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第2章出会い

白起は戦を終えて勝利にわく、他の者達を尻目に一人距離を取って、休んでいた。

(今回も生き残ったか。いや。生き残ってしまったという方が正確かもしれないな)

するとそこに魏冄がやって来た。


「やあ。始めまして。俺は魏冄。名前は聞いたことあるよね。それにしてもさっきは凄い活躍だったね」


魏冄を見ると白起は鋭い目でにらみつけた。


「なんの用だ?」


魏冄は白起の様子を見ると笑って言った。

「鋭い目つきだな。まるで見たもの全てを斬りつけるようなそういう目だ」


白起は魏冄の様子を不愉快に感じ、立ち上がると魏冄に詰め寄った。

「用件を言え」


魏冄は白起の態度にも一切動じずに言った。

「君は一体、何のために戦っている?」


白起はその言葉を聞くと、嫌がらせでない事が分かったので警戒を解き、再び席に座っていった。

「分からない。昔は戦う理由があった。大切なものを守ることだ。だが今は分からない。もしかしたら死に場所を求めているのかもしれないな」


魏冄は呟く様に言った。

「それじゃまるで戦う道具だね」


白起はその言葉を聞くと、その言葉が気に入ったのか繰り返した。

「戦う道具か。たしかにそうだ。俺は戦う道具だ。」


それを聞くと魏冄は言った。

「君が道具である事は分かった。なら俺に使われてみる気はないか?」


白起は驚いた様子で言った。

「お前正気か。俺は異人だぞ」


魏冄は冷たい目を浮かべて言った。

「俺は異人だろうがなんだろうが。使える物はなんだって利用するさ。だって良い道具は見栄えの良い道具じゃなくて便利な道具だろ」


白起は笑みを浮かべて言った。

「成る程な。お前は貴族らしくない様に見えて、凄く貴族らしい性格をしているんだな。自分以外が全て下賤な者に見えているからこそ、他者を区別しないのか」


魏冄は言った。

「そんな話はどうだって良いさ。それより返事は?」


白起は言った。

「良いだろう。俺を好きに使うと良い。だが気をつけろよ。油断してると、お前を殺すぞ」


魏冄は白起の話を聞くとにやけた。

そして言った。

「そうかな。俺はお前は結構主人に従順だと思うけどな。他人に心を開かないけど、開いたらとことん信用する感じというか」


白起は立ち上がると魏冄に背を向けて歩き出し言った。

「うるさい。好きに言ってろ」


魏冄は白起のそのような様子を微笑ましげに見守っていたのだった。


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