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雨歌  作者: 雨宮雨霧
2025年

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12/12

2025年12月短歌まとめ

2025年12月短歌まとめです。


筆を取り綴る言葉を紡いでは窓から見える星を繋いで


友達と戯れ歌う青春は散った桜のようになびいて


公園の蕾は開き目の端に映る椿の姿は胸を


灯火の潰える時をただ見つめいずれは終わる命を知った


叶わない恋を叶えた物語たとえあなたの目に触れずとも


凍りつく寒さのなかに風鈴の音色は響き失くした心


悲しみを隠す心にふと灯るろうそくの火は寒さにゆれて


剣を抜き愛する人の前に立つ二人で落ちる地獄の隙間


くもの巣にきらりと光る雨粒を拾えるならば明日は晴れる


微笑みを絶やさずそこに居てくれる君が背負った重荷は見えず


届くならどれほど軽くなったのか伝書鳩にも分からぬ命


懐かしむように流した波の音どうにもならぬ冷えた指先


どれだけの傷をその身に付け加え生きていったらいいと言うのか


何年も生かしてくれた君のこと憎くて好きでもう会えなくて


限界を試すサウナの密室で強き者など存在せぬと


カッターを手に取る深夜いつ楽になれて輝く星になれるの


この恋を化学で解けてしまえれば絡まる糸もほどけてくれる


頬伝う涙を拭い指先の冷たさ残る雪の降る日に


一年の時が過ぎ去るカレンダー居なくなっても残る思い出


寒風の吹く六畳の部屋に座し記憶にふける涙は熱く


諦めた夢は夜空の星屑になって照らしたまだ続く道


階段の上から望む地平線先も見えない未来を抱え


港から響く汽笛を聞きながら本のページを開く夕方


溶けていくチーズを纏う野菜たち湯気のベールとともに盛られて


結露する窓に差し込む月明かり希望を持たすその小さな手


おはようと言えるよろこび凍りつく窓に広がる青空の海


もし僕が宇宙人だと言ったらさ君は笑って殺めてほしい


この海に沈んで消えてしまえれば心に積もる毒も泡へと


水面を照らす日差しはやわらかく涙とともに沈む宝石


麦わらの帽子を被るあの少女無邪気に振った手は陽に透けて


老体にムチを打っては寒空を飛んで希望を届けるサンタ


びっしりと書かれた文字の隙間から生きたいと泣く貴方が見える


風の吹く枯葉は雪のように舞い頭を打って道路を走る


簡単に生きていけたら好きになることもなかった言葉も消えた


憎しみと妬みに震え泣く夜は普通になれぬ自分が隣


外側の生き方でしか生きられぬこともあるんだ君は君でさ


見つかれば終わると知ったかくれんぼ人は命を狙って進む


ゆっくりと進む小さな足跡は雪に隠れた花をみつける


録音に耳を傾けこの世にはもうこの声をもつ者居らず


朝焼けの滲むガラスの向こう側タオルは風と戯れ遊ぶ


何回も重ねた嘘のなかにある想いはどこに紛れて消えて


気付きたくなかった人が一人では生きられないと死ねもしないと


海底に沈む心は泡沫となって月夜の映る水面へ


授業中あの子のほうへよそ見する花瓶の花は萎れたままで


生き方を変えたあなたはオーパーツ誇ることなく離れる背中


あの長い髪は遠くの過去になりあの子の日々はまるで泡沫


呪われているかのように君は云うあなただけでも明日を生きて


ベランダに出て目に入る十六夜はまるで音色を帯びているよう


面影もあどけなさすら剥ぎ落とし孤独に満ちた狼の目を


切っ先を当てる君との赤い糸背中を向けて別れを告げる


えんぴつを転がし決める空白の解答欄を教師は覗く


ジャムを塗る手先は赤くひび割れてそれでも母の笑みは絶えずに


あったかいコーンスープを口にする夜道を駆ける枯葉とともに


針を刺し通り抜けてはまた刺され見惚れるほどの白い指先


