修理を終えた時計デバイス
マユは、ダストグラスに向かうことにする。
歩きなのは仕方ない。
天気は晴れてくれた。
気持ちいい日になっている。
この時期を過ぎると、今度は暑くなるだろう。
ダストグラスに到着して、なかに入っていく。
「いらっしゃいませ」
「こんにちは。昨日時計デバイスを預けたマユです」
「修理は終わったよ。これだね」
無事修理は終わったようで、ほっとする。
トケルンが手元に戻ってくる。
「マユさん説明を少しさせてね」
「別の端末と通信させて、自動修復アプリをダウンロードしたよ」
「エラーがはいって苦戦したけど、別の端末がわから、接続して、修復アプリを起動させて、再起動させたから、あとは通常で使えるようになってるだろう」
「トケルン」
マユは呼びかけてみると
「何を検索しますか」
と返ってきた。
「よかった。終了」
しっかり動作するようだ。
これで彼女の部屋のサークルに向かうことができる。
「ありがとうございました」
「また困ったらおいでね」
お会計をすませて喫茶店と鑑定屋をかねたダストグラスをでる。
彼女の部屋まで、また歩いて移動する。
日中だいぶ暑くなってきた。
彼女の部屋まで移動しながら、トケルンから機能を確認していた。
エラーを修復してくれた以外には、特別になにか大きな変化はなさそうだ。
「よかった」
ダストグラスには、すっかりお世話になってしまった。
今度また、お礼にこよう。
それに、喫茶店もなかなか心地いいところだったな、と思い出す。
来るときには、カラトさんも一緒だといいな。
カラトさんはときどき、未来ばかりみているのでは、と考えてしまう。
だけど、いまいる時間をもう少しみつめてほしい気がする。
そして、カラトさんのことを考えているうちに、メグさんのことも考える。
メグさんは、なにかに巻き込まれたに違いないようだ。
自動メッセージを残して、探してくれるひとのヒントを準備していたみたい。
それは、自分ではもうどうにもできないから、そうなったのだろう。
カラトさんが心配する理由もわかってきた。
時間移動を繰り返すことで、日付もあいまいになるし、エラーの行き先によっては、帰り道がたどれないときがある。
すると、時間迷子で元の生活のようには、戻れなくなることもあるのかも。
そんな心配もあるが、とにかく、彼女を探してみないと。
考えごとをしながら、歩いていて、少し汗をかいてきた。
彼女の部屋のすぐそばまでたどりつく。
彼女の部屋の手前。
「トケルン、時間移動設定」
設定の項目から、DT00_0712の12時30分を設定する。
これから何が起こるかはわからない。
しかし、昨日漫画喫茶でゆっくり寝てしまい、体調はいい。
薬も持っている。
いざ、彼女の部屋の前のサークルに飛び込む。
バシバシッと音がする。
目眩、空間の歪み。
光のうずのなか、エラーのトケルンの表示。
気づいたときには、彼女の部屋の前で、倒れていたようだ。
どれくらい経ったのだろう。
トケルンはまたエラーになってしまった。
仕方ない、スマホを取り出す。
頭痛がするなか、見るとスマホの表示ははっきりしていた。
しかし、時間表示をみると、十分後の12時40分だとしかわからない。
移動時間までは表示されないから、時間しかわからない。
どこか日付がわかるところまで、移動しないと。
いや、そうだ。
自動時刻調整をすればいいのだと、思いなおす。
これなら、スマホで用がすむはず。
トケルンがエラーのため、スマホの設定から、自動時刻調整をしてみる。
数秒かかって、時刻が再調整された。
それは、2x21年から三年前の2x18年だった。




