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男女比が狂った世界で  作者: ノワール
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家族編

あれから3日経って今は木曜日。

やっぱり病院内も女性だけだった。リバビリ室では無理に何時間も身体を動かして現在筋肉痛だが他の人と何ら変わらないほど体を動かせるようになっていた。


明日退院日なのでそれまでには普通に動かせるようになりたかった。


その間仕事が忙しいのかお母さんは1度も見舞いには来なかった。寂しいと感じるがあのうるさい癇癪を聞かなくてすむのは嬉しい限りだ。


今は夕食を食べて横になっていた。あと眠るだけだと思ったがここでひとつだけ違和感を感じた。

そう、身長が明らかに低いのだ...起きてから今まで一生懸命だったから気づかなかったが今冷静になってわかる。身長が低いのだ。

いや、15歳だから低いのは低いのだが...155くらいしかないのではないだろうか...。めちゃくちゃ辛い。前は176はあった。20も低くなっている、これではいわゆる男の娘、になってしまう。.....いや、可愛くなるのありだな...。初日に顔を確認したがやはりこの世界の俺も絶世の美少年と言っていい。

これは100でモテる。間違いないと確信した。ただまさかコンプレックスができるとは思わなかった...

それを隠すために可愛く振る舞わないといけないのか...まぁ、何とかなるだろ。

貞操観念逆転してるこの世界なら余裕だろ。

そんなことを考えているうちに春は眠っていた。


目が覚めると朝8時、少し眠りすぎていたようだ。

ナースコールの押し、初日に目が合ったナースが来た。


「おはよう桜さん、俺は今日退院するけどなにか用意するものとかありますか?」


「ううん、一条くんは何も用意しなくて大丈夫よ。私たちが用意するから御家族が来るまでベッドの上でゆっくりしてて!」


「うん、分かりました。」


ラッキー!用意とかだるいので助かる助かる。男に甘くてありがたいわ。


テレビを見ながらお母さんが来るのを待つ。

1時間だった辺りだろうか、扉が開く。


「春く〜〜ん!!ごめんね!お見舞いに来れなくて!!お仕事がいっぱいで大変だったの〜〜!」


「うん、大丈夫だよ。仕事お疲れ様」


「天使...私の息子は天使なの...労ってくれた...」


「何言ってるの?そんなこと言ってないで早く帰ろ?」


「うんうん!そうね!早く帰りましょ!」


ナースとお母さんが用意をテキパキと終わらせてすぐ帰れるようになった。

病院の外に出るとナースたちがどっと溢れかえったのはさすがに笑いそうになった。

みんな「まだここにいて」的なことを言ってるので本当にこの世界は男に飢えているのだなと改めて理解した。

お母さんはナース達を払い除けるかのようにシッシッシ!っと手で払い除けていた。


用意されたタクシーに乗り、家に向かう。

病院から数分で家らしきところに着いた。


「お母さん、これタクシー乗る必要あった?」


「何を言ってるの春くん!!外は狼ばかり!!いえ、ライオンばかりなの!!そんなこと思ってると襲われちゃうわよ!!」


「は、はい、分かりました。ごめんなさい」


「分かればいいの!さっ、降りておりて!家に入りましょ。」


タクシーをおりると目の前には大きめの一軒家がある。二階建てだが広いのは一目瞭然。庭も広いし壁も高く設置されていて防犯も完備。いい家だなと思う。お母さんに即されながら家の中に入る。中に入るとどこかかいだことのある懐かしい匂いがした。

まえの俺の身体が覚えているのだろう。なんだか嬉しい気持ちになった。


「お母さん、姉と妹が居るらしいが学校?」


「ええ、学校ね。夏希は大学、秋香は中学校よ」


「そう、わかった。とりあえず家を案内して?」


「はーい!案内しまーす!」


元気な声で家を案内された。

リビングはもちろんありとあらゆる部屋が広い。何をやるにも困らないちょうどいい広さ。最高だ

風呂も広々で3人は余裕で入れるかも。

2階に行くと2階にもトイレやシャワールームがある。これは俺が欲しいと言うのでつけたらしい。なんて贅沢なんだ昔の俺!!と俺は俺に感謝する。


2階の一番奥の部屋が広くリビングと同じくらいの大きさだった。

お母さん曰く俺の部屋らしい。

部屋に入るのは俺だけって決まりがあるらしくお母さんは部屋の外で待っていた。


部屋に入って驚愕。

ぬいぐるみやらBL本やらと酷い有様

すぐにゴミ袋に入れて押し入れに封印した。家具は至ってシンプルの白を基調としたものだったのでそこはありがたかった。

女々しいものはほぼほぼ押し入れに封印。


「春くーん、騒がしかったけどどうしたの?」


「お母さん、ちょっと部屋に入ってきて」


「えええ!?!?いいの!?お母さん入っていいの!?」


「うん、いいよーどーぞー」


「は、入るわね!入ったあと怒らないでね!」


「怒らないって、早く入ってきて」


恐る恐るお母さんが入ってきた。

お母さん曰く春の部屋に入るのは7年ぶりだとか

すげーな昔の俺。部屋に家族入れんとか鎖国も腰を抜かして逃げ出すぞ。


「で、どうかな?部屋おかしい?」


「?ううん、全然おかしくないよ!リビングと似てるね!」


「そう!良かった!」


思わず笑ってしまった。


「天使!ここに熾天使がいる!!!」


「熾天使!?格上げされてるよ!それ外で言わないでね恥ずかしいから!!」


「それは春くん次第だよ〜!無防備なんだから!その顔でニコニコしてたらみんなお母さんみたいな反応になるわよ! 」


「うえぇ、わかった。」


その後は1階き戻り、昼食を出前で取り、ゆっくりして姉と妹の帰りを待った

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