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ピンチには必ずヒーロー(メインヒロイン)がつきものだ

庭っぽいところに出たけどほんとに広いな、外から見るとお城にしか見えないし。それにしても空は青いし庭に咲いてる花だって日本とほとんど変わらないじゃないか、異世界っていっても根本的な所は日本と余り変わらないんだろうな。

街の方もフランスの住宅街に似てるし、でもその向こうに見えるあれは何だろ?大きな壁だな、多分魔物的なものから街を守るためのものだと思うけど。


色々考えながら近くの腰を掛けられる場所に座ろうとすると黒いローブとフードを被った女の人がこちらに向かって一礼して来た、こちらも咄嗟に頭を下げるとフードを脱ぎ再度一礼してきた。


「お初にお目にかかります、今回護衛を任されたヴィトレイと申します。出発の準備が整いましたので着いてきて頂けますでしょうか」

「分かりました、でもすみませんそう言えばまだこっちのお金を貰って無いので少し待ってて貰えませんか」

「それならここにございますので、安心してくださいませ」


そう言ってヴィトレイさんが見せた袋には大量の銀貨と小金貨が入っていた。


「この街にも少なからず人を騙してお金を得たりする人がいるので、お金は私が持っておきますので必要な時に申し付けてください」

「何から何までありがとうございます、頼りにさせてもらいます」


歩き出すヴィトレイさんについて行くとお城の隅にある大きな倉庫っぽい所に着いた、倉庫の扉を開けると薄暗い道と下り階段がありそこを進んでいく。


「こんなところを通るんですか?」

「はい、街では異世界から人が来るとの事で少しお祭り騒ぎになっているので城の正門から出ると間違いなく観光所ではなくなるので、お城にある何ヶ所かある中でいちばん安全な抜け道から行こうと思った訳ですが、無駄な配慮でしたでしょうか」

「見ず知らずの自分の事をそこまで考えてくださるなんて優しいんですね」

「当然ですよ、宮下様はこの国にとっての大事な賓客ですから」


階段を下りながら話していると目の前に1つの扉が見えてきた、やっと外か⋯⋯この道少し汚くて息苦しかったんだよな。


ヴィトレイさんはどうぞとジェスチャーをして扉の前を譲ってくれた、取っ手に手をかけてドキドキしながら扉を開けると何故かそこには森が拡がっていた。どういう事か分からなくなり振り向いて確認を取ろうとした。


「えっとヴィトレイさんこれはどういう事でs━━うわぁぁぁ!」


後ろを振り向いた瞬間思い切り蹴り飛ばされ思い切り背中から地面に落ちる、かろうじてヴィトレイさんの方を見るとそこにはさっき見た大きな壁があった。10数メートル上の方にある穴を見るとヴィトレイさんが笑いながらこちらを見ている。


「貴方も馬鹿ですね、見ず知らずの人について行くなんて、警戒心をもうちょっと持った方がいいですよ。まぁもう遅いんですけどね」

「⋯⋯な⋯⋯なんで⋯⋯」


息が上手くできない、声もかすれるようにしか出ないしさっきから咳をする度に激痛が体を襲い吐血を繰り返す。上手く体も動かせないし、幸いだったのが地面がコンクリートでは無く、少しではあるが雑草などが生えているがしょだった事だ


「案の定死にませんでしたね、保険をかけて置いて良かったです。さすがの私も自ら手を下したらバレるかもしれませんし」


突如、近くの草むらからガサガサと音が鳴り、頑張って振り向いてみるとそこにはヨダレを垂らした赤い目のライオンのような獣がいた。


「その子は1週間近く餌をあげてない上に凶暴化する魔法をかけて理性を飛ばしていますから直ぐに殺してくれると思いますよ。では私はこの辺で失礼しますね、それではごきげんよう」

「⋯⋯ま⋯⋯まて⋯⋯」


睨みつけるように見るとそこには先程までヴィトレイがいた穴が塞がっていた。


やばい⋯⋯このままじゃ死ぬ、でも体は動かないしどうすれば⋯⋯なにか方法は無いのか、何でもいいから助かる方法は、


獣の方を見ると「ガオォォォ!!」と雄叫びを上げながら走ってきた。

ダメだ⋯⋯間に合わない、周りには誰もいないし逃げる体力もない。

短い人生だったなぁ⋯⋯でもせめて一撃くらい入れてやる!


覚悟を決め拳を握ぎり獣が傍に来るのを待っていると、突然今まで何も無かった空間に1人の女性が現れた。


「ねぇねぇ、君何してるの?」


俺は驚いて唖然としていたが獣はなりふり構わず女性ごと俺に突っ込もうとしてきた。

枯れ果てそうな声を振り絞って声をだす、


「逃げて!」


ダメだ間に合わない!せめてこの人は助けないと、立て!立つんだよ!!


