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ep2
街中を堂々と進むと目立つので、裏路地から魔術師協会に向かう。
裏路地には暴力と酒の匂いしかしない。
クズどもが獲物を狙う捕食者の目をしてこちらを見ている。
「俺を害せばお前もただでは置かない。」
俺が暗に伝えると奴らは俺に興味を失う。
いつものやり取りだ。
そのうちに魔術師の権威を表す鷲のマークが見えてきた。魔術師協会だ。
ロビーから入って端に進む。
「買取で」
いつもの受付のジジイに手を出す。
ジジイは実験生物を見るような目で俺を見る。
「刺すぞ」
ジジイは俺の手首に注射を刺し、採血する。
すると、魂の一部が抜けるような脱力感を感じた。
ジジイが抜いた血を観察し、いくらかの銅貨を置いた。
「5枚だ」
「どうも」
受け取った銅貨をぼろぼろのポケットに入れて協会を出た。