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旅する彼女に一目惚れしたので俺も一緒に旅します。  作者: 論です
冒険者パーティーを組もう!
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へっぽこ勇者。

 約束の日当日。リゼルとレシアがギルドに向かっていると、4人組の冒険者パーティーと出会った。ギルドで出会ったベテラン冒険者達ではなく、どこにでも居そうな普通な感じの冒険者パーティー。


「こんにちは、僕の名前はヒイロ。君達、今からギルドに行ってゴブリン退治の依頼(クエスト)を受けるんだろう? 悪いことは言わない。やめた方がいい」


 ヒイロと名乗るリーダーらしき青年が前に出て言う。マントをなびかせ、腰に剣を携えたThe勇者な雰囲気の青年だ。後ろの仲間達も茶色の鎧を纏った斧使い男や、とんがり帽子と身長以上の杖を持つ女魔法使いと小柄で白い装飾を纏ったシスター。まさにテンプレ通りの勇者パーティーのようだった。やはりいつの時代でも勇者は憧れるのだろう。存在の必要はないが。


「なんでやめた方がいいんだ? こちとら金欠で少しでも金が欲しいからオススメされた依頼を受けようとしてるだけなんだが」

「彼らの事を知らないなら尚更だ。理由を言っても信じないかもしれないから、知らない内にこの国を出た方がいい」

「いや、だから理由を言えよ」


 問い詰めるリゼルに、ヒイロは後ろの仲間達と小声で相談する。


(そういう相談は事前にするか口元隠せよ。読まれるぞ)


 そう思うリゼルを他所に、話が纏まったのかヒイロは再び一歩前で出た。渋りながらもどこか覚悟を決めたかの表情で口を開いた。


「実は彼らは、初心者が」

「よう、ヒイロ。こんな所でどうしたんだ?」


 ヒイロの言葉がより低い声に遮られた。振り向くとそこには、例のベテラン冒険者の髭男がいた。髭男がヒイロと肩を組みながらなんの話しをしていたのかと、問う。ヒイロの方はどこか脅えたように視線を逸らしながら答えた。


「ギルドの前で初心者相手に何してたんだ?」

「えっと、その......」

「ん? 何か言えないことでもあんのか? それとも言えないことを言おうとしてたのか?」


 さっきの勇気はどこへ行ったのか、へっぽこ勇者ヒイロは見てわかるほど脅えていた。仲間の冒険者も何か言いたそうにはしているが、髭の男の仲間の鋭い視線に黙らされている。その光景にリゼルはやれやれと口を挟んだ。


「そいつら、俺らがゴブリン退治の依頼を受ける初心者だと知って不安だから一緒に行くって提案してきたんだよ。アンタらと同じだ」

「ほう? そうだったのか、だが残念だなこの初心者達と一緒に行くのは」

「ベテランの冒険者が2パーティーも着いてきてくれるのなら心強いな。俺ら2人しか居ないし助かるよ」


 言い切られる前に、リゼルはこれから行くゴブリン退治の依頼にヒイロ達を巻き込むように言った。リゼルの言葉を聞いてベテラン冒険者は不満そうな顔をしたり、横目でヒイロを睨んだりしたが、最終的には「そうだな。冒険ってのは何が起こるかわからないからな!」と受け入れた。

 ギルドに入り掲示板に見ると、そこには例のゴブリン退治の依頼が残っていた。ヒイロや髭男の言い草から残っていることは予想していたが、これで逃げようがなくなったことにリゼルは小さく溜息を着く。


(多分、意図的に残されてたんだろうな......まあいいけど)


 彼らに見守られながら、レシアが受付にて依頼を受諾する。終始なにか言いたそうにヒイロ達がこちらを見つめては金魚みたいに口を開閉させていたが、一切無視して目的地へ向かった。

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