斬撃の大罪
境界線から近い町があった。もちろんその町には家があり、食べ物屋があり、教会もある。至って普通の町だ。しかし近辺の町からは嫌われている。それもそのはず。この町から少しでも向こうへ行けば境界線という名の魔境があるのだ。そんな町とはなるべく関わりたくないというのは至極当然の発想であった。境界線にいる魔物はそこらの魔物とは段違いなのだ。だから近づきたくは無かった。
だがこの町は今日まで続いている。境界線からはみ出してきた魔物がうろつく線を推し量り、その線より手前に町を作ったからだ。魔物達は境界線からはみ出すことはあってもそこから遠出はしない。
けれどもやはり周囲の町は快く思わない。それが国非公認の町なら尚更だ。
朝霧の濃いこの町に風が吹いた。枯れ木の葉が枝から千切れて地面に舞った。もう日が昇ろうかというのに町はまるで夜のように暗い。道の両脇に並んでいる街灯がぽつりぽつりと寂しげに淡い光を発している。道を歩く者はいない。まるで忘れてしまったように。黒い霧だけが街のあちらこちらを漂っていた。広い世界の中でこの町だけを切り取って異次元にでも放り込んだようであった。黒い霧は町全体を覆い、外界と隔離している。
どこからともなく足音が鳴った。町の入り口の方だ。湿った砂利を踏む音が一定間隔で鳴っている。
来訪者の腰には長く反り返った剣がぶら下がっている。全身を覆う服に頭のフードを深く被っており、その顔は見えない。
名はデュークと言った。
デュークは誰を連れるわけでも無くただ一人でゆっくりと街の道路を歩いている。その歩幅と速さはほとんど変わること無く一定だ。
その時、誰かがデュークの前に立ちはだかった。何てことは無い。普通の男だ。目は濁って口から涎を垂らして牙を見せていること以外は。
男が息を吐くと口から黒い瘴気が舞い上がった。涎が糸を引いて地面に落ちる。濁った目に赤色の瞳が力なくデュークの方を見ている。だがデュークは歩く速さを少しも変えることは無かった。まるで男を無視しているようだ。
対する男は両腕をだらしなく下に落として、じっとデュークの方を見ている。デュークはどんどん歩いてくる。あっという間に両者の距離は縮まり、すれ違い、デュークは男を後にした。
男の牙が街灯に照らされて光った。低いうなり声を出して先を進むデュークを睨む。その時、男が動いた!
迷うこと無くデュークの背中を目指して走り、その異様に長い爪を振りかざす。デュークの首めがけて爪を上から下へ振り下ろそうとした時、何か紫色の線が見えた。――と思えばデュークはすでに振り返っていた。
男は爪を上に振り上げたまま動きを停止した。力の無い目が虛空を見つめる。デュークは興味を無くしたように男に背を向けて歩き始めた。
風が吹いた。男の顔が上下に痙攣すると突然真ん中に赤い線が走って、顔の左右がずれる。そして体の右半分が前に、左半分が後ろに倒れた。脳漿と内蔵と血が地面にぶちまけられ、赤い水溜まりを作る。その血は地面の升目に沿って広がっていった。
デュークが少し街を歩くとどこからともなく妙な音が聞こえてきた。何か風鳴りのような音で、低くか細い音だ。ふと横を見ると家々の窓の向こうから赤い点が幾つも光って見えた。
赤く光る目、牙、欠落した知性。人々は彼らを吸血鬼と呼ぶ。それは血を主食とする闇の眷族。
吸血鬼に血を吸われた人間は同じく吸血鬼へと変貌する。そしてそれがまた他の人間の血を吸い、仲間を増やしてく。一人が二人に、二人が四人に、六十四人が百二十八人に。無力な人間はその数の力の前にひれ伏し、吸血鬼となる門をくぐることになるだろう。
