリンに背を向け走る。もちろん逃げる為ではない。何かを探している様子であった。
ゴブリン達は俺を追う音が聞こえる。意外にも足が早くてびっくりする。全力でないと追いつかれてしまうのだ。でもそんな追いかけっこも1分も続かなかった。
(あった!!これよこれ!!)
走りながら売り物の包丁を通りすがりに2つ手に取る。続けざまに砥石も手に取った。確かに武器があった方が倒しやすいのは事実。封を開ける。
でも包丁は分かるけど何故2つ?しかも砥石も手に取るなんて・・・ゴブリンと追いかけっこしながら研ぐ時間なんて無いよ。
その疑問は予想外の形で目の前に展開された。
「合成。」
精霊の主導のもと、俺の口からそんな言葉が出た。そう思ったら不思議な感覚が手を走った。
何か俺の中にある不思議な力が2本の包丁を包み込む。
すると2本の包丁は一瞬強く光り、瞬きの間に形状が変化していた。太く長い一本の短剣になる。
走りながら、「上出来ね」という心の声を聞く。次に
「切れ味強化」
と声を掛けるとまた手に電流のようなものが走った。砥石が強く光り消える。瞬間・・・短剣の刃が光る。走りながら、試しにその短剣を素振りする。
商品であるベニヤ板が一刀両断されてしまった。全くと言って斬った感覚はなかったのだが、なんだこの切れ味は・・・?
本当にホームセンターにあったもので作られたとは思えないちゃんとした剣を構えていた。
「まあまあね。」
上出来ではないんだ!!
俺の体を使うのはいいが!独り言は辞めて欲しい。そう思っても独り言は辞めてくれそうにない。俺の身体は逃避行をやめて振り返る。
「さぁ、第二ラウンドよ。」
一瞬、ゴブリン達の足は止まった。しかし、2人、連携を取るかのように左右に分かれて俺に襲いかかる。
その向かって来たゴブリン達に向け短剣を振る。
「刃先に魔力を通すのを忘れない」
またも独り言なのだが、どこか俺に分かるように教えてくれてる節もある。また身体の中から電流みたいなのが走って短剣を通り抜ける。
振り抜く瞬間の出来事だった。
(そうよ。この感覚を忘れないようにしなさいよ。1人でも戦えるようにレクチャーしてるんだから。)
頭の中にそう響いた時それと同時の一撃・・・
一撃必殺とはこの事か?なんの抵抗もなく、斬った感触すらなかった。「ゴトッ」というゴブリンの首が落ちた音だけがホームセンター内に響く。俺の頬や返り血か頬や服を青色に染める。
1匹に何度も殴って殺した苦労はなんだったのか。こんなに脆い存在だったっけ?
振り返りざまにもう1体のゴブリンを斬りつける。
ゴブリンは棍棒を構えていた。ガードされたのだ!!
しかしその心配はなんだったのか・・・その棍棒ごと首が真っ二つに落ちたのだ。
なんという切れ味・・・それよりもこの切れっきれの剣術にも圧巻である。
俺の産まれて初めての戦闘の幕引きはあっけないものだった。
<新子 得武はレベルが上がった>
ふと頭に鳴り響くアナウンス。
「軽く身体も治しておくわね。応急処置」
身体の傷、目に見える外傷がなくなった。すっと身体の中から暖かいものが抜ける感覚があり、同時に身体の自由も戻るのだった。
精霊は半透明から実体へ。手乗りサイズの精霊さんは俺の肩にいた。
戦いが終わったのだ。安心感が押し寄せ、疲労感が俺を襲う。
そういえば、この精霊って一体なんだろう。
ステータス取得した瞬間現れたけど関係あるのだろうか。
そんな思いを察してか精霊が俺の肩から飛び降りた。背中の羽を使い俺の目の前に飛んで見せる。目の前の木材が並んだ商品棚の上に立ち、俺に向かいあって。
「自己紹介が遅れました。私、精霊のエリシアです。」
そう言ってスカートの裾を持ちペコリとお辞儀する。
ウェーブの掛かった長い髪、ワンピース姿。整った顔つきである。乱暴な子かと思ったけど、その仕草に品がある。ちょっと可愛いなって思ってしまった。
「どうもご丁寧に。俺は新子 得武。えっと、助けてくれてありがとう。」
いろいろ聞きたい事があったがまずはお礼から。
「いえいえ。こちらこそ美味しいご飯をいつもありがとうございます。」
「いつも・・・?」
ん?美味しいご飯?俺がいつ精霊にご飯あげた?
