表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/159

一戦目 

初投稿です。よろしくお願いします。

戦闘シーンで軽いグロいシーンもありますのでR15に指定させていただきました。

いつものように学校に行って、勉強して友達と何気ない話をして一日を終える。そんな刺激のない日々。

俺は特別に何か取り柄がある訳ではない平凡な高校生だった。

俺の目標も、いい大学に行って、勉強して、医者になったり良い薬品を開発する会社に行ければ良い、そんな平凡な思想で過ごしていた。


そんな日常に飽きていると言えばそうなのかもしれない。でも俺は刺激を求めている訳ではなかった。


そのいつもの日常は突然に終わりを告げる。始まりは双子の妹、咲羅(さくら)の一言によってもたらされた。


「兄ちゃん、兄ちゃん、何あれヤバい!」


乱暴にも玄関の戸を開け放ちリビングに乱入してくる。俺と違いアクティブな性格で、クラスで人気者の咲羅だが、こんなに慌ててるのは初めて見る。


先程、朝練の為に家を出て行ったばかりだか、ものの数分での帰宅した。何か異変があったのは間違いないのだが・・・


「剣道の朝練、もう終わったのか?」


俺は朝食のピザトーストをコーヒーで流し込み、ボケてみる。


「違うって!!ちょっとこっち。こっち来て見てよ。」


強引に腕を引っ張られ家の庭に連れて行かれる。

ああ、まだ朝飯、食べ終わってないのに。


高台の上にある家の為、庭から海が見える。

今日もいい天気だ。


「ここじゃ見えない。」


そう呟いた妹に腕を引っ張られ、庭をウロウロ・・・歩道にまで出る。

そこで、海におかしなものを見た。


突如現れた巨大建造物。


それも昨晩まで工事していたとかそんな様子も無し。

スマホで検索かけても建設予定とか、建造物に見えて実はそんな船なんてそんな情報も無し。

そこに初めからありましたと言わんばかりに存在している謎の塔。明らかに異質だ・・・

事の重大さを噛み締めて俺は言った。


「大分港についに通天閣が出来たか。」

「兄ちゃん寝てる?リアクション間違ってるよ。港にじゃなく海の中だし、通天閣というより塔だし、紫色の瘴気発してるし。何あれ、やばい!が正解だよ。」


妹が言うのも当たり前だ。昨日まで何も無かった場所に異質な建築物が建つ、ありえない事だし不安な気持ちは分からないでもない。

だからって俺達の生活に害があるかないかなんて未知数だ。


「今、気にしても仕方ないだろ。ネットニュース待ったらオッケー。朝練遅刻するぞ。」

「オッケーじゃない。不安だから一緒来て。」

「まだ準備してないし、まだ仏壇に線香も…」

「なら10分で用意して!」


冗談かと思いきや、目がマジだった。

こうなったら言う事聞かない妹だ。

諦めて準備を始める俺、新子(あらこ) 得武(えむ)だった。


家に戻るとリビングを横切り、反対側の庭に出る。


「婆ちゃん!今日、なんか買ってくるものある?」


裏庭で家庭菜園の手入れをしていた婆ちゃんに声をかける。


「得武かい。そうだね、夏に向けて畑に植える為の苗を何種類か買って来ておくれ。」

「了解!」

「じいちゃんには挨拶したのかい?」


数年前に亡くなった爺ちゃん。朝の挨拶は欠かさず続けている。


「今から挨拶する。婆ちゃんと目とか腰とか悪いんだから無理するなよ!」

「分かってるわい。気を付けて行ってらっしゃい。」


軽く挨拶を交わし、仏壇へ行く。

仏壇へと手を合わし、


「じいちゃん、行ってきます。」


挨拶を済ませて立ち上がる。立ってすぐ、仏壇に飾ってあるじいちゃんの写真が倒れた。


「あれ?」


地震が起きた訳でもない。写真が倒れるなんてここ2年あり得ない出来事だった。

何か例えようのない違和感に駆られながら思考を巡らせる。

何か、じいちゃんは俺に伝えようとしているのか・・・?


「兄ちゃん!遅い!」


思考停止。

外で咲蘭が怒ってる!


