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あ、くまだ  作者: ペンネグラタン
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 私は昇降口に貼り出された白い紙に活字がつらつらと並んでいるものを見上げていました。正直、真ん中の扉の開閉に邪魔だとしか思えない位置に貼られた紙は、様々な名前をクラスごとに分けた表です。まあ、簡単に言うと、クラス分け名簿ですね。

 私は無事、高校二年生になりました。

 私の名前のいくらか上に、見覚えのある名前があります。

 その名前の人は、その豊満な体を惜しげもなく、私に押しつけてきました。

「くまちゃん、クラス一緒だね!」

「……眞子さん、当たってます」

 「何が?」と首を傾げるこの人をぶん殴ってもいいでしょうか? 世の中の女性代理で。

 と、まあ、冴木眞子さんとはクラスが一緒になりました。同じ文系選択でしたから、もしかしたらとは思いましたが、まさか本当に同じクラスになるとは。

「ただ、美嘉は違うクラスだねー。三人一緒ならよかったのに」

「無理でしょう。美嘉さん、理系選択なんですから」

 もう一人の私の友達、貴船美嘉さんの名前は私たちと違うクラスにありました。結構教室が遠いです。

「美嘉が看護師になりたいだなんてねぇ」

 進級時に文理選択の訳を聞いたのですが、美嘉さんが看護師になりたいと言ったのは私の中でも意外でした。

「ナース服だと気にならないからかな?」

「何がとは言っていませんが美嘉さんの代理で一発殴ってもいいですか?」

「いや、美嘉が言ってたんだからね!?」

「問答無用!」

「ぐふっ、痛い、痛い! 新年早々腹パンはないと思うよ、腹パンは」

「新年ではなく進級です。おめでとう!」

「くまちゃんが何言いたいのか本格的にわからなくなってきた……」

 いや、よく進級できましたね眞子さんって意味ですよ。

「あ、あはは……」

「あの勉強会を忘れたとは言わせません」

「今年もよろしく」

「何新年の挨拶みたいになってるんですか。まさか今年も勉強会開かせる気じゃないでしょうね?」

「あ、あはははは……」

 この人、本当に大丈夫でしょうか。

「や、眞子にくまちゃん」

「美嘉さん」

「美嘉ー、クラスばらばらー」

「文理選択が違うんだから、当たり前でしょう」

「くまちゃんと同じこと言う」

「いや、事実だから」

「残酷」

「運命とは時に残酷なもの。その残酷さを乗り越えてこそ、真の勇者となれる」

「突然に中二病出さないで!?」

 うーん、今年も二人は阿吽の呼吸ですね。

「阿吽の呼吸って何?」

「馬鹿は死んでも治らないっていうけど、本当っぽいね」

「あたしまだ死んでないからね?」

「そういう意味じゃない」

 とりあえず、阿吽の意味くらいは修学旅行のときにでもわかるんじゃないでしょうか。あ、普通の神社とかでもわかりますかね。

「まあ、とりあえず、クラスはばらばらでも、変わらず部活は一緒ですから、部活で会えますよ」

「くまちゃんがあたしに優しいことを言った」

「いつ私が優しくなくなりました?」

「くまちゃん、目が笑ってないよ、ホラーだよ」

 人を捕まえてホラーとは失礼な。

「あ、そろそろ行かないとね」

 私たちはそれぞれの教室に向かいました。


 始業式が終わり、ホームルームも終わり、部室に集まる私たち。

「なんで放課後だけじゃなく、朝夕と変態に会わなきゃならないんですか」

「ちょっとくまちゃん、言い方があんまりだよ」

 なんと、私と眞子さんのクラスの担任は名切勇変態でした。

「日隈さん、顧問の先生をナチュラルに変態呼ばわりはひどいですよ」

 真面目な呉服先輩は、三年生になり、副部長から部長へと昇格を遂げました。

 そんな呉服部長に私は訴えます。

「生徒が見えるところで堂々と十八禁を読んでいる教師を変態と言わずに何というんですか?」

「なるほど、それなら仕方ありません」

「味方がいない!」

 こんな感じで、部活も平常運転。私のJKライフは回っていきます。



時の流れは早い。

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