何の話?
「あなたは私の事初めてかもしれないけど、私はあなたの事知っていたわ。私、目に見えない存在だしこの近辺にずっと住んでたから貴方の事知ってたの。だってあなた、今時の高校生にしては珍しいもの。」
「珍しい?」
「仏壇とか神社とか・・・目に見えないものとか大切にするでしょ?精霊にとっては高評価よ。だから私も貴方の事は気にしてたのよ。」
「ピピィィィ」っとホームセンター内がホイッスルとかでうるさくなって来た。もっといろいろ質問したかったのだが遠くから警棒持った警備員が俺に近づいてくる。これはやばい。
考えて見れば俺、青い返り血を浴びまくってる。
右手に刃渡りの長い短剣を持ってる。危険人物。
売り物の包丁2本、砥石1本を勝手に使った。窃盗犯。
後、売り物めちゃくちゃにした張本人。
弁償代ヤバいよね。というか刑務所だよね。
財布に一万円しか入ってないや。
「得武!何ぼさっとしてるのよ。逃げるのよ。」
エリシアさん、俺の肩に乗り頬をつねる。
痛い。でも逃げるってそれはダメな人の行動。
「逃げちゃ人としてダメだろう。ここは誠意を持って謝って弁償すべき。話せば分かる」
「敵と会う度に毎回そんな事する気?そもそも敵が見えないこの無能達にどう説明するのよ。」
エリシアさん。ごもっともです。でもここは・・・
(でもじゃないの!!)
あっ身体が乗っ取られた。
ステータス入手のおかげで身体能力が上がっているらしい。
不本意ながら警備員を撒くのは簡単だった。
自転車に乗り、街中を走るが、あちらこちらで火の煙が上がっている。
こんな状況じゃ頼まれた野菜の苗なんて買えるわけもない。
そもそもばあちゃん大丈夫だろうか。
桜蘭は大丈夫だろうか?
いや、桜蘭は大丈夫だろう。この街じゃ喧嘩勝てる奴いない。
一応信号待ちでLINEを打っておこう。
自転車を走らせながら俺は精霊に問いかける。
「ゴブリンを倒したおかげでステータス取得出来たんだよね。だからエリシアさんみたいな精霊が見えるようになったんだよね。みんなそうなの?」
「みんながみんなじゃないわ。精霊ってそもそも霊体なの。ゴブリンみたいに魔力で出来た個体じゃないから視認って特殊なスキルがいるわ。」
「特殊なスキル?」
「ステータス取得時に人はそれぞれ性格のあった職業につく。得武はね。精霊の理解者ってジョブになった。その影響で私が見えるようになったの。」
「この俺のステータス。名前の下にある精霊の理解者って奴か。」
「そう。一般的に職業って言うの。レベルを上げる毎にスキルとスキルポイントが貰え、覚えたスキルにスキルポイント使って強化することで強くなるわ。」
なんかネット小説にありがちな展開になって来た。
「それぞれ性格にあった職業って・・・みんな固定じゃないんだ。」
「そうよ皆違うわ。詳しく言えば潜在意識に働いて、その人が最も求めてる職業を取得するわ。戦闘が好きな人は戦闘に最も適したジョブになる。得武は日々の行いが良いからこの職業になったのよ。」
「俺はルーティンを繰り返してるだけ。」
「じゃあ良い習慣だね。私ね、ハラハラしてたの。街に異変が起きて、街にモンスターが溢れたでしょう?いつものあの男の子は生き延びてるかなって。そして気配を辿って見に来たら危険な要素満載のホームセンター突っ込んで行くし。ゴブリンと戦闘してるじゃない。私何度も危ないよって忠告したのよ。」
「そうだったんだ。気付かなくてごめんな。」
「いや、それは当たり前だから気にしないで。でも、モンスターに勝ってステータスを取得したら精霊が見えるようになるんじゃないかって私、わかってたよ。得武は精霊に関係するジョブを取得するって。だって私だけじゃなくって、自我のない小さな精霊達にも好かれてるんだから。」
「そうだったのか。気にしてくれてありがとう。」
「どういたしまして。」
ステータスの事、何故見えなかった精霊が突然見えるようになったのかはわかった。でも何故モンスターか溢れたのか、分からないし疑問は沢山ある。戦闘繋がりで俺はこんな質問をした・・・
