2025年5月短歌まとめ
2025年5月短歌まとめです。
眠れずに迎えた朝の青空があまりに澄んでただ美しく
朝焼けの景色が映る窓際に縋りついてる五月の初め
カーテンを開けて伸びをし深呼吸行ってきますと言うあなたの背
ご主人の慰め役は僕がやるまた振られたの?十回目だね
無敵へと進化したのかこの寝癖なにをやっても直ってくれず
おはようもおやすみすらも届かないそれでも言うよ大好きだから
最後まで疑問を問うが私流 で、好きな人は誰なんですか
行く人も過ぎ去る人も喧騒の世界に消える歓楽街に
騒がしい都会を抜けて路地裏に住み着くネコの頭を撫でる
星一つなにも見えない暗闇は鳴き声すらも雑音となる
麦わらの帽子を押さえ海の音が運んできた貝殻の道
手を繋ぎ人魚とともに海の中ふわりと泳ぐ涼夜のときよ
君となら越えてはならぬ境界もまたいで夢を掴み取れると
永遠の愛を契るよ死んだとて想いが変わることはありえず
これからも会えないのなら仕方ない世界の果ても探し尽くしに
炊けた音聞いても今は無のままで遠いあの日はきらきらしてた
残されたDMはもう何年も経っているのに消せずに灯る
大切に想っていてももてあそぶ君の操り人形になる
廃人と化して過ごした連休は渋滞してるテレビの向こう
洗っても取れないシミに布被せなかったことにしている僕ら
凸凹と舗装もされぬこの道はまるで自分の人生のよう
シャボン玉空を旅して力尽き壊れて消えて忘れ去られて
法律を変えてあなたと結ばれるようにできたら幸せなのに
人形は悪口なんて言わないし思い通りに言わせられるし
毎日のようにクーラーフル稼働そのうち効きが悪くなったり
この空の下の何処かで君も居て生きているんだ、今日も頑張る
どの道を選んで歩き進んでも辿り着くのはスタートライン
憧れたひこうき雲の上に居る歩んだ道が不正解でも
果てしなく先も見えないこの道を選んだことを悔やみやしない
花を踏むことも茎から千切るのも平然とやる薄情な人
新緑の芽吹く季節となりました空の暮らしも慣れたでしょうか
桟橋に落とした記憶拾うまで長い海への旅を許して
燃え尽きた命の灰を手のひらに視界を覆う無力な涙
太陽が沈んで月がかがやきを辺り振りまく噴水の水
泡になる声とか足もこの命全部消えればしあわせだから
だましても心が痛むことはなく喉に焼き付く甘いシロップ
忘れたよあんなに遠い過去なんてもう大丈夫泣くのはやめた
年賀状久しぶりの名だと思い裏をめくれば子と映る君
密室であなたとふたりきりなんて背筋がゾクッと震えあがる
ありがとうもっとたくさん言えたなら違う現実見れただろうか
祈るしかできない僕にゴミを見るような目つきをする旱星
死ぬ前に鮎の塩焼き食いたいと言った親父のために手掴み
君は言う強さは弱さだから無理してまで生きる必要はない
点数で決まる命の重さなど要らないと逃げ雨に打たれる
比べては落ち込み泣いて傷つけてそんな生き方したくなかった
休日の終わりが近付く憂鬱に羽目を外してビールを注ぐ
枝豆はあのスーパーで買うほうが美味しいからとお酒が走る
初恋は甘酸っぱいと言うけれど涙の味はどうもしょっぱい
花束を持って未来の方へ向く枯れて朽ちても私は私
復活を望むか否かどうするか彼は命を全うしたと
なんでまだ生きて息しているのかと自問自答を繰り返す夜
雨の降る夜の海へと旅をする傘は駅舎に靴は可燃に
目を覚ますライトを浴びて横たわりおさかな天国聞こえてくる
どうしても甘い沼から出られない脳まで溶かし蝕んでいく
宮殿に迷い込んだら拾われた白い子猫に転生してる
いつまでもハシゴしながら聞かされる愚痴には飽きた5軒目行くの?
