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旅する彼女に一目惚れしたので俺も一緒に旅します。  作者: 論です
冒険者パーティーを組もう!
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ごベン、なさイ。

 リゼルの強烈な攻撃を喰らい、青アザが出来るほど顔を腫らしたゴブリンキングの巨体は仰向けに倒れ込んだ。意識が残っているのは流石なのか、リゼルの手加減なのかは分からないが、青年が一瞬にしてゴブリンキングを倒したその事実はその場にいた全員がすぐに理解した。

 戦っていたヒイロ達はリゼルのあまりの強さに唖然と立ち尽くし、シスターは治療の手が止まり、レシアですら「凄いね......」と驚いたように声を漏らしている。ゴブリン達は自分達の長がやられた事に声すらあげられず困惑していた。


「はい、おつかれおつかれ」


 ひと仕事終えたかのように両手をはたいて言う。全員の視線が自分に向いていることに気づいたリゼルは同じように視線を返した。何この空気。

 とりあえず残ったゴブリンの武器だけ破壊しようかと指を振ろうとした時、倒れていたはずのゴブリンキングが立ち上がった。だが、その行動は反撃のためのものではなかった。


「ごベン、なさイ。ごベン、なさイ」


 ゴブリンキングは額を地面に擦り付け、砕かれた棍棒の先端に自身が長の象徴として付けていたバンダナを結び弱々しく振っていた。その姿はまるで、敗北を認め、降伏勧告をしているかのようだった。


「ごベン、なさイ。許しテ、下さイ」

「ごベン、なさイ。ごベン、なさイ」

「ごベン、なさイ。ごベン、なさイ」


 拙いながらも謝罪の言葉も述べている。長の動きに同調するうに他のゴブリン達も武器を捨て、地面に平伏しながら言葉を繰り返した。

 魔物のゴブリン達がその行動を取っているのも訳が分からないが、リゼルがそれ以上に驚いていたのは、その言動が人に通じるものだと理解していて行っていた事だ。


(言動といい銃をといい、このゴブリン達は何かがおかしい。多分というか間違いなく......)


 リゼルが手に顎を置き、ゴブリン達の言動について考える。視線を落とし、ゴブリンキングに背を向け、その場で足を止め考え込んだ。それを油断と捉えたのか、ゴブリンキングは降伏を示すように振るっていた棍棒を両腕で握り、振りかざした。


「リゼル!」


 気づいたレシアが咄嗟に声をかけるが、本人も間に合わないと察した。同時に、リゼルの口元が「大丈夫」と小さく動いていたことも。

 棍棒が当たる直前、リゼルは振り返り呟いた。


「所詮は魔物か」


 瞬間、ゴブリンキングを覆うように多方面からいくつもの魔法が展開され、そこから放たれる氷の刃によってゴブリンキングは串刺しにされた。続けて指を振い、周りにいたゴブリン達の周囲にも同じように氷の魔法が展開し、刺し殺した。


「おつかれおつかれ」


 声を上げる間もなく絶命したゴブリン達を呆れたように見つめながらリゼルは溜め息を吐いた。

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