今ではこの街全ての住人が吸血鬼になり、黒い瘴気を発してここを楽園へと変えた。だが今日、この楽園に新たな来訪者がやってきた。餌だ、久しぶりの餌だ。己の脳裏にこびり付いて離れない血の味が本能全てを支配する。
彼らが動いた。靴という物はとっくの前にぼろぼろになっているらしく、さして裸足と変わりない。その足が湿った土を踏んでいく。土と血でどす黒くなった何本もの足がゆっくりと確実にデュークの方へ進んでくる。
男と女、老人、子供。そこに年齢や人種は関係なく、ただ吸血鬼という平等の元で行動しているようだ。そもそも知性を失った彼らに“行動”という理知的な言葉は相応しくないだろうが。
ぼろぼろに朽ちたパン屋の看板が落ちてその中の一人に当たった。中々重そうな看板であったがその一人は全く気にすること無く、首を曲げたままデュークに向かって歩いている。看板は後続の吸血鬼に踏みつぶされて粉々になった。
吸血鬼の行進だ。デュークの目の前には道を埋め尽くすほどの吸血鬼が歩いている。常人であれば見た瞬間、腰を抜かして母の名を叫び、股間を濡らして両手を滅茶苦茶に振るような情景だが、デュークはただ普通に突っ立っているだけであった。
デュークが鞘に手を置いて腰を低くした。吸血鬼達はお構いなしに歩いてくる。
そしてデュークの姿が突然ぶれたかと思うと、剣を真横に振り抜いていた。
その時、街の空間が歪んだ。その歪みはデュークを中心に発せられ、波紋のように広がっていく。その波紋はあっという間に街の端まで広がって消えた。
辺りはしんと静まりかえった。吸血鬼達もピタリと動きを止め、街全体の時間が止まったように思えた。
次の瞬間、何もかもが一斉に弾けたような甲高い破裂音が鳴った。その時、デュークの両脇の建物が木っ端微塵に弾け飛び、その奥の建物が順番にもの凄い勢いで砕け散っていった。木、石、鉄の瓦礫が中を舞い上がり、遅れて落ちてくる。それが地面に落ちるたびに赤い水しぶきが派手に上がった。
デュークの目の前に赤い川が出来上がった。目の前で立っている吸血鬼は一人もいない。百か二百か、ともかく大量の吸血鬼達は砕け散った建物の瓦礫と同じようにその体をバラバラにしていた。
何かの弾みで転がってきた頭をデュークは踏みつぶした。
「ほお……。これほどの使い手とはな……」
デュークの背後で低い声が聞こえてきた。地の底を這うような声だ。デュークはゆっくりと振り返った。そこには四人の吸血鬼がいた。
デュークに声を掛けたのは黒いマントと甲冑に身を包んだ青白い男だ。
短く刈られた銀色の髪。左右対称で完全無比を誇るような顔。甲冑の上からでも充分に分かる程の分厚い胸板。しかしながら、それほどの筋肉でも全体像は不気味なほどに細く見える。それは体に一切の贅肉が無く、全てが強靱な筋肉で構成されているからだ。体の全ての筋肉がその役目を極限まで遂行できるように、小さい筋肉でさえ一般人のそれと比べれば遥かに大きく硬いだろう。
確かな意思を持った赤い瞳が真っ直ぐにデュークを貫いている。
今までの吸血鬼と比べて遥かに知性を感じさせるその佇まい。つまり強者だ。恐らくこの街の吸血鬼全てを統べる存在だろう。例え事情を知らぬ者でもそう確信せざるを得ないような圧力であった。
その隣に立っているのは大鎌を持った魔道士に見える、老人か骸骨のような吸血鬼だ。
それは今の男と比べて対照的であり、体中の肉が餓死寸前の人間のようにそぎ落とされ、もはや骸骨であった。黒い装束に身を包んでおり、何もしていなくとも黒い瘴気がその周りを漂っている。下半身の部分は骨がむき出しになっており、風化しているらしく、腰から下が無くなっている。しかし彼は地面より少し宙に浮いていた。だから何の問題も無いのだろう。その姿は死神と言っても過言では無い。魔道士は枯れ木のような手で自分の身長ほどある鎌を握っている。