玄関の扉が開く音がして駆け寄ったのに主人は居ない
人生が今終わっても後悔はないけど君はしがみつくでしょ
あたたかくゆっくり寝てねいい夢をそう言い閉じる未来の扉
責任を背負ったことはまだないしまだ大人にもなれない私
新緑の匂い漂うこの部屋で今も帰りを待つ五線譜に
またいつか目を覚ましたらおはようと言うからどうかいい夢を見て
叶わない恋だとしても片思いしたまま過ごす三年間を
この嘘が誰かの痛み止めになれそしたら僕は地獄に落ちる
窓を開け初夏の香りを胸に溜めいつでも会えるように身支度
下駄箱に入れた手紙はゴミ箱に無造作に投げ捨てられていた
机彫る君は生きてる証とかしょうもないよなそう笑い去る
最後まで残しておいたさくらんぼメロンソーダの色をまとって
傘を持つ右手も君の手を握りたいから捨てた一緒に帰ろ
思い出はどんな宝石より大事値段も価値もないからこその
麻雀のやり方覚えようとしてすぐに挫折し忘れ去られる
伝書鳩離れて暮らすあの人へ届けておいで待っているから
この日々が終われば土産話持ち川を渡って会いに行くから
雨粒は管を伝って落ちていく自転車置き場賑やかな夜
終わらせることを頑張る必要はないよ必ずいつか死ぬから
雨上がり湿気の残る道走る傘は空へと放り投げられ
洞窟に滴る水と泣き声は不安を煽りこちらに招く
欲しいものあの子はずっともらってる羨望ばかりしては落ち込み
抱きついて母のぬくもり感じてた子どもの頃に戻れるならば
生きていく理由になった君が消え死ぬ理由だけ残されていく
ある程度仲良くなってしまったし姿を消して記憶も消して
ありがとう今更だけど言わないと母の日だからとかじゃなくて
子守唄母の歌ったあの曲を眠れぬ夜に口ずさんでは
試しても心の声は翻訳ができないらしいどうしたものか
ネモフィラの咲く花壇見ていつかまたあなたと青い海に行きたい
君と居た時間は夢のようだけど記憶に残る声は優しく
雨の降る冷たい海に身を捨てて泣き顔はもう見られずに済む
雨音に沈む夜には眠りへとついても涙止まらずにいる
人生をやめるその日が来るまでは道を逆走して生きていく
侍のような強さが欲しかった逃げるかここで散り果てるのか
割り箸をうまく割れずに萎えているそんなことさえ直に忘れる
あのときにもっと話せばよかったな後悔しても雨は止んでる
気が付けば千円札が消えていき推しの時間をもらえるオタク
振られたと泣く君を見て慰める私だったら泣かせないのに
一番に幸せ願うそれなのに脳裏によぎる不幸になれよ
苦しんでいるその顔が美しい虚ろな目から震える足も
一本の小さな花を満面の笑顔でくれる巨大な力
捨てようか置いておくのかどうしよう生きた印は日記とともに
あの頃の姿のままの写真立て川を渡ってまた話せたら
離れてもどこかできっとまた会える信じて生きて早百年目
最後まで自分の足で立ち続け笑って終えることが目標
夢はもう硝子のように砕け散り滲んだ足の裏を隠した
眠る前君の名前を呟いた夢に行くからまた来てほしい
ケーキ屋のきらきら光るショーケース眺めるだけで幸せになる
相槌を適当に打ちどう思う?聞かれて困るならちゃんと聞け
邪魔をするねこはどうにも満足気怒る理由はどこにもないな
いつまでも3DSガチ勢を極めていった青春時代
撥ね除けた優しさはもう枯れていてひとりぼっちの自分は朽ちる
なんでまだ生きているのか考える時間も腹は勝手に減るし
宝石のように流れる涙さえ拭うことすら許されぬこと
人生を半端で歩むくらいなら空でも飛んで世界が見たい
ピアノ弾き君の帰りを待っているなびくレースカーテン纏い
項垂れてやる気は旅に出ていって締切はもうすぐそこに居る
傘を捨て靴も脱ぎ捨て踏切の向こうに走る背中は消えた
