時間移動
無事ダストテンダーの入り口前にきたが、看板が古いせいで、本当にお店をあけているのか不安になる。
しかし、扉を開けると昨日のイケメン店員がカウンターにいてくれた。
ダッとかけよると、
「聞いて下さい。お願いします」
と言った。
そのあと今日あったおかしな出来事を何故かこの店員にすべて話していた。
もちろん、おかしいやつと笑われるのを覚悟した。
すると、
「来ると思っていた。本来の使い方を知らないままデバイスを持っているからね」
怒りよりも先に、数多くの疑問があり、とりあえずぶつけてしまう。
「日付が変わってしまったのはわかりました」
「わかったけど、ありえるんですか」
「時間移動とか、ありえるんですか?」
「時計を拾ってから、少し経ってるけど、おかしいのはこの店にきてからです。本来の使い方って何ですか?」
ようやくため息をつきながら返事を待つ。
「ごめんね。でも、教えていても信じようとはしないだろうと思って、高機能な時計という説明だけしたんだよ。それ、というか、それらデバイス本来の使い方は時間移動なんだ」
「そのデバイスは、ダストタイム社製の正式名称には、all move device、という名称だ。ダストタイム社が開発し、運営を担うことになり、現代に店を構えるときには、ダストという名称をつかわないといけない」
「代わりに、基本的整備の備品は企業から届くから店を構えやすい」
「腕時計は形でしかないけど、基本的な機能はスマホと、一緒なナノデバイスであるから、金属コーデされて売り出される。もっと小さいサイズのものは企業専売だから扱えない」
「つまり、どういうことなのですか?」
「時計に組まれた微小な機械により、ソーラーと金属エネルギーを使って音楽をきくように、時間移動を可能とする機能をもつデバイスということ。それをきみが拾い、ここに修理に持ってきた、ということかな」
頭がくらくらしてきた。
「じゃ、お兄さんは未来人ですか?」
未来人なのか、という問いにこう答えが返ってきた。
「未来からきてはいるけど、そう遠くないよ。ザックリとで、三十三年くらい未来」
「もっとゆっくり話しききたいなら、店の裏にでもくるかい? 今日はもう閉店にしよう」