船内探索。
簡単に荷物の整理を終えたリゼルとレシアは、約2時間豪華客船の船内探索を行った。世界最大の豪華客船と言うだけあって船内の施設も当然多く、彼ら、特にリゼルは目を光らせて興奮気味に船内探索を楽しんでいた。
彼らの探索の面白ポイントを簡単に話していこう。
まずレシアだ。彼女は食い意地というか食欲が凄い。この船は豪華客船と言うだけあってレストランやビュッフェ等の飲食店は片手の指以上もあったが、レシアはそれを見つける度に美味しそうと店内に吸い込まれそうになっていた。朝食を取ってなかったこともあり、彼らは探索開始して早々に一食取った。問題はその一時間後には2軒目に入っていた事だ。リゼルは流石に遠慮したが、レシアは当然のように一食分をまるっと食べていたのだ。しかもこの後の昼食も普通に取る気でいるらしい。あの小さい体のどこに収納出来る場所があるんだか......飲食店以外にも興味はあるらしく、目を惹く店があればリゼルに聞いていたのは素直で可愛いところと言えるだろう。
リゼルの面白ポイントも話しておこう。この船には豪華客船らしくカジノ店がある。それを見つけたリゼルは「国王から貰った金、倍にするか」などの戯言をほざいていたのだ。レシアが止めなかったことで理性にブレーキがかかったのが幸いか。リゼルの名誉のために言っておくが、この世界では冒険者免許があればカジノ店には入店可能で、彼はギャンブル依存症とかではない。彼に治癒魔法を教えた師匠はギャンブル依存症だが。ビリヤードやダーツ、或いは簡易的なスポーツエリアなどギャンブルとは関係ない遊戯場もあったがここに関しては夜に来るか互いに興味が無いかで反応は薄かった。
ある程度見回ったところで、レシアが上に行きたいと提案する。パンフレットを確認しながら彼女の後をついて行くリゼル。2人が辿り着いたのは屋上のプールデッキだった。
「ここで遊びたい」
嬉々と目を光らせて言うレシア。リゼルの船内探索に乗ったのも最初からここが目的だったのだろう。服の下には既に水着を着て準備万端である。対するリゼルは少し悩んだ。彼には水着がない。一応貸出もあるようだが、そこまでするほどプールで遊びたいかと言われれば首を傾げるくらいには興味が薄い。レシアとのプールという魅力でやや傾くくらいだ。レシアとしてもリゼルと遊ぶと言うよりは自分が遊びたいという気持ちが強いのだろう。不安が残りリゼルは結論に悩んだ。
(そういえば......)
どうしようかと考えていると、船内にある場所があったのを思い出しパンフレットを開く。探していた施設はすぐに見つかりリゼルは「よし!」と頷いた。
「じゃあ俺は図書室から本持ってきて、そこの日陰で読んでるよ」
「......わかった」
少し間のある返事。違和感は感じつつもリゼルは気にせず、本を取りに行くためレシアとは一旦解散した。




