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第4章白起の感謝

白起は夜、明かりをつけて仕事をしていた。

そして仕事が終わると、大きく伸びをした。

「これで、今日の仕事は終わりだな」


白起はふと昔の事を思い出した。

恵子が仕事を手伝い始める前の事だ。

あの頃は、仕事が終わる事はなく、無限にある仕事を出来る限りこなしていくという感覚だった。


(それが今では夜まで働く事自体、久し振りだからな)

白起は恵子によって自分の生活が大きく変わったことを感じていた。


(俺は将軍になってから少し視野が狭くなっていたのかもしれないな)

白起は過去の自分を客観的に見てその様に思った。

あの当時は、自分が異人である事で、部下から舐められないようとにかく必死だった。

昼夜を問わず働き、自分で自分を追い詰めていた。


しかし、今は違う。

今の白起には余裕がある。

部下からは尊敬を受けていることを実感できているし、副将軍を始めとして、補佐官の助力の下、無理なく働く事が出来ている。

そしてそれは全部、趙で出会った恵子のお陰なのだろうと思っていた。


白起は寝台へ近づくと、ぐっすり眠っている恵子を見た。

彼女は、白起の仕事が終わるまで起きていると言っていたのだがどうやら疲れていたようで眠ってしまったらしい。

「全く。お前は頑張りすぎだ。お前のお陰でどれだけ救われているか」

白起は恵子に心から感謝した。

そして今の自分が彼女の努力に見合うものを与えられているか少しだけ不安になった。


すると恵子が言った。

「大丈夫ですよ。きっと何とかなります」


白起は驚いて言った。

「俺の話を聞いていたのか?」


しかし、恵子は返事をしなかった。

どうやらただの寝言のようだ。

白起は安心して改めて恵子の寝顔を見た。


そして言った。

「こう見ると、綺麗で大人しそうなんだがな。実は意外と気が短くて、物怖じしない性格なんだよな。それに意外と、おしゃべりで、大食いだ」


白起はなんだか恵子が愛おしくてたまらなくなった。

そして恵子の頭を撫でて言った。

「いつもありがとう」


恵子の幸せそうな寝顔を見ていると、白起はなぜか今は亡き母の事を思い出した。

そして思った。

(そうだ。今度、恵子と星を見に行こう)


白起はそんな事を思うようになった自分に驚き、改めて、恵子に感謝したのだった。



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