この空間のなかでできること
妖精帽子が話す。
「さぁ、今日は何をしてようか」
このところ、妖精たちのつくる朝食は、前の日に準備をしてあるらしくすぐに用意がされる。
そのため朝食のあと、それに、料理して食べる昼食のあとの時間が長いからと、さまざまな話題と遊びを提供してくれる。
妖精ウサギがいう。
「昨日は、ボール遊びが盛り上がったね」
そう、いつの間にか買ってきていた、ボールを使って妖精たちとボール遊びをしていた。
次は縄跳びでもしようか。
これもいつの間にか買ってきていた、縄跳びで遊ぶことになった。
妖精帽子が話す。
三人で縄跳びをしながら。
「縄跳びの縄とこの空間は、時間移動に似ているね」
メグはきく。
「どういう意味」
「縄で仕切られる空間がサークルで、サークルの内側と外側に分けられる」
「内側だけがジャンプして、外側はそのままだ。内側のひとほど、体力も使うし」
なるほど。
なんとなくもっともだ。
「疲れたし、休憩しよう」
「今日のお昼は何がいいかな」
ふーっと息をつきながら、答えてみる。
「オムライスとか、コロッケとかいいなぁ」
妖精料理はなかなかにおいしい。
特に妖精ウサギは料理上手だ。
ときどきメグも手伝いをする。
「そうか。じゃ、お昼用の食材を買ってこよう」
妖精帽子もいう。
「そうしよう」
「そういえば、この空間のなかで、できることはあるかなぁ」
メグは聴いてみる。
「そうだなぁ。模様替えはできるよ。あと、適度にコンピューターゲームも持って来られるかも」
「そうなの……わかった。じゃ、ゲーム何か持ってきてよ」
妖精ウサギが答える。
「そうしよう。でも、ゲームは下手だよ」
「いいの。三人でやりたい」
「わかった。じゃあ、買いものして、お昼のあとだね」
「じゃでかけてくるね」
「いってくるね」
「いってらっしゃい」
メグは外に出たいという気持ちは強いが、同時に妖精と暮らすこの日々も少し貴重に思えてきた。
もう少し大切にしてみよう。
とりあえずは妖精たちとゲームだな。
でも、カラトさんはどうしているだろうか。
心配してくれているだろうが、どうにか、連絡はとれないものか。
外にはでられない。
電話やパソコンといった通信機器も使えるけど、連絡や通信としては役に立たない。
通じてるけど、どこにもかからないようだ。
ゲームでもしながら、模様替えでもしながら、妖精たちと話しながら、何か方法がないか、もしかしたら、を探してみよう。
この空間でできること。
何かカラトさんの役にたちそうなことは、何だろう。




