第3話 まさかの次回もあるのです。
まさかの第3話です。書いている私もビックリです。まさかまさかの6000文字を費やして本殿到着ですよ。知ってます? 伏見稲荷大社は本殿を抜けてお山に向かって進むのですよ。
そして、奥宮を抜けテレビなどで有名な千本鳥居をくぐり、奥社奉拝所を通って有名じゃない千本鳥居を見ながら熊鷹社から三つ辻を左に曲がり、疲労困憊な状態で四つ辻へ一ノ峰にある上社神蹟まで行くのです。
まあ、私達は加齢による疲労困憊で四つ辻で華麗に撤退したのですが! (加齢と華麗を上手く掛けたつもり)……。(受けてない事に動揺しながら)い、いや。違うのですよ。いくら私が晴れ男だと言っても限界があるんですよ!
まあ、そんなわけで四つ辻まで行った話になるのですが、「まずは千本鳥居に行くのです」と見せかけて、その前に気になる者があるのですよ。え? 「物の間違いじゃないか?」いえいえ。者で合っているのですよ。人相占いの方がいたのです! それはもう完璧なほど怪しい人相占いのです! 長髭を生やして半眼で微動だにしないのですよ。
これがなろう作家のオフ会なら間違いなく誰かが占っています。個人的にはしろいるか先生を希望。
ですが、ここは奥さんとのデート(取材)の最中です。ひゃはーとばかりに食いついたら「なにこの人? こんな人とは思わなかった」と思われるかもしれません。大ピンチです。奥さんが実家に帰る危機です。
そもそも、それほど時間に余裕があるわけでもなく、軽い感じで奥さんに確認しましたが「いや、別に」と女優のようにスルーされました。
泣く泣く進んでいく私達の目に不思議な物があります。馬のリアル人形が安置されているのです。そして、説明は全くなし。周りに人もおらず、この御方が何者かもさっぱり分かりません。結局、ネットで調べても馬神様くらいの情報しか得られず……。
本当に神馬舎とは何者なのでしょうか? 謎は謎のまま進んでいく私達。
そして、やって来た千本鳥居です! 最初は大きな鳥居が連なって迎え入れてくれました。さすがに写真撮影をしている人も多く、少し渋滞気味です。ですが、私達の目的は妖狐ちゃんの住処をどこにするかを決めないとダメなのです。
注)次回の作品では妖狐が出てくるので住処を説明する描写を書こうと思っている
こんなところで時間を過ごす訳にはいきません。人の波をかき分けて進んでいくと登場です! テレビやネットでも有名な千本鳥居です! 少し小さめの鳥居が二股に分かれてトンネルのように続いています。そして二股の千本鳥居の上にはノボリがあります。
「千本鳥居は右側通行です」
……。交通渋滞を避けるために一方通行になっています。風情もなにもあったもんじゃない。しかし、その選択は正解だと思わざるを得ません。綺麗に流れています。写真を撮っている人は別ですが。
外国人の方がタブレットを構えて写真を撮ろうとしています。そして、それを微妙に避けようとしている日本人。大渋滞です。普段なら美しい光景なのでしょうが、歩き疲れている私には「邪魔しないで!」と叫びたい案件です。
その撮影している前を横切っていくおっちゃん(私じゃないよ?)。写真自体は撮れたみたいですが、苦笑をしている外国人。だが、おっちゃん! 俺は貴方を称えます。
途中で戻ったりしながら写真撮影をしようとする外国人に辟易しながら、なんとか奥社奉拝所に到着です。千本鳥居をくぐってすぐに、お守りやジュースなどが販売されています。やるな、商売上手。と思いながら購入せずにスルーすると、脇目も振らずに「おもかる石」に向かいます。
皆さんは「おもかる石」をご存じですか? 願を掛けて石灯籠の宝珠を持ち上げ、自分の予想よりも軽ければ願いが叶い、重かったら願いは叶い難いと言われています。
以前に、おもかる石を持ち上げた私は「続刊が出ますように!」と願を掛けて持ち上げ軽くて喜んでいたら、本当に「異世界は幸せ(テンプレ)に満ち溢れている」の4巻が発売されました。(前話に続き、個人的な感想です)
再びです! 前でテンション高くラノベが好きそうな高校生達(思い込みです)が「おもかる石」にチャレンジしています。「重いー」とか「早く持ち上げろよ!」など、楽しそうです。なに男子高生がイチャコラしてんだよ。もちだもちこ先生がやってくるだろ。
そして私達の番です。
「どうしよう。特に願い事がない」
な……んだ……と? 本当ですか、奥さん? え? 本当なの? なんて無垢な。願い事だらけの私が腹黒に見えるじゃないですか。やだー。そんな困り顔をしている奥さんも可愛いなと思いながら、私から提案をします。
「だったら、家族の健康を願ってみたら?」
「そうやね。それやったら願ってもええな」
天使か! なにこの天使な人は? あ、私の奥さんでした。「ふんす」と鼻息が聞こえそうなやる気を出している奥さんの横で「この作品が書籍化します。これからも作品が売れますように」な感じで、欲望願望ダダ漏れ状態で「おもかる石」の重さをイメージして持ち上げます。
あれ? 軽い!
やった! 完璧ではないか我が軍は! これからバンバンと書籍化していきますよ! 連絡を待ってますよ!(出版社の方向を向きながら心の中で叫ぶ)
ん? 奥さんが苦笑を浮かべている。どうしたの?
「……。めっちゃ重かった。ほんまに軽かったん? 重かったのに軽いって言ってるんちゃうの?」
失礼な! 軽かったよ! 物凄く軽いんだよ。書籍化が掛かった願掛けなんだよ! (結構必死)
いや、本当に軽かったのですよ。お。これって小説のネタとして書けるのでは?
「よーし。頑張って持つぞー! あれ? 物凄く重い! なんで――ちょっと! なんで、おもかる石の上に乗ってるのよー」
「当然じゃろう。なにを簡単に願望を叶えようとしておるのじゃ。苦難を超えてこそ達成感があるじゃろうが」
「うっ! 正論なのに腹立つのはなんでだろう」
こんな感じですかね?
うんうん。良い感じだ。と、自画自賛しながら紳士ノートに書き込んでおもかる石を後にすると、私達は三ツ辻に向かって歩きました。
(全然話しが進まない……)
なぜか進まないです……。