2025年4月短歌まとめ
2025年4月短歌まとめです。
バカだから君が冷たい理由すら分からないから目を開けてって
好きとかさそんなのじゃないでも君が居なくなったら泣いちゃうかもね
みんなとは違う時間を過ごすのさそれが私の生き方だから
日曜日エンディング終え絶望に満ちる明日が来なければいい
小さな子怪獣になりガオガオと吠える姿に打ちのめされる
議論するあなたのことを見ていたら急に話題を振られて困る
雲隠れこっそり光る三日月はお前も笑え言っているよう
器からこぼれるくらい溜まりゆく君にもらったやさしい言葉
無機質な天井見つめ時は過ぎ今日も結局なにもできずに
好きなのにいちご差し出す小さな手食べればすぐに笑顔になれる
ファミレスで同級生と鉢合わせ気まずい空気流れてオワタ
永遠に一緒に居よう?飛び降りたずっとふたりで生きていたいの
一度きりしか交わらぬ道ならばそれをつなげて一生一緒
これだけでたったこれだけそれなのに君の言葉は綴る言葉は
ご主人の背中を追って鳴いてみる本能だから構ってなんて
死にたいと叫ぶどこかの知らない子想いはどうも届く距離では
厚着していれば寒さに耐えられる心はどうもなにも着られぬ
思い出も記憶も全部置き忘れ身軽になって空でも飛ぼう
あと一歩たったの一歩そう一歩踏み出す勇気あと一絞り
君のためなら死んだっていいんだよ星になったら見つけるんでしょ
服の裾掴んで止まる君の足どうか元気で言い残しても
この傷はいつか消えない星となるあなたが夜に飲まれぬように
夕焼けに染まる桜は上を向くことができない心を掴む
底なしの愛が溢れる沼に堕ち猛毒だって飲み込めるから
猫舌で猫背になればねこさんになれたりします?なれないですか
引き出しに仕舞ったままの文房具結局いつも同じシャーペン
貝殻を拾うあなたの背を追って風が攫った麦わら帽子
ひんやりと冷える夜にはぬくもりが恋しくなってお湯を沸かした
何回も消しては打って繰り返す誤字の多さは昔と一緒
大人への階段なんて登りたくないと拒んでいたあの頃は
もし君が死んだら僕の人生はバッドエンドで終わってしまう
日常も君の命もお金では引き換えられぬ宝物なの
スベっても君は笑っていたけれど裏で練習重ねて泣いて
殺したら君は私のものになる欲しかったのはぬくもりなのに
透明になる窓を見て徹夜するのも悪くない思った夜明け
横顔に涙の跡が残っててもうそれ以上は見れなくなって
人生の案内板がないのなら導く人が居てもいいでしょ
この曲を昔はずっと聞いていて別れた後も流し続けて
まっすぐに背筋を正し前を見てドレス姿の君に拍手を
別々の道を歩いて生きていく出会いと別れ心は癒えず
明かりなき静かな部屋にただいまと言っても帰り待つ人居らず
落書きを余白に書いて見回りに来た先生にバレないように
お花見に来た赤ちゃんは笑ってて和やかになる疲れた心
倒してもまた復活し攻撃を受けるばかりでゲームオーバー
誤解してされてしまって喧嘩してお菓子で君を釣って怒られ
君の居ぬ人生に慣れられなくて無理に笑った顔は醜く
あなたには届きやしない想いでも桜吹雪に飛ばしてもらう
空を飛び君と最後のキスをした色鮮やかに命散るまで
会いたいと願っているは私だけ君と笑うは知らないあの子
たとえ嘘だったとしても君になら騙されながら生きていたいよ
真っ黒に染まる心はひび割れて想いも全部漏れ出していく
色褪せた遊具が残る公園に残るは子らの眩しい記憶
門くぐり世界を知らぬ子の声は暗い心に花を咲かせる
