表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/60

第8章私はやはり彼は特別だと思う。

そして戦が始まった。

白起の秦軍には作戦などなかった。

ただ目の前に突撃し、殺戮の限りを尽くす。

それが彼らの唯一の戦法である。


そしてそれで彼らは勝利できてしまう。

それほど彼らの大将の姿は勇敢で神々しいのだ。


白起は弓を恐れず常に軍の先頭を進む。

その武勇はすさまじく周りの者は全て切り伏せられ気付いたら、敵陣の深くに入り込んでいる。

そしてそれに乗せられて秦軍全体も敵陣を深く切り裂くのである。


私は安全な丘の上でただ戦を眺めているだけだった。

周りの兵站担当の兵士達は白起の姿に大歓声を上げた。


でもどうしても私にはよぎってしまうのだ。

夜中に苦しむ白起の姿が。

彼は一体どれほどの犠牲の元に、これ程の力を振るっているのだろう。


私の目からは涙が流れた。

それを見た一人の兵士が「良かったですね」と声をかけてきた。

きっと彼らは私がうれし泣きをしたと思ったのだろう。


そして私は気付いた。

これが白起が抱えてきた孤独なのだろうと。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