表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

27/41

27.秘密と素顔とバレ

【主な登場人物】


僕 / 本名・志月 緒人。主人公。やや内向的で、妄想的。いたって普通の高校生男子。


篠上純夏 / 黒髪ロング。容姿端麗頭脳明晰。無表情・敬語・論理的な思考を持つが、ある日失われた時代の「恋愛と性に関する古い人間の本」に出会い、性的なことに異様な興味を抱く。


天乃天音 / ピンクのボブカット。明るく小悪魔っぽい性格で、主人公をよくからかってくるムードメーカー。その無邪気さと素直さが、逆に破壊力抜群。


花野ちとせ / ミルクティブラウンのふわふわウェーブ。何を言っても怒らず、ほんわか返してくれるその優しさに、気づけば心が溶かされていく。無自覚エロスで主人公を追い詰める。


御堂みこと / 金髪ハーフアップ。風紀委員として、制服の着こなしや問題行動を正す。と言っても、第六学園には風紀の乱れは無く、過剰に暴走気味。


白鷺ノナメ / 肩で揃えたネイビーブルーの片目隠し髪。緒人の隣の部屋の住人。学校では物静かで、話しても反応が薄い。自室から何やら声がするのだが……。




 1日経っても答えは出なかった。



 天音が何を伝えたいのか、何を考えているのか。



 短い梅雨が一瞬で終わって、最近長くなった……夏と初夏の間……そんな季節。


 そういえば、白鷺ノナメと僕の「相互不可侵契約」は1ヶ月が経とうとしていた。


 それは、思っていた以上にうまく機能していた。


 学園では相変わらず、彼女は影の薄い地味な生徒として過ごしている。


 時々見せる、僕だけへの小さな表情の変化。


 それが、この関係の特別さを物語っていた。

 

 夜になると、隣の部屋から聞こえてくるNØNØの配信。


 最近の彼女の配信は、以前より自然体になっている気がした。


 無理に明るく振る舞うのではなく、どこか安心したような、リラックスした声で話している。

 

「今日もみんな、来てくれてありがとう♡ 最近ね、ちょっと変化があったのー!」

 

 僕は机に向かいながら、その声に耳を傾けた。

 

「秘密を分かち合える人ができるって、こんなに心が軽くなるものなんだね。……隠すことばかり考えてたけど……えへへ……知ってもらうことの安心感を初めて知ったよ」

 

 その言葉に、僕の胸が温かくなる。

 

「でもね、まだ全部は見せられない。少しずつ、時間をかけて……それが……幸せなのかもしれないって、最近思うー♡」

 

 心からの言葉を……彼女は以前より自然に口にするようになった。


 それは僕自身の変化とも重なっている。


 純夏、天音、ちとせ、みこと……いろんな人との関係を通して、僕も少しずつ理解し始めていた。

 

 そのとき、配信の声調が少し変わった。

 

「……あ。でも、ちょっと困ったことがあるんだ。学園で……なんだか視線を感じることが……」

 

 僕は手を止めた。

 

「もしかして、リアルでバレちゃったのかなー? ちょっと心配になってきた」






 翌日の教室。


 いつものようにノナメは窓際の席に座っていたけれど、なんとなく落ち着かない様子だった。


 時々きょろきょろと周りを見回して、誰かに見られていないか確認している。

 

 昼休みになると、彼女は僕のところにやってきた。


「……ちょっと、話がある」

 

 屋上に向かう途中、廊下でクラスメイトの何人かとすれ違った。


 その中の一人。


 確か田中だったと思うけど、ノナメを見て何かを思い出すような顔をした。

 

「あ、ね……白鷺さんって……」


 田中の声。


 それを聞かなかったふり。

 

 僕たちは足を速めて、その場を離れた。

 

 屋上に着くと、白鷺ノナメは手すりにもたれて大きくため息をついた。


「……やばいかも」


「何が?」


「……最近の配信で、学園のことを話しすぎた。制服の特徴とか、授業の内容とか……」


 親指の爪を噛むノナメ。


「もしかしたら、蓮ヶ崎第六学園だってバレてる」

 

 確かに、彼女の配信では時々学園の話が出てくる。


 でも今まではそれほど具体的ではなかった。

 

「それに、拙の話し方にも癖があるから……よく聞いてる人なら、気づくかもしれない」


「でも、普段の君と配信中の声、全然違うよ?」


「……違うけど、完全に別人じゃない。同じ人間が出してる声だから、どこかに共通点はある」

 

 ノナメは不安そうに下唇を噛んだ。


 いつもの無表情からは想像できない、感情豊かな表情だった。

 

「……どうしよう……バレたら、学園にいられなくなるかも」


「そんなことない」


「……わからない。配信で稼いでるって知られたら、他の生徒から妬まれるかもしれないし、先生たちにも問題視されるかもしれない」

 

 僕は彼女の肩に手を置いた。


「大丈夫。もしものときは、僕がなんとかする」


「……なんとかって?」


「わからない。でも、君を守る」


「……拙を?」

 

 僕の言葉に、ノナメの目が少し潤んだ。


「……どうして? 契約に、そんなことまでは含まれてない」


「含まれてなくても、そうしたいから」

 

 僕は自分でも驚いた。


 いつの間にか、ノナメのことをとても大切に思っている自分がいた。




ぜひぜひブックマークをよろしくお願いします。今ブックマークと打ったらバックボーンと予測変換されました。スマホも風邪を引いてるみたいです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