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軍縮 

忖度と保身の結果は

 日本の自主軍縮であるが、陸軍と海軍、共に苦労している。

 陸軍は支那戦線の作戦失敗で、さらに大量の士官が左遷された。戦力も支那戦線投入戦力は動員解除。朝鮮配備師団も独立後解散。満州は防衛上、減数は問題有りとされ減らされない。満州国陸軍の能力向上と共に減らす予定とされた。

 書類上では各種師団合計50個まで減らすとなった。

 もっと減らせないかという意見には、歩兵師団を減らしたが、戦闘力を上げるために砲兵・戦車・飛行を増やしたので、この数に留まった。と説明。本土防衛だけなら各種25個師団でなんとかなりそうだが、満州が有る限りこの数は減らせないと。

 だが、予算的に50個師団の維持は無理となった。

 ではどうするか。

 議論の結果、人員や機材配置の再編を伴う大きな変更をするとなる。

歩兵師団  25個  師団兵員数1万2千人

砲兵師団   4個  師団人員数8千人

戦車師団   4個  師団人員数5千人

飛行師団   5個  師団人員数5千人

工兵師団   3個  師団人員数1万2千人

補給師団   3個  師団人員数1万2千人

他補助部隊+陸軍省など    人員数3万人

計 47万9千人

 砲兵師団は、従来師団からの抽出で、戦時には分散配備されるとしている。

 戦車師団・工兵師団も従来師団から抽出され、強化が必要なのと便利使いされないように再編された。

 補給師団は、抽出され輜重部隊の名称変更と便利使いされないように再編された。

 飛行師団は、更なる航空戦力強化に必要と大幅に拡充される。

 この案は、あくまでも再編のためであり、実戦となれば変更も有り得るとしていた。

 しかし、これでも大きすぎるとして、更なる小型化を求められた。

 予算が無いのである。中華民国への賠償と支那事変国債の償還もしなければならない。軍事費が一番の問題だった。軍事費増大の原因である陸軍が一番減らされるのは、道理でもあった。

 半島への出費も2年後には無くなる予定だし、なんとか予算のやりくりは出来るようだ。


最終案は

歩兵師団  20個  師団兵員数1万2千人

砲兵師団   3個  師団人員数6千人

戦車師団   3個  師団人員数6千人

飛行師団   5個  師団人員数4千人

工兵師団   2個  師団人員数1万5千人

補給師団   2個  師団人員数1万5千人

他補助部隊+陸軍省など  人員数2万6千人

計 38万2千人

 9個師団減と9万7千人の減少となり、了承された。

 歩兵師団は、関東軍改め満州派遣部隊と台湾・朝鮮半島派遣部隊が有り、駐留部隊の数を減らしても人員ローテーションが大変になる。本土にいるのは、練成部隊と少数の常置部隊だけになりそうだ。

 砲兵師団・工兵師団・補給師団は機械化を進め、少ない人員でも無理なく仕事が回せるようにする予定。

 飛行師団も人員を減らされたが、搭乗員の数は減らさないとされた。

 後方要員が十分に確保されているために、いざという時の展開は早いだろうと言う見通しもある。

 陸軍省や参謀本部も縮小の対象になっているのは言うまでもない。

 満州派遣部隊には歩兵以外も常時各種部隊合計2個師団を張り付けるので、人員のやりくりが。

 人員削減の代わりに、機械化と装備の近代化を進め実質戦闘力を上げるようにする。

 開発研究部門の縮小は無いとされた。



 海軍で一番の問題は建造中の戦艦2隻だった。大和は進水して艤装を始めたばかり。武蔵も進水まで1年となっていた。大和の後に同じドックで工事を始めようとしていた111号艦は、起工前に中止となった。既に工事が開始されていた信濃もキールが座ったばかりの所で建造が停止されていた。そして工事中止解体となった。大和と武蔵であるが、名目上金剛級代替として建造されている。2隻廃艦にするしかない。それでないと軍縮とは言えない。しかし、古いとは言え金剛級高速戦艦の価値は高い。防御力は弱いが高速で機動部隊に随伴できる戦艦が金剛級しかない。

 扶桑・山城の廃艦が決まった。しかし、同数では軍縮とは言えないとの意見は当然出た。もう2隻を廃艦とすることになった。練習艦では戻せるので、軍縮と見られないだろう。だから廃艦に。2隻をどうするかで議論があった。伊勢・日向を残し金剛級2隻を廃艦にするか、金剛級4隻を残し、伊勢・日向を廃艦にするかだ。

 結論は伊勢・日向を残すとなった。金剛級4隻のうち程度の悪い艦を2隻廃艦するとなった。高速の二航戦と就役間近の翔鶴・瑞鶴の五航戦で構成される機動艦隊に金剛級2隻を当て、赤城・加賀の一航戦には伊勢級か長門級を充てるとなった。


 大和・武蔵の建造で、国会に虚偽の報告をして騙し予算を獲得した責任を誰が取るのかも問題となった。大問題である。110号艦と111号艦も同じ経緯だった。当然問題とされた。

 当時の海軍大臣や数名の将官を含む士官が詰め腹を切らされた。軍籍剥奪の上、刑事罰に問われる。現役では、海軍大臣と軍令部総長が引責辞任と予備役編入。軍令部総長は当時も現在も殿下である。陸軍に次いで海軍もとなると、皇族の方々に重責有る地位に就いていただくのはどうか?という議論も出始める。

 海軍では他にも、支那戦線や上海辺りに派遣している旧式艦や予備艦もほとんどを廃艦とした。もう用は無い訳だし、廃艦しても良いだろうという考えだった。その予算で他を整備できるのだ。予算を減らされても、かなり余りそうだという計算はあった。


 士官・下士官が大幅に余ってしまった陸軍海軍は、配置に苦慮するようになる。兵隊なら徴兵数を絞ればすぐに減るが、士官・下士官は減らすと回復に時間が掛かる。

 師団長中将・師団参謀長少将と言う、笑えない配置さえも出てきた。

 海軍も艦長職が減り、地上勤務が増えた。海軍では、能力低下を防ぐために頻繁な配置転換を行うこととなる。




連合艦隊司令長官は、運がいいことに海軍次官になったのが海軍内部で提出予算が決まった後だった。

日時的に訂正する余裕は無かったとされた。

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