ショッピング2
「行きたいところか⋯⋯日本にないところに行きたいけど何かあるかな?」
「それなら魔道具店とかどうかな、そっちの世界にはない珍しいものが沢山あるはずだよ」
どんなのがあるのかな?日常で使えるような物も欲しいけど、漫画とかにある魔法を補助するような魔道具があれば俺でも魔法とか使えるかも。
あれ?そもそも俺って魔力とかあるのかな?アイテムボックスとか使えてるから多少はあると思うんだけど⋯⋯
「ここから近いところだとデルメントっていう店がいいかな」
「ひとつ聞きたいんだけど俺って魔力どれ位あるの?」
「いきなりどうしたのさ?」
「魔道具って多分だけど魔力がないと使えないよね、なら別の世界で生まれた俺に魔力ってあるのかなと思って」
凄い渋い顔をしながら俺を見ると驚いたような顔をして苦笑いを浮かべながら「魔力はちゃんとあるよ」と言ったがその後に小声で「⋯⋯ほんの少しだけど」と。
もちろん聞き逃さなかった。
「ほんの少しってどれくらい?」
「えっと⋯⋯有るのか無いのか分からない位かな。別の世界の人ってことを差し置いても少なすぎるかな」
ラックが言うには元が少ないから大丈夫出そうだけど、普通なら魔力欠乏症で倒れてもおかしくないくらい少ないらしい。
「じゃあなんでアイテムボックスとか使えてるの?」
「恵くんのアイテムボックスは特別製でそれは指輪の中に魔石が入ってるから本人の魔力はいらないんだよ」
アイテムボックスは自分の魔力で大きさが決まるとか言ってたけど確かにその時ミュートさんは言ってた「魔力の量に関わらず」って。
始まってもない魔法LIFEが終わりを告げた。
せっかく魔法のある世界に来たのに魔法が使えないなんて⋯⋯
「心配しなくても大丈夫だから。魔道具は魔力が少ない人でも使えるようにほとんどが魔石を埋め込んでるし、さっきあげたペンダントは着けてる人の魔力が減る時肩代わりしてくれるやつだから魔法とかも⋯⋯多分使えるよ」
「そうだよな⋯⋯諦めるにはまだ早いよな」
「じゃあこの話はここでおしまい。早くお店に行こ!」
歩くこと数分、目的の魔道具店についた。
店に入るとペンダントや手袋といった小型の物から人1人軽く入れそうなくらい大きい物が所狭しと並んでいた。
「いらっしゃいませー⋯⋯ってあれ?もしかして貴方は恵さんですか?」
「なんで知ってるんですか?」
「ライラ様からお話は伺っていますので⋯⋯もしお店に来たら良くするようにと。あっ⋯⋯自己紹介が遅れました、フュワと言います」
「どうも」
「フュワ久しぶり」
「ラックさん来てくださったんですね、前に来たのって1年前くらいじゃないですか。あれから新作いっぱい作ったんですよ」
「それはまた今度⋯⋯今日の主役はこっち」
「すみません魔道具の事を語れる友達がラックさんしかいないのでついはしゃいでしまいました」
「てか私以外に友達いないよね」
「あぅ~⋯⋯そりゃ私だって友達欲しいですよ。でも魔道具作りに熱中しちゃったり店番とかもあってなかなか出かけられないんですもん」
なんか可哀想だな。ラックも何故か辛辣だし⋯⋯もうちょっと優しくしてあげればいいのに。取り敢えず話題を変えるしかないか。
「フュワさんなにかおすすめの魔道具とかないんですか?」
「オススメですか⋯⋯そうですねこれなんてどうでしょう。この眼鏡は視力が向上するだけじゃなく、ここのボタンを押すと周囲を立体的に見ることができるようになるんですよ」
凄!!ここまで立体的なんだ。なんというか常にマップのストリートビューで見てるみたい。
「こちらの靴もオススメですよ。履くだけで体力を癒し続けてくれるのでどれだけ歩いても大丈夫ですし、擦り傷程度ならすぐに治せます」
この靴いいな、歩いても疲れないどころか傷を癒してくれるなんてこれぞ魔道具か。
「今ならなんとこちらのインナーもおつけしますよ。着るだけで体温を完璧に調整してくれる優れものです。お値段も本当なら大金貨3枚のところなんとライラ様割引で銅貨1枚で良いですよ」
テレビショッピング見たくなってる、てか安い!!多分ここもライラ様の経営する店何だろうけど絶対におかしい⋯⋯ライラ様の厚意自体はありがたいんだけどさすがに行き過ぎてる気がする。
「商品自体はもちろん買わせてもらいたいんだけど⋯⋯そのライラ様に会ってお礼を言いたいんですけど仲介を頼めませんか?」
「すみません私も頻繁に会う訳では無いので早くても半年後とかになるかもなってしまいますが」
半年は流石にきついな、感謝を伝えるならなるべく早い方がいいからな。どうするべきかな⋯⋯
「なら私から頼もうか?アポなら直ぐに取れると思うよ」
「いいの?」
「このくらい任せてよ他ならぬ恵くんの頼みだからね」
問題なくライラ様と会えることになっちゃったな、エスティさんに頼もうかと思ってたんだけど、頼んどいてあれだけどラック確認もなしに会う約束とりたてて大丈夫なのかな?
「じゃあここはこれくらいにしてそろそろお昼行こうか」
「えっ!?もう行っちゃうんですか?もう少しお話していたかったのですが」
フュワは悲しそうな顔をしながら「もうちょっとだけ」と言ってきたがここでその誘いに乗ったらそれだけで一日が終わる気がするので商品を貰い店を出ようとする。
「フュワさんまた来てもいいですか?店の商品全然見れてないし、俺個人としてもまたお話したいので」
「~!ぜひ!!」
割愛してるだけでフュワの店には1時間以上います。
なのでそこそこ仲は良くなっているはずです。
書かなかった理由としては今のクオリティで書いてもグダグダしてまとまりが無くなるだけと判断しました。
いずれ何かの機会に割愛したところは載せたいと思っています。