君だけはどうか笑って生きていて命が散った瞬間までは
来世にも僕の居場所はありますか君の隣で生きられますか
透明な空を飛び交うすずめたち窓を開ければ有明の月
ブランコを二人で漕いで夕焼けの広がる空に飛べる気がした
西日差す部屋はゆっくり暗くなる今日もおつかれ月夜の照らす
夕凪をぼんやり眺め後ろから扇子で風を起こすあなたと
今までの想いは歌に閉じ込めて君のもとまで響かせていく
もしいつか再開できる日が来たらちゃんとあなたに好きを伝える
約束をするよ世界が終わっても愛し続けて探し続ける
再開を夢見ているの君がもし望んでないと知ったとしても
頬伝う涙の雫拾えずに硝子のように砕け散りゆく
展示室貴方の骨もあったらないやまだ死んでないとツッコむ
童貞のままでもいいと思ってるこの世は百合で溢れてほしい
雨続く初夏の日々すら彩りを与えてくれたあなたの傘に
スタバ行く同級生のキラキラと現場でチェキを積む自分の差
最初から出会わなければよかったねそしたらこんな悲しみもない
また明日。そんな明日はもう来ない君の遺影と閉め切った部屋
星々の広がる空を繋いでは一等星と顔を見合わせ
すやすやと眠りについた君の頬つついて遊ぶ丑三つ時に
錆びついた線路を歩く人生の外れに咲いた一輪の花
目の前で星になりゆく君の手をただ握るしかできない僕を
今までの別れの中で一番の苦しみを知る最後の笑顔
少しでも同じ時間を共に生き笑えたのならそれでよかった
大河越え君のもとまでひとっ飛び気合いがあればなんでもできる
イヤホンを半分こして聞いた曲沈む夕日に染まる公園
真っ白なキャンバスに色重ねては黒に近付く心の深く
概念を捻じ曲げてこそ幸せを掴めるのだと言っていた君
紡がれた言葉はいつか灰になる片手に握りしめた花びら
制服は綺麗に畳み思い出と小さな夢を燃やして消した
雑踏の中であなたとすれ違い時が止まったような気がした
やさしさは言葉を使うことじゃなくそばで寄り添うこころが大事
曲線を描き続ける水たまり傘を手向けて見つめるこども
霧の中ぼんやり映る紫陽花の色は青くて白くて淡い
珍しいこともたまには起こるものカバンを置いて手ぶらで来てた
発言を求められても声が出ず静まり返る地獄の時間
生きているだけで十分大丈夫終わらせるのを頑張らずとも
線香の煙を纏い手を合わせ君が居ないとバッドエンドで
たまご割り床に落として撃沈しこれが人生なのだと悟る
雨に濡れ霧の中へと消えていく白いワンピの長い黒髪
紡いでも誰かを救うことはなくそれでも笑顔繕っている
雨の降る静かな部屋の片隅に積もる埃と同等の価値
復讐を決めたからには人生を君に捧げるなにがあっても
どうかこの世界でずっと生きていて世が終わっても命を捧ぐ
好きな人が居るんだって君は云うあぁそうなんだ声が震える
いちご狩り気付けば君とはぐれててひたすら食べる姿発見
傷つけることも自分で幸せにするのも自分ああ生き地獄
尻尾振るお犬のように出迎えてくれるあなたは影すらないと
鋭さに怯えて震え身を隠す優しさの裏見据えるように
粉々に砕けた硝子踏みつけて滲む痛みは貴様の心
達筆な文字に打たれた胸の中ここがいいとか分からないけど
古傷をなぞった指を削ぎ落とす敵は自分であったのだとか
本棚の奥に仕舞われ早五年埃を吸った主人の記録
止まらない涙を拭い笑っても晴れることなく降り注ぐ雨
寄り添える人は痛みを知っている言葉は時に凶器になると
花を踏み心を痛められる人どうも僕にはなれないようで
Googleに頼って生きているせいで国語辞典は埃を被る
強がっていても実際弱いまま苦しみさえも飲み込んだ毒
雨に濡れ透明になるわたげたち命咲くまで青空を待つ