この月を何処かで君も見守っているのだろうかかざす手のひら


傷つけて裏切ったのはこの僕で結局悪は僕ひとりだけ


雪は降りおぼろげになる枝々の輪郭なぞる茶色の瞳


持ち寄ったおかしを広げゲームする烏も帰る冬の夕方


どこからか伸びるクレーンを車窓から眺め流れる雲と時間と


進歩なく迎える年の暮にふとため息をつく街灯の下


入口をくぐり最初に出迎えてくれたピンクの翼を目にし


死にたいと蹲る夜もう誰もいないし君も隣にいない


寒空の下を歩いて手にとった落ち葉は枯れて命を終える


十六夜の光の照らす君の頬息を間近に感じる指は


夕暮れの色に染まったブランコは子を見送ってひとりでゆれる


物置きと化した机の引き出しに仕舞う手紙の端切れの文


自販機のそばで舞いゆく枯葉たち百円玉の吹き返す息


背表紙を揃え一息つく頃に隙間から落つ葉書をめくる


君はもう思い出してもくれなくて雪を踏みしめ仰ぐ星々


どうせなら死ねと言われてしまいたい期待に満ちた言葉を潰し


幻に腕を引かれて雨の降る海に溺れてしまった命


かじかんだ手をあたためてくれる人ふと振り返るこの下り坂


人生の終わりを知らせ閉めた戸は勝手に開き花束を置く


苦しみを抱えて生きる人生の強さを学ぶ冬の冷たさ


話したいことはあるのにうなずいてばかりでずっと俯いている


届かない想いを詰めた一瓶は底で眠りについて百年


あの日々の記憶と生きていけるなら孤独にみえる人生でいい


溶けていく砂糖を混ぜる昼下がり窓を叩いた枯葉は落ちて


星々の中から君を見つけ出す涙は冬の風に拭われ


やわらかい髪を結わえて思うこと君が不死身になってくれたら


極稀に会った双子の姉妹たち帰りのバスで彼らを想う


立ち消えた灯火の前立ち竦み握る拳に滲む悔しさ


泡沫となってはじける思い出があなたのなかで生きてくれれば


年末に余裕とかいうものはなく床に散らばる見えない言葉


一瞬の迷いで落ちる崖の底かもめは空を自由に舞って


でも君の幸せだけを願ってる私の居ない世界に慣れて


だしぬけに雨の降り出す冬の夜飛び出すねこを追うこともせず


仕舞われた下書きを手に取る夜の冷たさはもう過去へと変わる


切り傷の覆う指先さすっては作り笑いを浮かべて消える


死にたいと言わなくなった母の背を追うだけ追って追い越していく


いつか来る別れを見据えくらました姿は春の向こうにゆれる


指を折り計算をする愛しい子寂しくもある成長記録


先生のおかげで生きているんです言葉を紡ぐことも忘れて


無意識のうちに儀式のようになる元気かどうか雨空に問い


雲海を眺める君の手を握り二人で泳ぐ夢の狭間へ


まだ生きているつもりとかありはせず早くはやくと死神は云う


どうせなら生かしてくれた君の手で殺めてほしい肩を濡らして


甘えなら障害なんてないのならどれほどいいか普通を求む


手を繋ぎ別れを惜しむ冬の夜また来ると云うあなたの笑顔


反芻を繰り返す夜結露した窓に差し込む星々の灯に


陽に透けるような心にぴったりとはまるかたちは君の言葉で


喜びに混じる涙を拭う手はあの頃よりも人生がある


抱きしめる力は強く肩の荷を増やしていった幾重の星に


すれ違うなんて思っていなかった桜のなびく春の悪戯


傾いた日を背に隠しアルバムを開いてなでる褪せぬおもいで


冷え切った心に伝う一筋のココアは甘く苦さも忘れ


信号の待ち時間すらもどかしくちらりと見ては伏せるその顔


食べなくていいと怒鳴った母の顔スプーンに映るその泣き顔は


どの部屋を探して何度名を呼んでそれでもいない写真の中の


結露する窓に書かれた散文は月に照らされ浮かびし夢と


生きているだけで苦しい踏みつけた雨の冷たさ傘も差さずに


もういっそ見放されれば楽なのに髪をなびかす冬の海風


貫いた意志は傷つき明日すら考えられぬ闇の向こうに


