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あ、くまだ  作者: ペンネグラタン
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 くっそ消えやがれエアー友達もといくまくんや!

 ……と思ったのですが、くまくんは消えられないらしいです。

「霊力がある限り顕現していられる。それに今のところ、人畜無害に黙っているだけで、何もやることがない」

「異議あり。滅茶苦茶喋ってます」

「喋ることは霊力の消費にならない。そして霊力がなくならないと、俺は消えられない」

 なんてこったパンナコッタ。

「しかも、お前の霊力は膨大だ」

 オーマイガッ!

 つまりこの追加飛行武装みたいなくまくんがいつまでもどこまでもついてくるってことですね。嬉しくない。

 人がいないときなら話し相手になってくれてもいいけれど、何にしたってエアー友達じゃないですか。

 まあ、悪魔的なことをしてこないだけいいかもしれませんが。

「そういえば、くまくんは悪魔的な能力は使えないって言ってましたよね? 悪魔的な能力が使えない悪魔って悪魔なんですか?」

「変なこと聞くな。お前らがそう呼ぶから悪魔なんだろ」

 くまくん曰く、"あくまのぬいぐるみ"の怪奇譚に出てくる"悪魔"と呼ばれる生き物だから、"悪魔"なのだそうです。

「というか、人間って面倒だな。何にでも名前をつけたがる」

「そうですかね?」

「神やら天使やらはその象徴だろうが。一人一人に名前ついてるんだぞ? 悪魔もだけど」

「神様は人じゃなくて柱です」

「いちいち細かいな。モテねぇぞ」

「彼氏はいりませんもん」

 彼氏云々の前にまず友達作らなきゃですもん!

 まあ、私には現在、冴木さんと貴船さんという友達が二人おりますが。

 あれですよ! 高校デビュー! JKの憧れです。

「高校デビューって高校入学の時点でなるものだろ」

「まだ入学して三ヶ月ですもん! ワンチャンあります」

「っていうかさ、俺お前の思考読み取れるんだから、いちいち口に出さなくてよくね?」

「…………」

 しまったなんて思ってませんよ? 霊感持って十五年は生きているんです。悪魔に屈してたまるものですか。

「いや、その思考も駄々漏れだからな?」

「口にしない会話は会話じゃありませんもん」

「すごい苦しい言い訳だな、オイ」

 そうです、言葉にしなくてもわかるなんてチートいりません。だって人間だもの。

「何突然相田みつをになってんだよ」

 くまくんのツッコミが日本人じみていてものすごく安心感があります。その調子で頼みますね。

「何をだよ? まさかのツッコミ放棄か? 何やってんだ主人公のくせに!!」

 メタいですよ。

 こほんこほん。

「くまちゃん、なんか独り言多いけど、大丈夫?」

「大丈夫ですよ、冴木さん。私変ですかね?」

「ん、大丈夫」

 冴木さんはいい人です。ボディラインも。

「百合か?」

「…………」

「へぶしっ」

 悪魔って触れるんですね。それとも私の霊力が成せる業でしょうか。わー、ワタシコワーイ。

 冴木さんのボディライン、特に女性的な部分が豊満なことになんて嫉妬してませんからね? 私は友達に嫉妬なんてしませんからね? 嫉妬は大罪ですもの。

「く、くまちゃん? 拳を掲げてどうしたの?」

「あ、いえ、なんだか蝿の飛ぶ気配がしたもので」

「気配!? くまちゃん忍者!?」

「蝿は暴食だろうが」

「なんでそうなるんですか」

 大罪で繋げたくまくんには一応見事と言っておきましょう。

「一応いらねぇ」

「じゃあ褒めるのやめますね」

「いや、そっちじゃねぇから!」



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