調査の打ち合わせ
翌日の朝、ダストテンダーにつき、カラトさんに挨拶をする。
「カラトさん、おはようございます」
「あ、おはよう」
「昨日話した、キーホルダーを用意したよ。あと簡単な補助もできるように、少し改装したよ」
「どんな感じにですか」
「それの前に、まずは開店しておこう。手伝って」
「わかりました」
「まずは掃除してきますね」
マユは開店作業として、出入口付近をはじめに掃除する。
掃除が終わると、店内のホコリとりや、店内に並べられている中古品の並びかえを行ったり、カウンターの掃除をする。
店内の準備を進めると、照明でつけておくところや電話の留守録をきいたりする。
「そろそろ時間かな。開店時間十時になるから、出入口を開けておいていいよ」
閉めていたカギを開けて、オープンの看板をだしておく。
「マユさん、こっちにきて」
「はい、何でしょう」
「メンテナンスし終わったキーホルダーだよ。二つ準備してあるから、一つは、予備でカウンターにおいておく」
「この一つをもって、今日の調査をお願いします」
「キーホルダーは移動時の設定にして使ってもらえるといい」
「わかりました」
「開店したから、あとは話しながら、作業をしよう」
店長はカウンターのなかに入り、レジ準備や仕入れした商品を並べたりしている。
「具体的な調査の順番を確認いいですか」
「そうだね」
「まずは、公園のサークルに入り、不安定かをたしかめる」
「報告の留守電をのこしておく」
「いまは、ゼロ件に戻してあるね」
「もし、不安定な状態が続く場合、テンダーにより店長に会う」
「そう、それで、いない場合には」
「キーホルダーを目印に使う」
「そういうことだね」
「そのキーホルダーには、刻印でマユとなっているから、わかるね」
「刻印プレートをつくっていたんですか」
「そうだね」
「順番は、公園が先、彼女の部屋の前、そして、駅外ですね」
「そう」
「あとは、日付の設定だけですよ」
「そうだな。今日の日付は、7月11日だから一年間を目安にして、移動開始する。そして、不安定さが増してきたら、場所を移すこと」
「はい」
「デバイス設定は、優先スマホにして、連絡はスマホから」
「それからナガランを使って移動し、キーホルダーは予備に使います。トケルンで、設定をそれぞれしておきます」
「そんな感じでいいかな」
「十二時から、移動調査をしてみます」
「外での昼食もできそうなら、してきてもいいけど。戻り設定は、十四時にして、その時間にくるいがなければ、テンダーで食事でも」
「わかりました」
ここまで話していると、入り口からお客さまが入ってくる。
「おはよー、拾いもの屋です」
「いらっしゃいませ」
「ダストテンダーにようこそ!」
「いつものひとですね」
「マユさん査定してみるかい」
「わかりました。やってみます」
金属の商品の査定がはじまる。
ふと思いだし、拾いもの屋にきいてみる。
今日の品数は三つだ。
「商売熱心ですね。でも、未来の金属だとよく判定できますね」
「それは拾いもの屋登録をして、ダスト社におくると、登録証と一緒にこれがもらえる」
「それは?」
「金属サーチ機能のついた、バーコードリーダーみたいなやつだよ」
「この判定機をつかうと、ダスト社が発行しているFコードにアクセスできる」
「Fコードから検索すると、未来のダスト社が発行したものか、わかるんだ」
「じゃ、現代の金属をただ拾い集めるのでは、ダメなんですね」
「ダメではないんだけどね。金属だけでも、中古屋や鑑定屋にもちこむと、修理に使えると言われることもあるよ」
「修理も自分たちで、できるんですか」
「手持ちのパーツと技術があればね。小さいところだと、パーツが少ないから、未来時間からパーツごと集めてこないといけない」
「ダストからの配達はくるけど、効率は悪くなるよ」
「だから、まとめてできるダストテンダーみたいなのは、いい相手だよ」
「それはありがとうございます」
「指輪とブレスレット二点の査定として、合計一万円でどうですか?」
店長が、少し心配そうだ。
「わかった。それでいいね」
「ありがとうございます」
「わたし、これから調査なんです。頑張ってきます」
「そうか。じゃ、もしものときに、違うダストも紹介するよ」
「一番近くにある鑑定屋は、ダストグラスかな」
「どの辺りですか」
「駅前から大体三十分。このテンダーからは、一時間くらいかな」
「わかりました」
「それから、名刺もわたそう。QOSコードつきの名刺で、読みこみができるから」
「わかりました」
「スマホいいかい」
「はい」
「マップ……サーチ、グラス」
トケルンの画面がサーチ画面から、ダストグラスを表示した。
「ありがとうございます」
「名刺もあとで、読み込んでね」
「わかりました」
「じゃ」
「ありがとうございました!」
店長もいう。
「ありがとうございました」
拾いもの屋が帰っていく。
「査定お疲れさま。少しは慣れてきた」
「少しずつは」
「それよりいまは調査の緊張があります」
「そうだな」
「さっきの名刺はわかる」
「アプリで登録ですよね」
「トケルンからのほうが速いかな」
「トケルン。アプリコード……QOS。スマホカメラを向けてみて」
カシャッ。
音がした。
「それで、あとは、拾いもの屋の電話や大体の連絡方法が書いてあるはず」
「なるほど、速いです」
「そろそろの時間かな」
「わかりました。いってきます!」
店長も少し緊張してみえる。
「ああ、いってらっしゃい」
「はい。調査いってきます」