馬に乗り疾走しだす兄の目は希望に満ちた騎士のようで


雨の降る夜の海へと走り出す綺麗に靴を揃えた海辺


窓を開け息を吸い込む雨上がり星空はもう涙も忘れ


離された手と手は二度と結ばれずそれでも想う満月の夜


この糸が切れたとしても叶わない願いはどこに行くというのか


もういいよ私のことは忘れてもただ幸せを願ってるだけ


生きてとか何の正義でそう云っているのか今の僕にはわかる


夜風吹くベランダに出て酒瓶を片手に月を見上げる冬の


色づいた山を横目に干す布は風に吹かれるたびに夢へと


今までの生かしてくれた合計値気付けば百を越えた蝋燭


洗濯をしながらさする切れた手に舞い落ちてくる雪の結晶


生きてとも言わない君の優しさに気付くこの日の月が眩しい


結露したままの窓には恋文が残され朝の日差しは照らす


皿に盛ることすらなぜか面倒でなにを食べても孤独の味に


張り付いたページのように離れる手最後に傷を負わせるだけの


漂って生きる小瓶は夢の中いつか銀河の海を渡って


どうせなら生きた化石になりたいと願う文には涙の跡を


茶葉を入れ煮出す時間の優雅さと真逆に走る特急列車


逢いたいと願って幾つ年は過ぎ覆って隠す切れた指先


いつかまた肩を並べて笑えたら希望を胸の奥に沈める


囚われて生きる姿は骸より醜く廃れその目は黒く


あの星にもしも願いが届くなら一光年の先のあなたへ


校庭を眺めて過ごす昼休み冬の日差しを浴びて駄弁って


口癖を覚えています死にたいと呪いのように呟く君を


遠距離といえるくらいに届かない想いは雨の降る海の中


愛してよ思い出してよ忘れてもいいよ雨降るバス停に立つ


振り向いてくれたあなたの驚きを隠せぬ顔は記憶の中に


すれ違いふと振り返るきみの目に映る私の色を知りたい


うんざりだ云われてしまうこの夜を恨んでいるは自分自身で


蘇る想いを胸に抱いたまま静かに沈む月夜の下で


自販機の明かりのゆれるすぐそばでスープ片手に手を振るあなた


矛盾して噛み合うこともない言葉止まったままの歯車は云う


死ぬなとかそんな綺麗な言の葉も枯れた桜のように哀しい


一筋の灯りとなった蝋燭の命ももはやその掌中に


寒風に吹かれる雲を仰ぐ朝無邪気な声がかかるときまで


ときめいただけじゃなかった今もまだ月明かり差す窓に焦がれて


髪いじる白い手先が目印と待ち合わせにはいつもの笑顔


眠れない私の頬を撫でながら瞬く星の如き歌声


子どもでも大人でもないクリスマス夢も希望もどこかに捨てた


ふと君にかけた電話は繋がらず聖なる夜に途切れた軌跡


特別と想ってくれる優し人来世はきっと孔雀になって


夢描き笑みの絶えない子を撫でて過ごすイブには涙をひとつ


溶け残る氷みたいに孤立して聖なる夜の空は雨色


火のゆれるそばでゆっくり編む糸は祈りとともに夢へと誘う


雨の降る夜に運んだ夢たちが蕾になると信じて空を


夢を開け笑顔をこぼす純粋な心に触れた雨降る朝に


幸せを自分で拾うクリスマスツリーの下に落ちたビー玉


もう少しだけ見ていたいこの夢を闇に潰える瞬間を目に


マフラーを結び見送る君の背がいつかしぼんでいっても隣


透き通るグラスにゆれるソーダ水窓越しに見る朝顔の群れ


青空の下で溶けるは雪だるま命を終えるその寂しさを


妖精のようにリンクを滑りゆく姿を焼いたこの目の奥に


今年こそ思って生きてきたけれど逢えるその日は年を持ち越す


猫を撫で進む時計の針は云う夢を見たって仕方がないと


あなたなら救ってくれる波の打つ砂浜ひとり手首をさする


雪道に残る小さな足跡に続く子犬の肉球を追う


ためらいのなかに滲んだ夕焼けは小さくなっていく背中へと


弾丸のように身体を突き抜けていくその涙悔いを残して


詰め込んだ箱の連なる玄関はまるで籠城する気分へと


吸い込んだ冬の空気は肺にしみあの星すらも寒さに震え


