カノジョ(仮)11
人類が人型兵器で戦争をするようになって半世紀。
「わっ!本物だ‼」
進学か就職か迷っていた高校生ナナミ君は、地球合同軍の基地に見学に行ったとき、月面方面軍の人型兵器の襲撃にあった。
「アレはオルガス・タイプ。通称ムス」
学校にリクルートに来た女性兵士マルチナさんと、ともに実験機Xに乗り込んだ。
「あなた!胸さわんないで、操縦してみなさい‼」
偶然か必然かナナミは、Xシステムに適応して、スコルピオンXを大地に立たせた。
そこから伝説が始まった・・・
2年後。
ヒロイン交代でパートナーになったミナミというマルチナより女性らしい体つきの女性パイロットが軍の広告塔になってアイドル活動なんか始めたので、さびしいナナミ君は、
「プラモでも作ろう」
宇宙用兼空母カーマストラー内の売店に向かったが、
「あっ!いつのまにか立派なホビーショップになってる。ミナミちゃんのフィギュアが売ってる。水着バージョンばっかり。買うか。作れなさそう。いや、人型兵器プラ買いに来たんだ」
キャラクター・モデルのコーナーに行くと、
「棚に物がない!いや、下の段の隅に、006の箱が二つ。ボク、量産機に乗ったことないから思い入れない」
お店の人に聞きに行くと、
「人型兵器プラ、大人の事情で、品薄でね。きみ、いや、あなたはナナミー(最近みんな語尾をのばすようになった)少尉!カノジョのミナミちゃん少尉の愛機GXの限定クリアバージョンの予約始まってますよ。早く注文しないと、予約完売しますから」
「予約完売、って何?」
(おわり)