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三年前ダストテンダー

 マユの使っていた指輪ニッコの錆びはひどくなり、だいぶ古めいている。


 もう壊れそうだ。


 彼女の部屋の扉から、少し離れたところに座り込みながら、考える。



 彼女の部屋は、三年前を移動していたのだと、わかった。

 とにかく、再びトケルンを修理してもらうしかない。


 マユは迷う。

 どちらにいけばいいだろう。


 彼女の部屋から離れるにしても、ダストテンダーにいけばカラトさんに会える。

 でも、ダストテンダーはきっとこの移動した三年前先では、開店したばかり。

 どう事情を説明しようか。


 けれど、ダストグラスはもしかしたら、やっていないかもしれない。

 三年前がどういう状況でも、ダストテンダーによるしかないと、決める。



 部屋の前から立ち上がり、歩きだす。

 歩いている先に近くのコンビニを探して、店内に入る。

 飲みものをみつける。

 水道で一度顔を洗い、冷たい飲みものを購入する。


 外は、夏の気配。


 コンビニから外にでて、購入した冷たい紅茶で、その場で頭痛薬を飲む。

 ここからテンダーまでは、三十分はかかるだろうか。



 歩いて移動しダストテンダーの前につく。

 まだ看板は新しい。

 きっと店長であるカラトさんも若いだろう。

 思いきって、扉をあける。


「いらっしゃいませ」

「あの」

「まだ開店したばかりですが、何か修理の依頼でしょうか」

「不明品なら鑑定もやってますよ」

「カラトさん、ですよね」

「はい。え……とあなたは」

「少し事情があるんですけど、これをみて下さい」


 マユは腕にしていたトケルンをカウンターにだした。


「このロゴはたしかに、テンダーのですけれど、なぜあなたは持っているのですか」

「店長わたし、未来から来たんです。あなたに依頼されて」

「え」

「三年後、このダストテンダーで働いています」

「……そうなんですか」

「どういう依頼かきかせてもらって、いいですか」


 こうして、これまでの経緯と彼女の話しを店長に話した。

 すると、意外そうな顔をみせたあと、一言。


「妖精パラレルシフトだね」


 今度はわたしがびっくりする。


「そっか。三年かかって、ようやく妖精のヒントを発見したのか。きみはすごいよ」

「待って……何のこと」

「未来のことが、いま書き変わっていってるのかもしれない。妖精パラレルシフトのレポートに書いてあるんだ」

「未来のことを知る手がかりは、妖精が知っている。妖精は本当にいるのかもしれないね。ありがとう」


 ニッコはもう限界だから、と店長に返した。


 トケルンの修理は早くて、二日くらいかかるそうだ。

 まだ三年前では部品や用具が足りていないらしい。

 仕方なく、通常の通りのアルバイトとして、お店を手伝うことにした。



 その間、店長は三年後のお店の状況を知りたかったらしい。

 メグさんに会うことやその彼女が行方不明なこと、いま探していることまで話した。


「過去から、なんとかできないかな」


 と言ったりする。

 でもすぐに


「妖精をみつけるようなものだ」


 どうやらレポートの話しらしい。


「とにかく修理を終わらせて、きみを未来に返すしかないのかもしれないね。それまではよろしくね」



 なんだろう。

 たった三年前なのに、店長は子供のような無邪気さだ。

 本来は、とても関心力が高くて好奇心があるひとなのかも。


 マユは、そんな三年前の店長もなかなかに好感持てるなぁ、と思った。

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