指先が掴むいちごは口の中へと溶け込んで心を焦がす


一筋の光差し込む曇り空覆い隠した夢物語


屋上に寝転び冬のぬくもりを浴びて翼を広げるように


何年も止まったままの砂時計夢も忘れて光も闇に


日の落ちた教室ひとり窓辺へと思いを焦がす冬の哀しみ


大人へと近付くたびに蝋燭はゆれて閉ざした心を照らす


旋律を奏でる君のそばに座し目を閉じ夢の中のひつじと


今は亡き人の名前をなぞる夜空の向こうに光る星々


誰よりも優しく笑うあの人の幸せ願う年の瀬の朝


薄闇の窓際に立ち見渡した部屋に残るは一枚の葉と


新雪を踏みしめる朝もう二度と帰ってこない姿を待って


飲み会の帰りに仰ぐあの月はぼやけても尚笑みを絶やさず


死にたいを濁し言葉を紡ぎつつ含むものには目もくれぬ人


裏庭で摘んだいちごのような味指を絡めてつけた唇


思い出に目すら通さずゴミ箱へ葬られるはまるで蝋燭


空想に変わる真実書き換えてばかりの道は人生じゃない


俯せたまま動かぬ君の背をなでる涙が海に変わるときまで


着信に気付かないまま夜は明けスマホに残る最期の言葉


寒風の残る階段息切らせ展望台に望む言葉は


飴玉を握らせてやる小さな手無邪気な笑みが失われる日


マネーなしそれでも愛は無限大それより金と寒風を浴び


晴れ渡る空に残った一筋の飛行機雲の道を行く春


募りゆく恨みが空に届くまで見上げたままの幾つもの星


何年も経って見つかる言の葉を拾う指先あかぎれのまま


結露する窓に置かれた指先は軌跡を辿る言葉を描く


切り取って残された文これからも言葉は生きて紡がれていく


道端に小さな花が顔を出す寒風の吹く日向の下で


年末を思う日差しの差し込むは果てしなささえ高速道路


安心を求めるように縋りつく子猫をなでる年の瀬の夜


結露すらきらめきにする星月夜明日も少し幸せならば


地下鉄の車窓に映る寝顔すら愛しく繋ぐ君の手のひら


牛乳をこぼしたように白い空窓から望む寂れた団地


生き延びてしまった今日を思い出すこともできずに終える一年


真夜中に大詰めになる大掃除埃を雪と見間違うほど


大詰めのおせち作りに精を出す紅白なますの鮮やかな色


一年の最後を飾る除夜の鐘耳を澄ませるひとりの居間は


また生きて過ぎる一年君のせい君のおかげで君と居たくて


ありがとう生かしてくれて夢の中笑って肩を並べる暮に


革靴の光る足元喧嘩した次の日なのに甘えてばかり


街灯に吸い寄せられる虫たちのように光を待っている海


2025年12月計220首

2025年計2248首


自選短歌月

夕暮れの色に染まったブランコは子を見送ってひとりでゆれる

雲海を眺める君の手を握り二人で泳ぐ夢の狭間へ

結露する窓に書かれた散文は月に照らされ浮かびし夢と

茶葉を入れ煮出す時間の優雅さと真逆に走る特急列車

死ぬなとかそんな綺麗な言の葉も枯れた桜のように哀しい


2025年自選短歌

本当に削除しますか?大切な記憶も全て戻りませんよ

虹の橋歩き見下ろす残虐な世界に揺れるブランコの板

クリオネの漂う夢のような時映す瞳は自由を求め

首筋を吹き抜けていく夏の風額を伝う汗を見捨てて

調律を終えたピアノは雨音に混じり音色を奏でて踊る

こんにちは、雨宮雨霧です。

今年ももう終わり……。時の流れは早いものです。

短歌もたくさん詠めたかな、と思います。質より量か量より質か。どちらも均等になりたい。

今年の合計は2248首になりました。去年まで片手で数えられるくらいだったのが信じられないくらい。

未発表作、まとめに入っていない既発表作を含めると2500首超え……。がんばった。

来年は雨宮の原点の俳句と川柳まとめも投稿できたらいいな、と思います。

それでは、良いお年をお迎えください。

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