証拠集め。
あけましておめでとうございます。
去年は新しい職場やら資格勉強やら某魔女裁判やらで忙しくてほぼ全く更新出来てませんでした。
今年も資格取得のために勉強で時間食われるかもしれませんが、何とか更新できるよう頑張りますのでよろしくお願いします。
「んで、何を調べるんよ探偵サマ」
面倒くさそうな態度で口を尖らせて聞くリゼル。前回ラストに協力を断った彼が何故部屋を出ているのかと言うと、単純にそれでは話が進まないというのもあるし、レシアの方がやる気になってしまっていたためしょうがなく折れた形だ。つまり、いつも通りといういやつだ。
「まずは被害者とその関係者の元へ行って情報を集める。今のままでは情報が少ないんでしょ?」
「......捜査協力くらいはしてやるけど、推理とかは自分でやれよ」
「今まで自分でやってたから大丈夫だよ」
「じゃあ情報集めも自分でやれよ......」
肩を落としながら呆れ気味に言っていると、目的地である事件のあったホールに到着した。
「さっきは気づかなかったけど、ここ、最初の日に食事した所だったんだね......」
驚いたようにレシアが言うと、リゼルとリターは彼女の発言に驚いていた。まさか気づいていなかったのかと、言うような顔だ。だがそれに関しての追求はせず、リゼルが軽く咳払いをして彼らはホールの中に入っていく。
船員や関係者が掃けたのだろう。野次馬の数はかなり減っており、ホール内部にもスムーズに入ることが出来た。そしてリゼル達を待っていたかのように、何人かの男女が布の掛けられたそれの前に集まっている。
「探偵様、お待ちしておりました」
「遅れてごめんなさい。助手の説得に手間取って」
「助手がいたのか、じゃあ俺達は要らないな」
「君達の事だよ」
脇腹をつつきながら口裏を合わせろと言わんばかりに睨みつけるリター。幸いにも目の前の彼らにはギャグか何かだと捉えられたらしく、軽く笑われて流された。この場でギャグを放つ探偵とその助手もなかなか不謹慎ではあるが。
「まずは事情聴取の前に、事件の概要と、私が簡単に鑑識した結果をまとめるね」
被害者は、とある大企業の本部長。40手前男性で、人柄も良く、次期社長と言われるほど社内でもかなり評価の高い。曰く、新入社員への研修会などを自ら開いて行ったり、部下のミスのフォローはもちろんだが、それも彼の部下で定時に帰れなかった者は居ないとまで言われている。
「良い人そうだね」
「どうかな。良い人売りをして評価を稼いでるだけかもしれないよ? まあ、もう死んじゃったから知らないけど、良い人売りなら逆恨みの可能性もあるしな」
「それは微妙かも......」
リゼルの言葉に探偵が言葉通り微妙そうな顔をして答える。というのも、この本部長が今回テリープシップを利用した理由は、具体的には聞いてないが、なんらかの案件が成功したその打ち上げの下見らしい。贅沢なものだ。いや、贅沢すぎるものだ。
「打ち上げの下見でこの船に乗りました。で、護衛に冒険者も雇って逆恨み。は確かに微妙だな」
「うん。無いって断言は出来ないけど、社員の連れも居ない下見の段階で誰かが逆恨みってのは難しいだろうね。ましてや船が船だし」
顔を顰めながらお互いの考えを一致させる2人。人間関係という複雑な部分はいくらでも可能性が出てくる。ましてや、自分達の関わりがない赤の他人らの関係など尚更だ。悩み出したらキリがない。ただ鑑識の結果はこれだけではないので、と軽く咳払いをして探偵は話を続ける。
次に死亡推定時刻。これはAM4:00〜AM5:00の1時間以内でほぼ確定だとリターは言った。どうやら鑑識にはそれなりに自信があるらしい。探偵の経験的なものだろうか。だが、死亡推定時刻が判明することで、もう1つ別の問題が出てくる。それは......。
「昨晩のバイキングは深夜24時で終了しておりまして、深夜1時の締め作業時点で、既に乗船中のお客様全員が退室しているのは、私を始めとする数名のスタッフが確認しております。締め作業自体は2時前には終了しておりました。その後、私が今朝の6時にホールの確認にした際、既にお客様は.....」
「本部長も、23時にはこのホールから退室しており、我々一同も、同じタイミングで退席しています。その後、まだ飲み足りたいと朝までやっているBARで1時間程飲み続けた後、自室へ戻り就寝しています」
「就寝は大体1時前だったと思います。隣の部屋と本部長の部屋の前に護衛の冒険者を配置していただけで、室内は本部長以外居ませんでした。我々も隣の部屋で就寝を。窓の方に護衛は配置してなかったので、そこから侵入した可能性はあります」
「ホールへの船長室にある鍵が必要です。ですが、私が2時過ぎにホールを閉め、鍵を返却してから私が5時に借り来るまで、鍵を取りに来た者はいないと、船長から聞いております。一応船長室内の監視カメラも確認しましたが、使用された痕跡はありませんでした。鍵穴の方は分かりませんが......」
スタッフリーダーと本部長の側近2人から、死亡推定時刻時の本部長の動きやホール利用時間。そして、ホールの侵入に必要な鍵についてが語られる。最後の監視カメラに関しても、リターが一緒に確認しているので間違いないとの事。
これらの情報を擦り合わせると、遺体発見までの時系列はこうなる。
昨晩23時に本部長がホールを退室。
↓
その後1時間BARで飲みを続け、深夜1時に就寝。ホールでは既に締め作業開始。
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2時前に締め作業が終了し、スタッフリーダーがホールの鍵を返却(5時まで鍵の使用痕跡はなし)
↓
そして2時~3時の間に本部長殺害
↓
6時にスタッフリーダーがホールに入り、本部長の死体を発見。
リターの死亡推定時刻の証言も含めて、嘘をついてる者がいなければ、これが事件の時系列となる。
(まあ、他はともかく、このエセ探偵は俺らと敵対する目的がない限りこの手の嘘はないだろう......)
最後に殺害方法。これに関して、リターは分からないと首を振った。というのも、死体には外傷がない。水死や溺死などの殺害方法も考えられるが、残念ながら死体はどこも濡れていない。魔法で乾かした可能性もあるが、それこそ考え出したらキリのない可能性の1つだ。
彼女が事前に調べたのはここまで。この情報だけで犯人を導くのは不可能に等しいだろう。故に、これから被害者と関係のあった者達への事情聴取を行う。
とりあえず、ここまで。
証拠集めの段階でまだまだ話はあるんですが、今まで3000文字前後でやってたのにいきなり文字数増やしても良くないと思うので一旦区切ります。