君のこと目で追いかけて目が合って顔はみるみる赤く染まって
廃人は俳人になり灰になる冷たい雨は涙とともに
なにもかも嫌気が差して壁を蹴るどうにもならぬ痛みと命
失敗を何度も重ね冷たい目向けられる日々もう帰りたい
生きていくことはどうにも難しく君に会いたいそれだけなのに
花びらは無機質な地を彩って無邪気な声を響かせていく
鍵をかけ手足を縛りドロドロに溶けた愛情たらりと堕ちる
君の手を思わず取ってしまってた桜吹雪に攫われそうで
違和感を感じるようになっていたなんで姿を追っているんだ
寝る君にいい夢見てね呟いて布団をそっと被せて泣いて
雨音が響く静かな夜の道傘を忘れて相合い傘を
落ちてゆく私は海に飛び込んで世界が終わるその日を待った
明かり消しそれでは寝よう意気込んで一人反省会を開催
どこからが大人になってどこまでが子どもであれて生きていけるか
また明日云ったあなたは来なかったブランコを漕ぐ音が木霊す
図書館の静けさの中うぐいすの鳴き声響く春の終わりよ
本当に記憶の蓋を開きますよろしいですね?それではどうぞ
死神は隣に座りお茶を飲む死に損なった私を責めず
いつまでも子どものままで居られぬと分かっているが成長できず
優しさも笑顔も全部偽りであったとしてもあなたが好きだ
雨は降り桜を散らし流しゆくずっとだなんてないのだと云う
口笛を吹いても君は来てくれず名を叫んでも虚しい空気
ルームシェア成り行きですることになりここから全て始まっていく
巡り合い別れが来るも運命で最後は笑いさよならしよう
最後まで自分のままで居たかった今はもうない長かった髪
めくるたび涙を誘うアルバムがうらめしくありうれしくもあり
あんなにも大きく見えた背中すら小さくなった気がしたりする
ひとりきり過ごす時間は寒いけど寂しくないよマッチの明かり
夕飯の匂い漂う暗い道無邪気な声が心を絞める
嫌だって泣いたらどこも行かないの?ずっと隣に居てほしかった
泣き疲れ眠る静かな暗い夜恋の欠片は埋まらないまま
恋人も家族も居ない空間にツリーの光る聖なる夜は
感情も知らない雨は降り注ぎ桜の花を散らして流す
いつか色褪せるのならば思い出は春に吹く風託して飛ばす
君の背にこの手は届くことはなく触れることすら叶うことなき
毒林檎かじった姫を嘲笑う一番ばかり求めるせいで
暗い部屋テレビは僕の気も知らず開花予想で盛り上がってる
別れたくないと言っても時は過ぎ出会った日まで戻りたくなる
もう二度と取り返すことすらできぬ冷たくなった手は動かない
ほんのりとぬくもり残るこの部屋はさっきまで居た楽しさはなく
あわよくば会えたらなんて願ってる遠い何処かで生きてるあなた
教室に残って窓の外を見て笑顔はじける君と目が合う
さようならそんなに軽く言えるほど薄くてすぐに飛ぶような人
早咲きの向日葵の咲く縁側に寂しく響く風鈴の声
泣いているあなたのそばに居たいだけ大丈夫とか言えないからさ
雨上がり輝く空と澄んだ青足は止まって手を伸ばしては
え、今から?抜き打ちテストまって無理勉強してるわけないエグい
切り捨てて忘れるはずで消すはずでなんでこんなに手が震えるの
コンビニの明かりにつられ飛ぶ虫と酒で乾杯する夏の夜
冷え切った関係性はレンチンで復元できるものではなくて
ぎゅってして痛みも全部消えるから強くなるってもう決めたから
雨上がり透き通る青空の下雫を零す道に咲く花
一分後どうせ忘れて過ごすから星占いは宛にはしない
人生のレールはどこに繋がって終わりを迎えていくのだろう
授業中いねむりをする君を見てつられて夢の世界に入る
