第一話 「だがことわる!!!」
「ああ、よかった!成功しました!」
その声とともに俺の周りの地面に描いていた模様から
立ち上るように出ていた青白い光が消える
目の前には薄暗い部屋の中で膝立ちになり手をまるで神に祈るように
純白のドレスに包まれた豊満な胸の前で組み、こちらを潤んだ瞳で見上げていた
その瞳はまるで海のように深いブルー
見つめていると思わず吸い込まれそうなほど綺麗な瞳だった
そして一際目立つのは純白のドレスに負けないほどの綺麗な白い髪だった
薄暗い部屋の中に居るのに、僅かな光を反射してにきらきらと輝いているようであった
「勇者様!どうか!どうかこの国をお救いください!」
うれしそうな顔から一転
悲痛な表情での懇願
絶世の美女にこんな表情をされてしまえば普通は二つ返事で「はい!よろこんで!」
と即答してしまうだろう。まぁ状況は普通じゃないが
「だがことわる!!!」
「ええええええ!!!」
俺はノーと言える日本人なのだ
まぁここまでの状況だけ見ればひどい奴みたいに思うだろうが
きちんと理由はある
目の前の姫っぽい人は驚きのあまり固まってしまっているが少し回想してみようか
時を遡る事半年前・・・
まだ俺が“勇者”とも“魔王”呼ばれる前・・
普通?の学生だった頃まで遡る・・