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雨歌  作者: 雨宮雨霧
3/7

2025年3月短歌まとめ

2025年3月短歌まとめです。


実験は安全確保してからね君とふたりの密室の部屋


外出れば君に会えるか会えないか賭けても意味はないのだけれど


梅の花知らないうちに咲いていて春はすぐだと言ってるようで


波の音だけが響いた夜の海遠きあなたの声が聞こえる


泡になり消えられるならいいのにと月が浮かんだ海を見つめる


新しい命が芽吹く春なのにあなたは二度と目を覚まさない


あなたには拒否権なんてないんだよ自由を奪う僕を許して


真っ白な心に色を何回も重ねていけば黒に染まって


風吹いてくるくる回る枯葉たち枯れても生きているのだと知る


約束を破った君はもう二度と契りを交わすこともできない


夢の中あなたに会えたことだけはずっと覚えて思い出してる


食器用洗剤ですら擦っても心についた汚れは取れず


どうしても人が嫌いなままで居る自分自身も人間なのに


許せない私を置いて逝くなんて泣かせないって言ってたのにさ


行列ができる君とのチャット欄気でも向いたら既読つけてね


人生をやめたくなってログアウトまだアカウント消したくないの


雨の降る静かな朝もゴミ捨て場荒らすカラスを見守る自分


結露した窓に好きだと書いてみる時間が経てば消えてくれるし


世界から僕が消えても気付かないあなたもきっと知らないでいる


雪の舞う青空の下はしゃいでる積もらなくても降るだけでいい


何年も経ったとしても変わらない君への気持ち薄れやしない


すれ違いあなたの背中ただ見つめどんどん遠い存在になる


もし君にまた会えたならあの日より涙ばかりを流すのだろう


この恋は心の底に閉じ込めていつも通りに笑えてるかな


光ってもあなたに想いと届かずに短い命終えてしまった


永遠にあなたを想い生きていく結ばれずとも変わらぬ心


宛先のない手紙書く雨の日に滲んだ文字とともに過ごして


空白のあなたに会えぬこの日々は雨の降る夜終わりを告げる


冷たい手握りしめても動かない離れないでよそばに居るから


雨の日の静けさ浸る夕暮れに冷たい風が隣に座る


また生きてしまったのだと思いたくないけど時は止まってくれず


今までの想いを全て書き込んだ手紙は僕の勇気であった


初めてのキスは甘くてやわらかく顔を合わせて笑い合った日


神様へ 会いたい人はあいつらでないことくらい分かってるよね?


