クラスがギスギス
春が早退してから教室内はどんよりとしていた。
帰る原因を作ってた本人、加川美希は誰よりもどんよりとしていた。
(私のせいだ...)
正直、やりすぎたと思った。滅多に見ることの出来ない男。それも絶世の美少年。しかも同じクラスメイト。気持ちが浮ついてしまうのは流石に仕方ないとは思ったが男性にする行為ではなかったとものすごく反省をしていて、今にも泣きそうになっていた。
(もしかしたらもう学校に来ないかも...)
「美希!あんた酷い顔しているわよ」
「...」
「ち、ちょっと美希!!聞こえてる?!おーい!」
「あ...真希...どうしたの?」
「どうしたのって...私のセリフなんだけど!!...まぁ、言われなくてもわかるけどね...」
「言い過ぎちゃった...私...」
「だねぇ〜、あれは擁護できないかもぉ。一条くん的に身長とかコンプレックスみたいだったし。周りの男性は170は越えてるからね...余計辛いのかもね。私たち女としてはあんな2次元から出てきたような人物に出会えるなんて思ってなかったからね。可愛すぎでしょ...」
「...私、調子に乗りすぎた...絶対に嫌われた...」
「あ、もしかしたら解決できるかも!」
「...本当に?」
美希が今にも泣きそう...泣きながら尋ねた。
「うん、可能性あるかも!一条めちゃくちゃ性格よさそうだしそれに委員長の手を借りれば!!」
「委員長の手?」
「うん、初日から下の名前で呼びあってたしもしかしたら取り持ってくれるかも!」
「真希、お願い...私と一緒にお願いしに来て...」
「当たり前だよ!私たち親友でしょ!」
そう言って、真希は泣いている美希の涙をハンカチで拭って上げて一緒に委員長こと伊織に話をしに行くのだった。
だが、ここで美希が
「真希、私みんなに謝る。みんな話したいはずだったのに私のせいで早退させてしまった...こんなチャンス滅多にないのに...」
「あ〜、謝ることはした方がいいね。今回の件、ものすごく不満溜まってるっぽいし...」
「だよね...私が悪いんだから自分で解決しないと...」
そう言いながら、美希は教卓の前に行き、みんなに謝罪を始めた。
「みんな、ごめんなさい!私が一条くんに言いすぎたせいで早退させてしまったの...こんなチャンスそうそうないのに...本当にごめんなさい!」
「「「「「「「...」」」」」」」
まわりはシーンとする。それもそうだろう。男性がクラスメイトになる確率なんて滅多にない。それなのに編入初日に早退させるなんて許されざる行為だ。無視されるのは最早言うまでもない。
「本当に...ごめんなさい...」
「美希...」
真希が心配そうな顔で美希を見る。
しかし手助けすることはしない。美希は自分で解決すると言ったのだ。私が出たら意味が無い。すると
「私は許しますよ。一条君は月曜日来ると言ったのです。あの方なら絶対に来ると信じれますので。それとは別にあなたは必ず一条君に謝罪はしてくださいね。本当にありえないことをしているのだから」
そういったのは委員長だった。本当に助けられる一言を言ってくれた...と真希は感謝する
「委員長...」
「一条君のことは月曜日、もし来なかった時考えましょう。みんなも男性が来て浮ついていたのです。これを反面教師にしてこれから男性との振る舞い方を学んでいきましょう?」
「「「「「「うん」」」」」」
みんなが委員長に続いて、うん、と首を縦に振ってくれた。嫌な雰囲気はまだ残っているが、先程までの重い雰囲気は多少軽くなっていた。
「委員長、もし月曜日一条くんが来たら、謝罪するために手を貸してくれないかな?」
「え?手を?」
「うん、名前呼びしてたし、一条君は委員長のこと信用しているみたいだから取り合ってくれると助かる...」
「真希さん...あなたは優しいのですね。分かりました。月曜日一条君が来たら一緒に謝りに行きましょ。ね、美希さん」
「委員長...真希...本当にありがどう.....」
「ほら泣かないの美希!授業始まるよ!」
「美希さん、このハンカチ使って涙拭きなさい。顔がぐしゃぐしゃよ」
春の編入で大きく歪みそうだったクラスの雰囲気が少し緩和されたのだった。
当の本人、春は寿司を食いながら母と姉にムニムニされているというのに...




