明日の打ち合わせ
次の日、カラトは朝の開店の準備をしながら、考えていた。
カギとトケルン、それから三年前につながるヒント。
このほかにもあるとすれば、メグさんがそれを知っていることになる。
やはりメグさんは、自分で行方しれずになったのではなくて、巻き込まれてしまったのかもしれない。
そう思うと、余計落ち着かない。
カギを使うべきか。
「おはようございます」
「おはよう、マユさん」
「昨日は休めた」
「少しだけ」
「カギ、どうしましょうか。でも、部屋に入るには抵抗が」
やっぱりそのことがマユさんも気になったようだ。
「物件屋さんにきてもらって、一緒に入ってもらうよ。今日は、打ち合わせをしてみて、次になるかもしれないけど」
「きみもくるかい」
「はい、いきます!」
「わかった」
このあとマユさんと打ち合わせをして、さっそく物件屋であるマテリオフィスに電話することにした。
「お電話ありがとうございます。マテリオフィスですが」
「この前、お世話になったテンダーのカラトです」
「どうしましたか」
「メグの部屋に入りたいのですが、ついてきてもらえますか」
「カギは、メグさんがお持ちですか」
「メグが行方不明なんです。カギはみつけることができました」
「協力お願いできますか」
「行方不明ですか? 行き先に心辺りないのですか」
「行き先はわかりませんが、時間移動でトラブルがあったのかも」
「わかりました。明日は、どうですか。今日はわたしも調べてみますので、明日で」
「わかりました」
カラトは電話をきる。
「明日だね」
「わかりました」
マユが返事をする。
「ところでサークルゲートは、どうクリアしましょう」
「そうだね……二重のサークルか」
「マテリオフィスに事情をわかってもらって、その上で協力してもらおう」
「でも、もしかしたら未来に関して、知っていることがあるのかも。時間移動の話しをしても、驚かなかったな」
「それじゃ、マテリオフィスのひとも未来から来てるんですか」
「いや、そこまでは、わからないよ」
「はい」
「未来のことについて、何か知っていそうな気がするんだ」
「カラトさんの予想ですか」
「なんていうか、はじめのメグさんに声をかけたときから、何かありそうだと、そんな気がしただけ」
「そうなんだ。わかりました」
「今日は通常営業にして、明日お店集合にしてから、でるんで大丈夫かな」
「それで、大丈夫です」
「では、明日マテリオフィスさんと、メグさんの部屋にいこう」
最近、メグさんを探しているからか、マユは素直に伝えたいことが、言えていない。
本当はもっとゆっくり話していたいし、カラトさんに前を向いてほしい。
でも、それにはメグさんが必要なのだろう。
試しにそれでも、話してみる。
「この前、腕輪をして未来に移動している女性に会いました。何かカラトさんと知り合いだったみたいです」
「そうか、たぶん拾いもの屋をしながら、旅しているひとだろう」
「そうです。カラトさんに会いたそうでしたよ」
「たぶんまた会うかもね」
「けっこういいデバイスをもってくるんだよ」
「そうなんだ」
「たぶん移動時間や場所がひろいんだろうね」
「何か探してるみたいでした」
「……たぶん妖精だと思う」
「妖精」
「そう。時間移動に妖精が関わっているんだろう、ていうのが、この未来デバイスを扱うひとたちの噂なんだよ」
マユは思い出す。
そういえば、少し前に夢のなかで、妖精の声を聴いたような。
「妖精に会ったらカラトさんは何が聴きたいですか」
「そうだね。とりあえず、レポートにある崩壊をとめないと」
「世界崩壊ですか」
「例え話しなのかもしれない。でも博士が何かを察知して、その預言をしたことはたしかだよ」
「博士って何者ですか」
「博士は、始めにデバイスを造ったひとだ。そして時間移動をしていくなかで、未来予測をして、世界崩壊をとめるために妖精を探してるっていう話しだ」
そして、翌日。