またひとつ歳を重ねてしまったよ今年は君に逢えるでしょうか


雨の降る冷たいベンチ腰をかけ缶コーヒーを握りしめてる


雨の降る冷たい窓の向こう側春はそこまで来ているらしい


炭酸のはじける音が聞こえてるあなたの好きな夏はすぐそこ


飛ばされた麦わら帽子追いかける君の姿は海に攫われ


くだらない物語読み君は言う「次も楽しみ」聞くために書く


ぼんやりと乗った電車に揺られつつ予定を立てて迷子になった


光芒の降る場所目指し歩き出す天使が降りてくると信じて


今だから考えるけど私ってあなたにとって何だったのか


さんぽ中新芽を出した木々を見て命が動くような気がした


ごめんねと呟いたとて聞いてない一斉に飛び立っていく鳥


風が吹き葉のざわめきが蝉の声思い出させる冬の終わりに


真夜中に時よ止まれと呟いて時計の針がピタッと止まる


でもそれは時が止まったわけでなくタイミングよく電池が切れた


崖に立ちこれで終わりと安堵したドラマのように誰も止めない


霧の中山小屋見つけ戸を叩くそれは幻だと気付かずに


神様に誓った愛を忘れたらあなたの命もうないですよ


恩返し私に何ができるのか君に会わないこれが一番


あの頃はまだ生きてると思ってはいなかったけど予想通りだ


快晴と天気予報は言っている真っ白な空広がってるよ


陽だまりに丸くなってるねこを見てぽかぽかすると眠気が襲う


寝る前の反省会を実施中生きてるだけで迷惑だよな


生きたいと思わないけど会いたいと思える人はたくさん居たの


ここからは侵入してはいけません国境よりも心を守る


君の名を呟く夜は寂しくてあの星空も歪んで見える


はらはらと散ってしまった花びらを集めて咲かす第二の桜


片手にはいつも本持ち歩いてた逃げ場なかった学生時代


あのときにもっと話せばよかったなもっと笑ってもっと知れたら


こぼれゆく涙を君は知らなくて歩んだ軌跡私は知らぬ


何年も生かしてくれたあなたはね私にとってヒーローだから


貯金して死ぬ前に旅したいから君との縁も切って身軽に


窓を開け涼しい風とともに来た無邪気な声をそっと閉じ込め


恩返しいつか必ずすると書き春に渡した手紙の行方


ゆっくりと流れる時に身を任せ知らぬ場所までひと眠りする


黙々とトランプタワー積み上げる心のように崩れぬように


人生の続きを君と歩みたいそう言えるほど強くなれない


街なかのかわいい人を見るたびに鏡に映る自分が歪む


公園のベンチに置いて忘れられ風が捲るは白紙のノート


話せずに終わった式であったけど目が合ったのが嬉しかったよ


手を繋ぎ海の底へと落ちていく目からこぼれる雫とともに


何年も既読のつかぬDMに今も好きだと送ってしまう


泣き虫が泣けなくなったその日から弱さを見せず強がるばかり


駅前の鳩がメタボになっていく人の食べ物体に悪い


え?写真はスマホで撮れる?デジカメなんて使うわけない?