もう一人は大男だ。甲冑の男が子供のように見えるほどの大きさだ。甲冑の男が体躯の割には小さく見えるのはこの男がいるせいだろう。全身の筋肉が山のように隆起しており、そこを走る血管が浮き出て脈動している。腕の太さは丸太のようで、みっちり鍛えた成人男性が丸ごと彼の腕になっているような物だ。林檎は勿論、岩石や鉄塊ですら一瞬で握りつぶしてしまうだろう。その足も同じように大きく、彼が歩いてきたであろう道は地面が陥没していた。
そして最後の一人はもはや人と呼んで良いか分からないような者であった。二足歩行の狼と言えば理解は早いだろう。それは恐らく童話などでよく聞く狼男というものだ。狼男は白いと息を吐き出して地響きのようなうなり声を上げてデュークを睨んでいる。街灯に照らされて、長く黄色く濁った爪が光った。その爪は所々どす黒い染みがあり、彼がどのような戦いを繰り広げていたのかは容易に想像出来る。そして下半身は発達しており、走ったり跳んだりすることにおいて極限までその性能を発揮するだろう。
「これほどの強者、私にとっては久しい。名前を聞こうか……」
甲冑の男が一歩前に出た。つま先が地面に当たってコツリと音が鳴る。その表情は自信に満ちあふれており、純粋に強者が現れたのを喜んでいるような顔だ。
これが彼にとっての礼儀というものなのだろう。だがデュークはこう言った。
「……滅ぶ者に語る名は無い」
明らかな戦闘意思。宣戦布告だ。だが甲冑の男は眉一つ動かさない。それどころか少し笑みを浮かべた。
「本来ならば一騎打ちで闘いたかった。だがお前は未知数の力を持っている。ここは四人同時でお手合わせ願おう……」
この男、馬鹿では無かった。先ほどの一撃を見て、「総戦力で闘わねばならない相手だ」と判断したのだ。一騎打ちという伊達、酔狂を持ち込んで勝てるような相手ではないと一目見て感じていた。だから素直な判断を下した。これが強者の判断だ。己の力量を知り、傲らず、無理をしない。彼は一人を四人で襲うという選択を取ったのだ。
デュークは鞘に手を置いた。甲冑の男は身を低くして背中の大剣の持ち手を掴んだ。狼男は爪を鳴らして唸った。
風が吹いてどこからともなく枯れ葉が飛んできた。枯れ葉はひらひらと落下を始める。五人にとっては永遠に感じられるほどの落下速度である。枯れ葉は空中で左右に揺れて地面に付いた。その刹那――。
「――シュッ!」
銀色の線と黄色い線が紫の線と交わった。デュークはその場から一歩も動かずに二人の斬撃を防いでいる。
「……山を押しているようだ。何という重さか」
剣と剣の境目から火花が散る。もの凄い摩擦で剣の温度は上昇し、銀色の剣の真ん中辺りがうっすらと赤くなる。狼男は一旦爪を引っ込めて、デュークの脇腹を狙った。しかしデュークが前に足を出すとそれに気付いた狼男は後ろに逃げた。
その時、魔道士が空中に跳び、両手から赤い閃光を出現させた。
「灰になれ……」
二つの閃光がデュークに迫る。デュークは落ち着いて銀色の剣を弾き、横に跳んだ。それとほぼ同時に閃光が地面に着弾する。粉塵が空高く舞い上がり、地面が大きく陥没する。よく見ると所々に融解している金属片が見える。灼熱で周囲の景色が歪み、粉塵で四人の姿が隠れた。
だがそう思った時には粉塵が消し飛んでいた。デュークの目の前には拳を思い切り後ろに引いた大男の姿があった。丸太のような腕から繰り出される攻撃だ。当たれば首が吹き飛ぶだろう。