「すぐ行く!」


じいちゃんの写真を元に戻し、咲蘭の元へ行く。

咲羅は自分の長い髪を後ろで結び直していた。


いつもの朝。最期になるであろうなんでもない風景だった。



自転車でツーリング。

坂を降りてしまえば基本、平坦な道が続く。


俺達は私立高校に通う。一年生だ。

俺はただ、いい大学入る為にこの私立学校の特特進クラスで授業受けてる。

妹は俺と同じ高校に入りたいが為にスポーツ推薦押し切って同じ高校に通ってる。

妹はすごい。もし剣道にオリンピックがあるのなら間違いなく選手に選ばれていただろう。


「兄ちゃん、あの大分港の建物、全くもってネットニュースになってない。おかしくない?」

「咲蘭。自転車中のスマホは事故の元だぞ。警察捕まるぞ。」

「うるさい。みんなやってる」

「妹が悪い子になってしまった!」

「兄ちゃんが真面目すぎるの!毎日、死んだじいちゃんに手を合わせ挨拶する高校生が他にどこにいるのよ。」

「いるだろう。他にも。」


ため息をつきながらスマホをポケットに入れる咲羅。


「で、話戻すけど。兄ちゃんは全然心配してないのかもしれないけど、一応気を付けてね。普通じゃない事起こってるから。」

「そうだな。」


登校中は特に異常もなく学校に到着してしまう。

剣道場まで妹を送り、その足で教室へと向かう。


妹に無理矢理登校させられた為、朝のホームルームまでかなり時間を待て余している。

今日の予習を済ませ、頭の中で要点をまとめ、いつもの読書へと時間を費やしていく。

本当になんでもない朝だった。



放課後。



「新子君、あのねこれ。」


クラスの女子から手紙を渡される。期待半分、一応聞いてみる。


「これ、もしかして俺に?」

「えっとね。妹の咲蘭ちゃんいるでしょう。咲蘭ちゃんに渡してほしいなって。」

「隣のクラスだろ。自分で渡せばいいじゃないか。」

「だって恥ずかしいんだもん。お願いね。本当お願い!」


本日2度目のやり取り。

妹の剣道の実力は相当なもので男の中に混じって試合しても勝てる奴がいない。

それをみて惚れる女子がとても多いのだ。


男子にも人気なのだが、それをぶっち切って女子人気がすごい。

それを兄の立場で喜んでいいのかどうか、疑問で仕方ないのだが。


「渡すだけな。」


きゃぁーと黄色い歓声を上げて去る女の子。

妹はこんな回りくどいの大嫌いなのに。

そんな事を思いながら引き受ける俺も大概お人好しだ。


俺は剣道場には向かわずに迷わず直帰する。友達がいないわけではない。

俺の友達も塾を掛け持ちしていて忙しい。

俺も俺で放課後1人の方が好きな勉強が出来る。

将来に向けて、いろいろな医療薬品の勉強とかしているのだ。


そういえばばあちゃんに野菜の苗を買って来てって頼まれたっけ。

そんな事を思いながら自転車を走らせるのだった。


自転車を走らせながら、いつもの日常にはない違和感に襲われていた。


初めは「何かが違う」程度の違和感だったのだが、走らせていていると段々と違和感が濃くなっていた。


まず空気が違う。晴天なのに、埃が舞って空気が澱んでいる。

救急車のサイレンの音。警察もフル稼働・・・。ここまで来ると決定的だ。何か大きな事件に巻き込まれている。

そして極め付けは鼻腔をくすぐる血の匂いだ。


もう確実だ。明らかに異常事態だった。

違和感を覚えながら、そのまま帰宅すれば良いのに何故かホームセンターに来てしまう。まだ身の危険を感じていないから日常の延長線上に俺はいる。


そしていつものように買い物をしようと店内に足を踏み入れてしまった。そこはもう、魔境と化しているとも知らずに・・・


不思議な光景を目にする。ショッキングな出来事でもある。


ホームセンターの中を子どもが3人走っていた。子ども?背格好で判断したけれどそれは正しい表現なのだろうか?


体の皮膚が暗い緑色の子供達。手には棍棒が握られ、全身返り血で血まみれだった。そんなのが暴れ回っている。

その暴れっぷりは狂気の域・・・棘が付いた棍棒で通行人を殴る殴る殴る・・・。逃げようともがいていた通行人も終いには倒れて動かなくなった。


・・・おい、嘘だろ!?人が今死んだぞ!?これは一体どういう事だ!?


殴り殺して次のターゲットを狙うなんて子どもがやる行動ではない。いや、子どもどころか人のする行動ではない。

更に不思議なのは、周りの人の反応だ。倒れる人には気がつくのに誰もその子どもに気が付かない。一体何故こんな危険な存在をスルーしているのか?


観察しているとその疑問はすぐに解決した。あろう事か人々に認知されていないのだ。視界に目に映らないのだ。そんな印象だ。


子どもと言っていたが顔が老人以上に皺だらけで醜い顔だ。もうこれはまるでゴブリンだ。

ゲームの世界でお馴染みの低レベルモンスター。

どうなってしまったのだろう。夢でも見てる気分だ。


「きゃああ!!殺人よー!」


俺だけ見えているのかと思ったら見えるのは俺1人じゃないようだ。

今叫んだ女性もしっかりとゴブリンを認知して叫んでいる。ただ、叫んだ事は良くなかった。


大声に反応して三匹のゴブリンが一斉に女性を見た。ゴブリン達はニヤリと笑う。

叫んだ女性は青ざめた、一歩後退りし、何もないところでコケた・・・尻餅を突いてしまう。

これはヤバい。思った瞬間、ゴブリン達は動き出していた。三匹は彼女に群がる。


「あ・・・。」


彼女は目もとに涙を浮かべながら・・・でも腰は抜けて足が動かない。

なのにゴブリン達は棍棒を振り上げて暴力を振るおうとしている。


俺は考えていなかった。

視界に入っていた消化器を手に取ると俺は栓を抜いていた。

消化剤でゴブリン達の視界を奪い。


「早く逃げて下さい!」


と群がるゴブリン達を蹴飛ばし、逃げ道を確保する。女性に逃げるよう促した。


「は、はい!」


走って逃げる女性を見ながら思う。

このゴブリン達どうしよー!!


本気で怒っててるし。

絶対走って逃げても見逃してくれないよね。

というか、こんな凶暴な奴放置していく訳には行かないし。


これは夢だ。

俺はゴブリン達と戦う夢。

ネット小説見過ぎたんだきっと。


視界のすぐれない中、薬剤の切れた消化器という鈍器を構える。ゴブリン達は俺を取り囲んでいた。


喧嘩した事ないけど、これだけは分かる。

ノーダメージでは終わらない事。

この場合、包囲網を抜けないとかなりヤバそうだという事。





2023年3月1日改稿しました。

説明文を補足しました。


こちらも覗いて頂けたら幸いです。



https://ncode.syosetu.com/n2498ih/


エルフの少女に転移した俺は神子として崇められる。無自覚に無理難題を解決する内に現実世界でも無双(大暴れ)する。


・・・タイトル通りの展開です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