窓に触れあなたはどこに居るのかと問いても星は教えてくれぬ
雨の中傘もささずに駆けていく裸足のままで息が切れても
溶けていくアイスが伝う腕を舐め甘くて熱い夏は始まる
結ばれてはいけなかった私たちこれでさよならどうか元気で
一定の距離を保っておかないと磁石のように弾かれるから
背を向けて涙を見せぬ君のことそっと抱きしめ頭を撫でる
関係を白紙に戻しそれぞれの道はこれから紡がれていく
底なしの甘い恋へと堕ちていきじっくり煮詰められる命よ
夜空散る花火とともに口づけを交わした夏の終わる世界に
一輪の花を渡して永遠の別れを告げる透明な風
打ち上がる花が散るまでそばに居て大きなあくびする野良猫よ
街路樹に芽生えた命風に揺れやさしい緑心鎮ませ
爪先で立って身長盛ろうとしチビの足掻きは無駄な努力に
別々の未来で生きてまたいつか顔を隠して嗚咽を漏らす
壁を越え登って落ちてどれだけの傷をつけては負っていくのか
赤い糸すぐに解けるくらいにはゆるい関係それでよかった
生きる意味生きる理由をくれた君ずっと一緒に生きられずとも
流れ星どうかあなたが幸せに元気で生きてくれますように
大丈夫星になってもこの命燃やし続ける約束だから
手のひらを強く握った春の夜今も机に残された手記
玄関のドアが開いた音がしたなんだ隣か団地の夜は
あきらめて家に帰った夜の道涙は路地に拭って捨てて
風は吹き首筋伝う汗は冷えフェンスの向こうに君の姿
そうめんをすすって夏の足音を少しだけでもかき消したくて
背後からわっと大声出す君と笑って歩くヒマワリ畑
あの頃に戻れるときが来たとして同じ幸せ感じられるか
言い訳はもうしなくてもいいですよ愛がないのが真実でしょう
透明なあなたはきっとそこに居るただ寄り添ってくれる優しさ
思い出は残ることなく薄れては見えなくなって空虚な日々を
雨の降る冷たい夜をかき分けて街灯映る水たまりすら
この先に明るい道はありますか握ったままの花びら飛ばす
中庭のひとりで泳ぐ鯉を見てお互い孤独に生きていくと
妖精と丸太に座り頬張ったたまごサンドの味は忘れず
ドボドボと注いだ蜜に溺れゆくまとわりついた重めの愛を
指先を頬にやさしく触れさせて涙を拭う叶わぬ人よ
治らない傷はいつまで身体中苦しめていく蝕んでいく
弱くない強くなるからもう二度と君の前では泣くのはやめる
人生の全てをかけて愛しても知らない人と手を組むあなた
藍色の空の下からぷかぷかとタバコの毒が蝕んでいく
いつの日か今日という日を思い出し笑えるように明日を向いた
少年の心も忘れプルタブを開けてコーヒー思い出と飲む
ありがとう、生かしてくれて。この恋はそっと閉じ込め寝かせて保存
放浪の旅でもするかよし辞表サクッと書いてやめてしまおう
ドーナツもパン屋も全部かがやいて見えた幼き自分はどこへ
憧れた地雷メイクは推しだけで十分いいと思った冬を
潮干狩り腰の痛さと引き換えに貝の料理で溢れかえった
俯いて涙の影はゆれていくごめんね君に生きてほしいの
借りたものお金と愛と優しさと涙と割れたあのマグカップ
傷つけて苦しめるのは嫌だから君の前から姿を消した
鮮やかな砂を纏って駆けていく海の向こうはどうにも遠い
性格も好きなことすら違うのに変なところは似ていたりして
辞書を引き髪を耳へと運んでは言葉を綴る黄昏時よ
形取ることもできないこの恋は忘れる日まで捨てられなくて
紋黄蝶花にとまってひと休み健気な姿ただ愛おしく
君の胸に狙い定め放つ矢は恋に溺れるおまじない付き
風に乗り自転車を漕ぐ夏休み汗も希望も全てが光る