吹き荒れる雨風に触れどこへでも行ける気がした梅雨空の先
雨の降る冷たささえも嫌ってるそんな貴方が踏む水たまり
病める日も百%愛すかと問いた牧師も幸せにする
君が好き大好きだからお願いも聞いてほしいな大好きで居て
ぬいぐるみ片手に抱え眠りへと沈む夜中に消えたあの星
ひとりでもひとりじゃないと願う夜あとはゆっくり眠るだけだよ
生と死が紙一重だと知りたくはないよあなたはどうか生きてて
月面に映るうさぎの給料がふと気になったバスでの帰り
何十も先の未来も幸せにすると誓った灯台の下
これだけは忘れずにいて何百の年が経とうと褪せないことを
水道の蛇口をひねり喉伝うぬるさも全部青春の味
ロボットになれたら楽になりますかこの感情も消えるのですか
ドーナツの穴を覗けば散らかった部屋があまりに現実で虚無
冷え切った身体は怠く生きているだけでしんどい曇り空の日
鳴き声も毒へと変わり身体中蝕んでいき孤独に絶える
小銭入れ今はスマホで十分で駄菓子屋さえもスーパーになる
この命何円ですかそう問いて値段をつける価値もないけど
廃人は廃人らしく閉め切った湿度の高い部屋で廃れる
人がやる姿だけでも楽しめるドラクエはまだ見たことがない
朝起きてふと呟いた君が好き無理はしないで今日もがんばる
悪魔でも天使のようなかわいさを放つ月夜に飛び立つ君へ
眠い目をこすって開けた窓の外広がる淡い青を掴んで
朝日差すレースに映る金柑の葉に魅せられた重い目の人
スタートが一緒だなんて嘘だったビリになるのは目に見えている
合鍵を手渡すべきでなかったと夜のベンチで後悔をする
5/28どうですか聞こえてますか邪魔をするノイズばかりが天国に行く
ふと映る姿が君と重なった短くなった髪を通して
雷鳴が轟く外に降り注ぐ雨は世界を飲み込んでいく
ワニの歯を自分で押してパニックに陥るくらいには弱かった
一秒の先のことさえ分からない糸がぷつんと切れたことすら
約束を契った指を切り落とす覚悟で君の前から消えた
横顔に熱を帯びたと知らぬ君その眼差しに恋に焦がれて
焦点の合わない僕に手を振って笑うあの子の目は開かない
人生の迷路から抜け出せなくてここで一生を終えるのかと
欲しかった自分を守るウニの棘食べられるのは大分嫌だが
幸せを望めばきっと必然に君も自分も思い出になる
出会っては別ればかりが続いてくそれが未来に繋がるとして
コンクリの隙間から咲く雑草の花の強さを知るのも弱さ
またいつか会えますように大切な君も何処かで息をしている
広がった白詰草の絨毯に狭まる視野は星空になる
透き通る空気の先に創られた虹の向こうにかかる夕焼け
吊るされたレモン石鹸群がる子そんな景色はもう見られない
あぁなんだ幸せだった思えたら全部どうでもよくなってきた
繋いだ手いつか離れる日が来ても恋の病に侵されていく
あの夜に捨てた叶わぬ夢のこと涙は二度と流さず生きる
見つけたの王子じゃなくてお姫様白馬も乗れる素敵な人で
御朱印を集めて旅を楽しんで次はどこまで神と行こうか
ころころと天気予報は変化するまるで生死の選択のよう
もし明日世界が終わり恋だけが空に漂い続けるのなら
2025年5月計225首
2025年計1063首
自選短歌月3首
だましても心が痛むことはなく喉に焼き付く甘いシロップ
来世にも僕の居場所はありますか君の隣で生きられますか
真っ白なキャンバスに色重ねては黒に近付く心の深く
こんにちは、雨宮雨霧です。
毎日、いや毎時間のように変わっていく天気予報を見るのが日課です。暇人なわけではない。
紫陽花に色がつきはじめて、梅雨を感じさせます。紫陽花が好きです。雨も霧もいいですよね。
暑い日が続いていきますが体調にはお気をつけください。