救われて生き延びてきた人生を感謝するには遅すぎたかな


人生の案内板が欲しかったあの日も今日もなにも変わらず


はんぶんこ大きい方をあげるからいつか笑ってまた食べようね


気付いたら後戻りすらできなくて恋が砕けるその日を待った


花の芽も膨らんできているけれど希望はいつも萎んだままだ


大切に君と過ごせていたのかな後悔せずに別れを迎え


漢検の一級の本開いたら異世界すぎて封印された


青空がやっぱり君に似合うから見上げる度に思い返して


思い出は宝石よりも輝いて値段をつけることもできない


この狭い世界は過去になっていくあなたの道はずっと続くよ


今までに出会った人をふりかえるありがとうしか言えないけれど


本当に削除しますか?大切な記憶も全て戻りませんよ


エビ泳ぐ鮮魚コーナー脇見して照明に目をやられてしまう


星になり遠いあなたを見つめてるちゃんと幸せ感じていてね


そういえば地元にあったケーキ屋のシュークリームは美味しかったな


四千の長い時間の少ししか知らないけれどおめでとうです


いつまでも支えてくれる君のこと忘れるまでは隣に居てね


ありがとう今もあなたを思い出すもし逢えるなら春の咲く場で


まだ寒い日陰に入り一休み零れ落ちるは光と涙


春らしいやわらかい風そっと吹く短くなった髪を浮かして


暗闇に溺れてもがき苦しんで先の見えない時間が続く


白色のワンピース着た君は飛ぶ落ちた麦わら帽子は今も


雨に濡れ相合い傘をする人を軽く呪って滑って転ぶ


あの頃の友は元気で居るのかな親友なんて脆い関係


人生の分かれ道から進めずに迷ってばかりいる毎日で


届かない祈りは無駄になるのかな手のひら合わせ目をそっと閉じ


ハーモニカ綺麗な音色奏でゆく君を真似てもうまくできない


絞り出すかすかな声をちゃんと聞き優しく笑うあなたのように


雨の降る静かな部屋に響くのは今にも消えるオルゴールの音


君が居た時間は夢のようだけどノンフィクションであった毎日


雨の降る春の空気が好きなんだ少し冷たくやさしい感じ


別荘のドアを開けるとお互いの悲鳴が響く夏のお昼間


ひと目見て心臓破裂しそうだし話せた日には頭が茹だる


寝れなくて時計の針が進む音ばかり聞こえる雨の降る夜


鮮やかな羽を広げる孔雀見て虜になった幼き頃は


いつまでも吊るしたままの制服に目を背けてる大人になった


図書館にいつもいる子の姿見ていつも読まない本を手に取る


あのときと変わらぬ波の音聞いて大丈夫だよ青空に言う


ため息を思わずこぼし俯いてどんどん冷めていくポタージュと


薄暗い水族館の雰囲気が心地が良くてなんだか好きで


どこへでも行ける気がした春の日に別れも告げず電車に乗った


休暇取りどこか遠くへ行きたくてそれでも今日も社畜の日々を


野を走り倒れ込んでも笑ってて君と最後に見られた夕日


木のように地に根を張って強く立つそういう人になりたかったな


ゴミ箱にどんどんたまるティッシュたち花粉が憎い春の始まり


裏切ったそう思うけど本当は自分が君を捨ててしまった


夜明けには姿はなくて無機質な灯りが部屋に入ってくるの


しょうがない出会いがあれば別れるし二度と会わない君に手を振る


距離感が縮まることはないけれど遠くから見て微笑んでいる


赤ペンが羨ましいと思ってた今は人生バツをつけられ


生きていてあなたはどうかこれからも幸せな日々送っていてね


黄砂飛ぶ外に出たくはありませんネット見ながら引きこもります


君の背を追う勇気さえない僕はいつまでも手を振っていたんだ


叶わない片思いでもいいからさまだ君のこと好きでいたいの


あの空を自由に飛んでみたいから君とはここでさよならをする


君に会い、話して、笑う想像をしただけなのに泣いてる私


縁側に座って空を眺めゆく風鈴の音を肌に感じて


枝垂れ梅満開になり春が来たそう思わせるぽかぽか陽気


食パンにたっぷり載せたいちごジャム小さき頃を思い出す朝


寂しげに風鈴の鳴る縁側にあなたの居ない夏が居座る


桜咲く夜のベンチで手を繋ぎ甘い口づけ交わしたあの日


離れても想いはずっと一緒だよ指切りをして契りを交わす


紅葉が進むにつれて赤色に染まるは君の頬みたいだね


桜散る夜の静かな道歩きやわらかな風涙を誘う


君となら泡になってもいいかもなそう思わせることに成功


シャボン玉屋根まで飛んだことはなく儚く消えて記憶も消して


すやすやと寝息を立てる君を撫で「おやすみ、またね」月へと帰る


相談をできたら楽になるのかな迷惑かけるそれは嫌だし


電球が切れて辺りは真っ暗にろうそくだけの灯りが眩し


この夜が明けないこと願ってもまた新しい明日が来るの


雨の日の階段滑り尻もちをついたからにはいいこと起これ


手を取って歩きだしても不安だけどうも拭えずでも止まれずに


会えるわけないことくらい知っているでも期待だけするのは寂し


君宛てに書いた手紙を引き出しにしまい込んでも想いが溢れ


香水の甘い匂いは苦手でも君の匂いは良すぎて困る


北風に帽子飛ばされしゃがみこむ橋の下にはどうも行けない


諦めた夢を拾ってもう一度自分信じてみようと思う


桜降る青空の下寝転んで流れる時をそっと見つめて


花芽吹き春の訪れ感じる日前を向いたら一歩踏み出す


夜桜を見上げて飲んだ酒の味なぜか忘れることができない


仲いいね。そう言われても笑うしかできない僕は友達以下で


改札を抜けたからには振り返ることはできない涙は見せず


透明な空になる頃どこからかあなたの声が聞こえてきたの


やわらかい空気の中に咲いている桜を見上げ涙を隠す


ベランダでたばこを吹かす君の背は強がることが大人だと云う


クラス替え期待と不安入り混じり桜の色を一滴足した


