更衣室は何処へ
1時間目2時間目の授業が終わり、3時間目の体育が始まる前の準備時間もとい休憩タイムで、あることに気づいた。女子全員教室で着替え始めるではないか、さすがに春もどうしていいか分からずテンパってしまっている。
「みんな!!ちょっと着替えるのストップ!」
一人の少女が声を大にしてみんなに言う。
言われた周りの子達はなんで着替えていけないのか分からないと言った顔をしている。
「一条くんいるのに平然と着替えるのはどうかと思うわよ?着替えを見せられる一条くんの気持ち考えた?誰も一条君に男子更衣室案内しないからびっくりしちゃったわ。このチャンスを譲ってあげようとしたのにね。」
周りの子達はやってしまったという感じで「あぁ〜」と落胆している。
当の本人の春はただ何も考えずに外を見ていた。無心が1番であると。
「私が案内するから1度着替えるのはストップね」
「えぇー!私が案内するよ!!!委員長だけずるい!」
「皐月、自分の格好を見てから言いなさい。」
「あ!...すみません...。」
「まったくあなたは目先のことばかりで...」
委員長と呼ばれる女子が春の方に歩いていく
「一条くん、良かったら男子更衣室に案内しますか?」
「え、うん、ありがとう助かるよ。話は聞いていたんだけど実際に来ると分からなくて...聞こうとしたらみんな着替え始めて...」
「ごめんなさい、配慮が足りなかったわ、もっと早く声をかけるべきだったわね」
「ううん、大丈夫。案内してもらっていいかな」
と少し笑顔で答える。
「これは...危ないわ...危ないわね...」
「何が危ないの?」
「いいえ!何も危なくないわ!じゃあ案内するので着いてきてください!」
春が着替えを持ち、委員長と呼ばれる女の子の後ろをついて行く。歩くこと数分
「ここが男子更衣室よ、もちろん内側から鍵をかけれたりするから安全よ!盗撮対策もバッチリでその対応チームが定期的に調べているので」
「そうなんだ、ありがとう。ところ君は何の委員長なの?」
「え、あ、うん、ええとクラス委員のよ。」
「そうなんだ!じゃあ名前はなんて言うの?」
「高槻 伊織って言います。これからよろしくお願いしますね一条くん」
「伊織って名前なんだ!分かった!よろしくね伊織!」
「.........。」
「どうしたの伊織?」
「...はっ!いえ、なんでもありましぇん!!!...ありません!!」
噛んだ、盛大に噛んだ!
「じゃあ俺は着替えるからまた後でね!ありがとう伊織」
「...は、はい!また後ほど!!」
こうして伊織と別れた春は男子更衣室に入る。
中はめちゃくちゃ綺麗でシャワールームはもちろんスポドリからコーヒー、エナドリまで色々置いてある。なんなら食事できるペースまであってひとつの休憩所になっている。この対応も男女比が作っているのだろうと1人で納得する。ともあれ、シャワールームがあったりタオルが置いてあるのはめちゃくちゃデカい。
一人で楽しみながら着替えを始めた春であった。




