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第3章白起の戦

その後、魏冄はすぐに白起を呼び出すと言った。

「白起。韓・魏を討伐する様に、命令が下った。勝ったら俺は宰相、お前は将軍で、負けたら俺は追放、お前は処刑だろう。」


それを聞いて白起は笑みを浮かべた。

「余計な心配をするな。お前らしくないぞ」


魏冄は白起の堂々とした態度に思わず問いかけた。

「勝算があるのか?」


白起は言った。

「当然だろ。韓・魏連合軍の一番の欠点はどちらが主なのかがはっきりしない事だ。結果、互いに相手が何とかしてくれると思って、主体性が無い。少し劣勢になればたちまち、崩壊するだろう」


魏冄は理論家である。

敵の戦力、戦術、武将、兵糧、そういった全ての要素を徹底的に分析して戦を行なう。

そのため、白起の様な抽象的な精神論の様な分析は、あまら納得がいかなかった。


しかし、魏冄は言った。

「そうか。それなら安心だな」


嘘をついたのではない。

魏冄には白起が指摘した欠点よりも白起の言葉のほうが重要だった。

白起が勝てると言ったのだ。

魏冄は負ける気がしなかった。


そして戦が始まった。

結果は白起の完全勝利であった。

秦軍は白起が指揮を執り始めたとたん異常な強さを発揮し、正面突破で韓・魏連合軍を撃破した。

さらに白起は軍を進め、魏の城も大方落としてしまった。


戦が決着すると魏冄は白起を呼び寄せ抱きしめた。

「よくやってくれた。」


白起は言った。

「だから勝つといっただろ」


魏冄はさらに続けて言った。

「これからはお前にとってもっと過ごしやすい世界を作ってやるからな」


白起は笑って言った。

「余計なお世話だ」


そして、約束どおり、魏冄は宰相、白起は将軍となったのだった。



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