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別れ方。

レシア視点のお話。

 リゼルと決別し、ギルドへ戻ってきたレシア。ギルド内では既に魔神の城突入の準備が始まっていた。配置の確認や突入メンバーの選出、装備の確認など慌ただしそうに準備をしている。


(リゼルに、悪い事、言ったかな......)


 レシアも他の冒険者に混ざって準備をしているが、その心は上の空。それもそう、彼女には最期に見たリゼルの悲しそうな、なんとも言えない悔しさを噛み締めたような表情が脳裏に焼き付いていたのだ。

 リゼルと別れる時、態度や別れ方をもう少し良く出来なかったのか、彼の表情がチラつく度にレシアは少し後悔する。


(でも、いつまでも私の旅に着いてくる訳には行かないし......)


 元から別れる予定はあった。というのも、レシアの旅路は彼女自身が終わると思っていない。彼女がずっと旅を続けたいと思っているだけでなく、旅の目的地が彼女にそう覚悟させているからだ。


(そもそも初めて、じゃないし......わかってた事だから......)


 彼女が旅をする中で、リゼルのような相手と出会ったことは初めてではない。冒険者でパーティーを組んだ方が効率がいいからと一緒に行動した事もあるし、それこそ、彼のように彼女の美貌に惚れて同行を願い出た者もいる。流石にリゼル程ストレートな告白はなかったが、初めてではなかった。自分と一緒に旅する物好きは。

 けれど彼女の旅路がいつ終わるか、保証は無い。リゼルのようにノリや勢いで着いてきた相手や目的を持って冒険者になった相手を、自分の旅に一生同行させるのは彼女とで気が引ける。彼らには彼らの人生がある、それを自分の旅路で無駄にして欲しくない。それが彼女の思いだった。だから何日か、何週間か、何ヶ月か、一緒に旅をしたらどこかの機会で一度別れると、レシアは決めていた。それでも着いてくるなら、それで後悔をしないのなら、レシアも折れて同行を許可するつもりだった。

 今までそんなに相手は現れなかったが。

 だから1人に戻ることは慣れている。けど、それはそれとして、リゼルとの別れ方は過去のシチュエーションと比べても最悪に近い。

 今までは目的地を伝えて相手に諦めさせたり、相手にどうするか選ばせる別れ方をしてきた。死別も何度あったがあれはしょうがないと割り切っている。だが、今回は完全にレシアから突き放した形だ。合理的な彼の考えを、自身の感情的な判断で否定し、彼を置いていった。もう少し時間があれば、今まで通りの別れ方が出来たかもしれない。と、レシアはリゼルに対して悪い事をしたと悔いていた。

 もう一度会ったら、別れた意味がないかもしれない。けれど......。


(機会があるならもう一度リゼルに会って、ちゃんと言いたい)


 そう願いながらレシアは出発の合図を聞き、冒険者達と共に魔神の城へ向かった。

レシア側の話はちょくちょく書いていきたい。

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