「さっきホームセンターでエリシアがやった魔法ってエリシアの固有スキル?」
「魔法なんて使ったかしら?」
「背中の鞄の中に入ってる短剣。いきなり作ったけど。」
「あんなの魔法に入らないわよ。冒険者なら誰でも出来る、錬金術って奴。魔力を少し使うんだけどね、野草を調合したり、剣の切れ味元に戻したり。これ必須スキルだから帰ったら教えてあげる。」
冒険者とか魔力とか、エリシアの常識は常軌を逸している。
「ありがとう。そんな知識豊富で精霊って一体どこから来たの?」
「他の精霊は知らないけど私は異世界から来たんだ。」
「異世界?ラノベみたいに剣と魔法の世界?」
「ラノベっていうのが分からないけどその通りよ。異世界で世界を救う為、勇者達と旅をしていたの。」
話長そうだな。そう思って身構えてしまう。
「旅の最後、魔王倒していざ世界が平和になった時、仲間達がね、元の世界に帰るって言い出したの。だから私着いて来たの。でも仲間達もいざ私生活始めると生活で一杯一杯になってしまって・・・私つまらなくなって旅してたの。」
いや、めちゃくちゃ話、端折ったな。
「それが、なんで俺の隣に居たんだ?」
「山があって、すぐ海がある。温泉もあるこの街が好き。それに・・・」
小声でゴニョっと言っていたのでよく聞こえなかったが、「あなたの近くが1番落ち着くから。」とそう言った。
そりゃ面と向かって言うのは恥ずかしいよな・・・でも好意は純粋に嬉しいもので、聞いてて俺は嬉しくなる。
「気にかけてくれてありがとう。」
「あなたは話相手が増えて鬱陶しいかもしれないけど、私はあなたと話が出来て嬉しく思ってるの。だって今までずっと独りだったから。」
俺もエリシアがいなければ今頃ゴブリンの餌になっていたかも知れない。
確かに無茶苦茶な事を言う奴だなとは思った。でも、
俺がエリシアを鬱陶しいなんてとんでもない話だ。
「俺もエリシアさんと話が出来て嬉しく思ってる。」
「得武、本当に?」
「感謝してる」
「勝手に身体操ったりするのに?」
「俺の為にやった事だろう。なんでもない事だよ。」
「さん付けはいらない。エリシアって呼んで。得武とは良いパートナーと思ってるから」
いきなり心の距離詰めてくる。
肩に乗ってるエリシアの表情なんて見えないが、真剣さは伝わる。
特に俺を利用してやろうなんて思ってないのだろうなと判断。心を少し許すのだった。
「エリシア。よろしく」
「こちらこそよろしく!」
笑顔になるのは分かるのだが、喜びのあまり頬を引っ張るのは辞めて欲しい。
グリグリと地味に痛い。
ヒリヒリする。
帰りながらいつものルーティンをこなす。
まだ営業しているコンビニで軽くお菓子を買う。
帰り道に地蔵がある。
そこに線香立て、お菓子を御供え、手を合わせる。
目を開けるとお菓子がなくなっていた。
次、坂を上がる前に小さな神社がある。
そこでお参りし、帰り道にある地蔵に御供え物をし手を合わす。
目を開けると本日2度目。お菓子がない。俺は確信した。犯人はエリシアだ。会った当初、「美味しい食べ物をくれる人」って言っていた。きっとこれの事だ。
「エリシアさん。もしかしてお菓子食べてる?」
「ええもちろん。逆に食べちゃダメなの?」
「仏様や、ご先祖さまに御供えしてるから食べちゃダメだよ。」
注意して、エリシアの表情が悲しくなるのを見たのだった。
2023年3月1日改稿しました。
説明文を追加しました。
得武とエリシアの絡みで補足点・・・得武がステータス取得した時、エリシアが何故得武の近くにいたのか理由を明確にしました。
「近くにいると、お供物のご飯が食べられるから」というオチに変わりはありません。
こちらも覗いて頂けたら幸いです。
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エルフの少女に転移した俺は神子として崇められる。無自覚に無理難題を解決する内に現実世界でも無双(大暴れ)する。
・・・タイトル通りの展開です。