大男は喉を潰すような掛け声を出した。思い切り殴るという意思の表れだ。
大男の目の前に紫の光の線が見えた。デュークは剣を持った腕を振り上げていた。全力で放った拳がデュークを捉えるだろうと大男は思ったが届かなかった。
いや届いていたのだが、拳の真ん中に赤い線が入り、そこから腕全体が左右に割れたのだ。大男の拳は当たる寸前で真っ二つに割られていた。
鮮血が噴くその景色の中で大男は自分を睨むデュークを見た。下から上へ突き刺すような視線だ。大男は息を呑んだ。二撃目で己が寸断されるのを想像したからだ。一瞬、もう片方の腕で殴ろうか、足で蹴ろうかと考えたがどう見てもデュークの剣の方が早いようであった。恐らく次の攻撃で引導が渡されるだろうと、大男は予感した。
その時、デュークの横から銀の大剣が突き出てきた。首を狙ったその一撃をデュークは身を低くしてその剣に自分の剣を当てる。その衝撃で大剣は大きく持ち上がり、デュークの返す刃が甲冑の男の腹を斬った。だが甲冑の男は構わずに剣を振る。そして再び鍔迫り合い。
後ろで風を切る音が鳴った。その主は狼男だ。街灯に登った狼男はそこからデュークに飛びかかったのである。空中で爪を振る中、狼男はニヤリと笑った。
だが突然目の前の景色が揺らいだ。空中で狼男は驚いた。その揺らぎは段々と大きくなる。右目と左目の情報が一致しない。片方の視界がどんどんと下へずれていく。そう思った時には狼男の視界は赤く染まっていた。
二人が鍔迫り合いをする中、大男は足下の一際大きい瓦礫を持ち上げた。隣にいる魔道士が魔力を練り始めた。
デュークが甲冑の男に仕掛ける。だが剣は見えない。見えるのは紫の線だけだ。攻撃が見えない以上、剣術の型を予測して勘で防ぐほかに無い。
甲冑の男は歯を食いしばった。視界の端で紫の線が見えた。来るのは横薙ぎ。男は後ろへ下がり、身を低くして地面を蹴った。
「……シィッ!」
剣に分厚い風の音を纏わせて、全力の突きを放つ。だがデュークの姿が消えた。
デュークに狙いを定めていた魔道士は驚いた。瞬時のうちに彼の姿を探す。その時、背後の強大な威圧感を感じた。彼は無意識に右手に閃光を出して後ろにいるはずのデュークに叩きつけようとする。その瞬間、己の腕がぐにゃりとねじ曲がり、暴発した閃光が明後日の方向へ飛んでいった。
デュークは魔道士の首根っこを掴んで持ち上げる。元々骨と皮しかないようなものだから紙のように軽い。
そこを狙った大男が瓦礫を投げつける。デュークの腕が真横へ降られた。魔道士の姿がぶれて、空中の瓦礫が粉々に砕け散った。
大男は構わずにデュークに接近。右手を極限まで引き絞る。甲冑の男も同時にデュークに肉薄した。
銀の大剣をデュークが受けた。それを強く押して甲冑の男の姿勢を崩す。横から跳んできた大男の拳をお辞儀するように交わして、剣を両手で持った。
その瞬間、大男は目の前に紫の三日月を見た。綺麗な光であった。そう思った時、足で立っているはずだが視界は宙に浮いた。
デュークは返す刃で甲冑の男の反撃を受けた。
もう、そうこうしている間に二人の仲間が死んだ。体感時間では一瞬であった。とにかくあっけなさ過ぎた。吸血鬼達の中の実力者がまるで雑兵のように切り捨てられたのだ。
デュークの連撃が始まった。まず振り下ろし。男は横にずれてデュークの腹を狙った。だが脳裏に電流が走った。そのまま無意識に従って後ろに跳ぶと紫の線が自分がいた場所に見えた。今度はデュークの姿が消えた。真後ろだ! だが遅い。男の背中に衝撃が走って、目の前に建物の壁が見えた。
それと同時に違う悲鳴も聞こえた。