からっぽになった部屋には捨てられぬ思い出がまだ残されている


覚えてる?あの日出会ったときのこと君の冷たい手を取りながら


カエル鳴く一本道を歩く夜雨が静かに降っては泣いて


冬に見た蕾は固く閉じていて今はもうすぐ開くらしくて


ワンピースゆらす姿を攫いゆく花吹雪すら思い出奪う


ランドセル背負う子たちの目に映る景色はきっと宝石箱ね


菜の花の香りが部屋に迷い込み春の訪れ感じる日差し


またいつか遠い未来で会えるならキセキを信じ一歩踏み出す


花びらは川へと落ちて流される命が光るその先の日に


君と見たいつもの道が絶景に瞳に映る夕焼けの空


お風呂場の窓に差す日が宝石のように光ったお昼の時間


あの頃の宝箱には意味もなく集めて入れたスーパーボール


最終話近付く度に泣いている歳を重ねたせいにしておく


うぐいすの声が聞こえる昼下がり上手に鳴けたときはうれしい


「綺麗だね」そう言うけれど満開が過ぎたら見向きしないんでしょう


桜咲く道を歩いて振り返ることもたまにはしてもいいかな


スカートがふわりと舞った春の道笑顔が光るほうへ走った


水蒸気辺り一面びしょびしょに濡らす姿は自分と同じ


行けたらいくみたいに死ねたら死ぬと言うあなたの跡を追っている


雨の降る夜の冷たさ触れながらなにもかも捨て走り出してる


桜より酒に夢中な君を見て負けじと呑んで潰れてしまう


水面に映る青空かき混ぜて夜空に変えた昔の話


雨に濡れただひたすらに歩く夜人魚は泡に自分は空に


どうしても選択肢には入れないあなたが選ぶ人になれない


幸せに君はなりなよなってよね私を捨てたくらいなんだし


青空は醜いほどに鮮やかで垂直落下する私すら


早咲きの向日葵みたいだと思い君の写真を裏に返した


神様へ解決できぬ恋心抱いたのには何の理由が


寝る前に浮かべた君の笑顔すら涙で歪む記憶の欠片


雨の音飽きずに聞いた夜の日は寂しさ溢れ寝付けなくなる


声よりもあなたに会えるほうがいい泡になってもそれでもいいの


雨の降る夜の桜ははらはらと散っては傘を彩り朽ちる


ゆるやかに過ごせる日々が続いても桃源郷に住みたくはない


寒戻るようにあなたも戻ってよ手の届かないところになんて


新しい出会いは少し緊張な入学式の写真は真顔


もう誰も見向きもしない人になり雨に濡れても朽ちていっても


手紙には「あの子は死んだ」綴られてあなたと君は同じで違う


少しずつ感謝ができるようになり出会った人に謝罪を伝え


あの頃の長い髪から変わらない君の記憶に私は居ない


首元に触れた冷たいラムネ瓶無数の泡に青空映る


夜明け前君の寝顔にキスをした頬を伝った涙を拭い


世界から僕が消えても気付かないだから身軽にどこでも行ける


比べては焦燥感が増すばかり雑踏の中独り残され


来世でもあなたに出会い好きになる風鈴の音が響く月夜に


死ぬまでに北海道に一人旅したいと思い会社をやめた


出かけると桜が咲いたことを知り家には春も来てはくれない


サイリウム夜空のように光りゆく願いはそこに届くのかなと


光らせて想いを届けようとするあなたにファンサしてもいいのよ


楽しいね 楽しかったね 言えるなら汗も涙も無駄にはならず


ステッキに願いを込めて唱えても魔法少女になれやしなくて


微笑んで桜と散った大切な君は姿を見せることなく


三日月の夜になったら君のこと空から探し手を振るからね


深まって行くにつれては泣いていて仏も神も救ってくれず


まだ隣空いたままだよ気が向けばいつでも来てよ待っているから


同じ世に居るはずなのに結ばれぬ想いはいつか届くでしょうか


あなたには感謝ばかりが募るんだ生かしてくれてありがとうだよ


毒入りの林檎を食べたお姫様散った命は綺麗に片し


約束を破った僕は君のこと知らない場所で殺めてしまう


許されぬ口づけだって夢の中なら誰にでも邪魔はされない


物語続きは君が書いてみてきっと素敵なものになるから


暗い夜想いが響くこころにはあなたがくれた思い出ばかり


少しずつ君も私も変わるから寂しいけれどお別れなんだ


種を蒔きあなたの好きな花が咲くいつでもおいで待っているから


本棚で眠ったままの本を手に取って埃をやさしく拭う


チクチクと心を縫っていくけれどすぐに開いた穴は広がる


ひと目見て鼓動が早くなっていく真っ直ぐな目で桜見る君


大丈夫奇跡はきっと起きるからきっとあなたとまた会えるから


夏の夜窓から風が吹き込んで読むはずだった本が捲れる


簡単なこともできない自分にはなにが残っているのだと言う


春の夜花びらの舞う公園でお酒を口にしてはため息


後悔をしない生き方なんてなく絶望しては光が消える


ボロボロになった羽でも君のためならどこへでも飛んでみせるの


逃げようとしてもいいけどこの命君だけのものではないんだよ


木炭と心は燃えて尽きていく死んだ目をして灰を処理する


一年の流れは早く追いつけぬまだスタートもできてないのに


アフリカにちょっと旅しに行ってくるそう出て行った彼を忘れた


こんな子も過去に居たってたまにでもいいからいつか思い出してよ


2025年3月計241首

2025年計626首


自選短歌月3首

この恋は心の底に閉じ込めていつも通りに笑えてるかな

ベランダでたばこを吹かす君の背は強がることが大人だと云う

行けたらいくみたいに死ねたら死ぬと言うあなたの跡を追っている

こんにちは、雨宮雨霧です。

春ですね。春ですよ。はい。

春は寂しいので少し苦手です。でも好きです。でも嫌いでもあります。

あの人と一緒にお花見をしたいな、とか思います。叶わない願いです。

読んでいただきありがとうございました。

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