妖精がいるよ
「おはよう」
妖精ウサギがいう。
「おはよう」
とわたしは答える。
「おはよう。メグ、今日は何してようか」
妖精帽子はいう。
「歌でも歌おうかなぁ」
わたしはいう。
「どういう歌がいい?」
「輪唱とか好きなんだけどわかるかな」
「どういう歌かなぁ」
「カエルの歌とか、あるんだけど」
「カエルの歌が」
「がぁ」
「聴こえてくるよ」
「くるよ」
「みたいなやつ」
妖精帽子はうなっている。
「あとは、いま流行りの歌かなぁ」
わたしはいう。
「わたしの流行りのは、震電とか、紅華とか、ほほえみは風とかかなぁ」
「ストリーミングは動かないかもだけど、CDならかかるから、買ってくる」
「いまこの瞬間に流行ってるのだと、ついていけないかもなぁ」
「うーん」
妖精帽子が悩む。
「うーん」
妖精ウサギが悩む。
「とりあえず、カエルの歌を教えてもらって歌おうかな」
妖精ウサギがいう。
「あとは、ウサギとカメの歌とか」
わたしは覚えてるなかで歌えそうなのをいう。
「そんなのあるの」
妖精ウサギがきく。
「たしか、あったよ。でも替え歌だったかなぁ」
「でもCDではないかも」
わたしがいうと
「じゃ、歌ったのと教えてくれたのは探してみるよ」
妖精帽子がいう。
意外に親切だ。
「わかった。お願いね」
「わかった」
妖精帽子がいう。
「わかったよ」
妖精ウサギがいう。
話しをして、妖精二人がでかけたあと、何故だろう。
カラトさんがここにいるような気がした。
妖精がいない時間。
少しの間、カラトさんの少しでも役に立てばとメモ程度の手紙と、この部屋で聴いたヒントをまとめている。
けれど、外にでての移動ができない。
だから、せめてとカレンダーに書き込みしたり、メモを目立つ場所におく。
コールドタイムの仕組みはわからない。
けど、試せることは、試してみようと思う。
もしかしたら、探してくれていると信じている。
「カラトさん、この部屋妖精がいるよ」
こう声をかけたけど、きこえるはずはなかった。