カランと金属が落ちる音がした。鎌だ。続いて鈍い音が鳴った。
黒い影が地面に伏し、血だまりを作る。遅れて何かが落ちてきた。それは血だまりの中に落ちて転がると顔だったものが街灯に照らされた。
甲冑の男は無残になった家の中で起き上がろうとした。だが、出来なかった。なぜなら喉元に剣が突きつけられていたからだ。
「……去る者が残す言葉など無いな」
男は呟いた。そして少しだけ笑みを見せた。遅れて、風を切る音が聞こえた。
仕事を終えたデュークは四つの死骸に背を向けた。街灯の下を淡々と歩いて行く。
「君がデュークか……」
デュークは振り返った。声の主を捜すと、ずらりと並んでいる街灯のうちの一つの下に新たな男が立っていた。その男は青いローブを着ており、特徴の無い顔をしている。そして普通と違うのはその体が少し発光していることだ。
男は喋った。
「君の力は道理を逸脱している。その気になれば神々だって滅ぼせるだろう。……危険だ。いずれ君も神になる。だから今のうちに……。人間である君には悪いが、ここで朽ちて欲しい」
男の体のオーラは一気に強くなり、人型のオーラへと変貌した。殺気が迸り、その余波だけで周囲の建物に罅が入った。
この男はデュークを殺そうとしている。それはなぜか。
この広い世界において統率者たる神々が一番恐れること。それは神殺しだ。
人間でも動物でも、ただひたすらに力を取り込み続け、もはやその種族の域を出ようとした時、神や精霊に変貌することがある。例えば世の中で一番鍛冶が上手くなった職人は鍛冶の神に。より多くの信者の信仰の対象になった人間はその宗教の神に。そしてあまりに強すぎる人間は戦神になるだろう。
だがそれは頻繁にあるわけが無い。と言うか全くないと言っても過言では無いだろう。人間が神になったという例は、文明が始まって人々が歴を数えることを覚えた頃から今日まで、片手で数えるほどしか無い。
神々の間ではデュークを警戒する声が強まっている。なぜなら彼は神を何回か殺しているからだ。そもそも、神という上位的存在が人間に敵うはずは無いのだ。なぜならそれが道理だからだ。だから人々は神を信じ、称え、恐れる。もしその人間が、ましてやたった一人が何神もの神を殺す事が出来るなら、それは前代未聞だ。
だから目の前の男は「神になる前に潰す」と言った。
そして光の腕を頭上に掲げた。そして力を込めるとその光は翼のような形に変形し、どんどん大きくなってそこらにある建物などゆうに越すほどになった。男はその翼を真横に降った。
デュークが剣を抜き、同じように真横に降る。剣と光の翼が接触! その衝撃で地面が割れ、周囲の建物が崩壊した。剣と翼の間に火花が走り、その熱で周囲の空間が陽炎のように歪んだ。
その戦いはデュークにとって予定外であった。仕事の範囲に入っていない戦いだ。だからさっさと済ませたいと思った。
「……ふっ!」
デュークが剣に力を込めた。するとさっきまでの力の均衡が嘘のように消え失せ、光の翼が真っ二つになった。地面へ落ちた翼の片割れは光を放出するとその場から消滅した。
男は一瞬うろたえた。まさか人間が己の攻撃を防いだだけでは飽き足らず、その体を切断するとは思わなかったのだ。
彼もまた神の一神だからだ。人間は神には勝てないという道理に守られ、油断したのだろう。
男のすぐ目の前にデュークが現れた。腕はもうすでに振り上げているようだ。淡い青色の光の体に紫色の線が二分するように入った。
男は大きく仰け反った。そしてその光を放出するとその場から消え失せた。
誰もいなくなった街でデュークは剣を鞘に収めて歩き始めた。