動かないからだを無理やり動かして目の前の女性をつき飛ばそうとするが、女性は獣の方を向いて静かに怒った。


「おい獣畜生!私は今この人と話してるんだ、とっとと失せろ!!」


理性を失ってる獣ですら本能で退く程に強い圧を飛ばした⋯⋯俺に対して圧は一切飛んできてないのに俺ですら怖くなるほどだ。


「そんなに怪我をしてるのに私のことを心配してくれてありがとうございます。今回復魔法掛けますからね」


女性は俺を安心させようと笑いかけてくれた。

その瞬間後退した獣が走り出し今度はさっきより早く全力で殺しにかかってきた。

だがこの場で1番俺が恐怖を感じたのは獣では無く女性にだった。明らかにキレていた、顔は依然として俺に笑いかけてくれているのにものすごく怖い。

そして獣が飛びかかった瞬間━━


「⋯⋯消えろ」


ボソッと何かを言ったと思ったらさっきまでいた獣が跡形もなく消えていた。


「これで大丈夫だよ、もう立てるよね。ここは危ないからとりあえず中に入ろうか」

「ありがとうございます、助かりました。そのお名前を教えて貰えませんか」

「私はラックって言うんだ、よろしくね。それでこんな所で何してたの?」


俺は歩きながらラックさんにに今まであったことを全部話した、すると少しというか表情に出てないだけでかなりキレていた。


「そうだね、取り敢えず今日のところは帰りなよ。ドラグニル公爵家までは私が案内するから安心していいよ、それか私の事も信用できそうにないなら地図を書いて渡すけどどっちがいい?」

「いえ、信用出来ないなんてそんなことないですよ。助けていただいた上に治療までしてもらってラックさんには本当に感謝してもしきれないです」

「それは良かった、それとさん付けなんてしなくていいよ。知り合いからはそのまま呼ばれてるから」

「そういえばラックさんはなんでここに?」

「私は仕事柄色んなところに行くことが多くてね今はその帰りかな」


少し歩くと国境検問所のような場所があり、ラックが事情を説明するとすんなり中に入れてくれた。そして色々な話をしながら歩いていると立派な家が並んでいる通りに出た。国の中心に進むにつれどんどん町並みが豪華になっていく、その中でもお城を除けば明らかに雰囲気の違う豪邸がそこにはあった。


「着いたよ、ここがドラグニル公爵の家だよ。何度見てもやっぱりおおきいよね」

「でかいっていうかそこら辺の家の2倍以上あるんですけど」

「そりゃ、めっちゃ偉いからね」


そんなに凄かったんだ、お金持ちだとは思ってたけどここまでとは、少しはこの世界のことを勉強しないとな。 お世話になる人のことくらいはしっておかないと失礼だよな。


そうこうしているとドラグニル家の門の前にはたくさんの武装した人達とミュートさんがおり、こちらを見た瞬間勢いよく走ってきて俺の体を勢いのままブンブンと揺さぶってきた。


「どこいってたんですか!心配したんですよ、城の外には出ないでくださいとあれほど言ったのにどこを探しても見つからないんですから!」

「すみません、色々あってこちらのラックさんに助けていただいたんですよ」


ラックさんを紹介しようと後ろを見るとそこには誰もいなかった。俺が目を丸くしているとミュートさんは何があったのかの説明を求めてきた。


よく見るとミュートさんは涙目になっていた、本気で心配してざがしてくれたんだな、ほんとに悪い事をしたと反省しなくちゃ。


俺はあれからあったことをラックの事を含め全部報告した。するとミュートさんは城に不審人物を入れた事に気づかなかったことや危ない目に遭わせてしまったことを謝ってきた。ミュートさん達ではなく勝手に判断してしまった俺のせいなのに⋯⋯

ミュートさんは直ぐに俺を家の中に入れ犯人が見つかるまでの間俺に外出禁止令を出した、今回の行動に対する罰などでは無く、むしろ安全に生活するためにこのような配慮までしてくれた。

その後は家にいる間はリアナ及び護衛数人での24時間体制の警護が着くことになった。


この世界に来てから何から何まで迷惑をかけっぱなしだな、この恩は絶対に返さないと特にドラグニル家とラックさんには⋯⋯


最初に言っておきます、メインヒロインはラックです。

今回は少しだけでしたが次回からもう少し活躍させていくつもりです。

頑張ってこれから可愛く書きます。


私は私の矮小な創作&執筆能力を信じてます。

私なら可愛くかけると!


そしてもう少し待ってください、そしたら甘くする予定なので。

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