でこぼこの道を歩いて生きていく平らでなくても楽しめるから
決められた運命だって打ち破る一生一緒に生きていこうね
留守電を繰り返し聞き思い出す優しい声と君の吐息を
お揃いで買ったコップは関係と一緒に割れてもう戻らない
君とキスをしたらきっと治るから熱は再び急上昇を
風呂上がり首にはタオル手にビール誰も怒らぬ静寂な部屋
公園のベンチで一人肉まんをかじった夜の凍えた手先
生きているだけでいいとか綺麗事どう足掻いても普通になれず
額縁に入れた写真は闇の中記憶の綱を辿って這って
一度だけしか交わらぬ世界線この一瞬の言葉は砂に
君の名を呟く夜の冷たさは心も凍りそうなくらいで
一通の手紙を開きまた閉じて本当に今までありがとう
涼風のふたりで歩く通学路揺れるスカート重ねた手と手
抱きしめていられる時間短くて手を振ってからあまりに長い
どうしよう目で追いかけて気付いたらずっと見てるし今目合った
たけのこかきのこかどっち?授業中起こった派閥争いは尚
燃えていく薪を見ながらからっぽの君の椅子には涙の跡を
大丈夫そんな嘘すら見抜けない遠い空には十六夜光る
虹の麓まで行ってくると言ってゆっくり閉まる玄関のドア
ただいまと言ったら君はおかえりと返してくれるはずだったのに
理由もなく死にたくなった暗い夜星にはどうも手は届かない
塔の上からなびきゆく髪の毛が羨ましいと思う寂しさ
これほどに些細なことで思い出す刺さった針のあの痛みすら
好きか問う私に好きと言ったのに他の子にまで勿論と言う
本日の恋占いはこちらです沼にハマって助けてもらえ
皮を剥き香り広がる瞬間がみかんを食べるときより美味い
秘密だよそう言い去ったあの子の背タバコじゃなくてシガレットかよ
ただなにも言わずに隣寄り添ってくれたあなたの軌跡を辿る
方角も恋の行方も分からない枝が倒れた先は星空
死にたいが溢れるタイムライン見てなにもできずに見なかったふり
首筋を噛まれた次の日も残る歯型をなぞり上着を被る
タンポポの白い綿毛はふわふわと空を舞っては袖に着地を
もしいつか生まれ変われる日が来ればあなたのボールペンになりたい
雨の降る前の冷たい空気浴びポツポツと濡れていく新緑
大丈夫、また会えるからそう言って嘘になっても言うしかなくて
来世では今より君に相応しい人になるからどうか元気で
浮遊する君が歩いた水たまり虹がかかっていてもまだ雨
平成に生まれた僕も年寄りの扱い受けるようになるのか
マッチ擦り頭の中は妄想で埋まっていった空腹の時
アルバイト受かることなく面接の日程ばかり増えていく日々
抱きしめた想いはいつか空を飛びあと一枚の葉が落ちるまで
「シンバルを叩くあのサルみたいだね」お前の命は今日でおしまい
玄関のドアを開ければおかえりと無邪気な声が飛び出してくる
行春を見送りながら新緑の初々しさに心を晴らす
君が置いていったものはそのままに薄暗い部屋孤独に毒を
車窓から見えた夕日を目に焼いて土産話を増やせた帰り
紫陽花の葉が茂りゆくベランダに夏の初めを知らせる雨と
まだ近い距離に居たのに声は出ず頷くままで終わる青春
2025年4月計212首
2025年計838首
自選短歌月3首
貝殻を拾うあなたの背を追って風が攫った麦わら帽子
空を飛び君と最後のキスをした色鮮やかに命散るまで
まだ近い距離に居たのに声は出ず頷くままで終わる青春
こんにちは、雨宮雨霧です。
時間が経つのが早すぎてついていけません。
これから暑くなっていきますが熱中症には気を付けてお過ごしください。