出会う運命
妖精のひとりは帽子を被って羽がある。
妖精のもうひとりはウサギのような格好で、腕時計をしていて、ふわりとした羽がある。
「わたし、この部屋から出たいのだけど、方法ない?」
きくと
「コールドタイムなため、あと30年は待ってね」
「いや33年だったかな」
いつもの返事。
話しはいつもそれ。
他の話しにはある程度つきあってくれるのに。
「妖精は何でもできそうだけど、何でもはできないんだね」
嫌味をいってみるも通じるだろうか。
いや、スルーだった。
「今日は何する?」
「何しようか?」
今日もこの妖精二人のお世話をすることになる。
せめて二人の話しにでてくる、預言者トワカでも来ないかしら。
こう思うようになった。
預言者トワカ、2x54年から33年後に世界が崩壊すると預言した、ネット預言者のひとりだ。
「買いものにでかける前に教えて」
「トワカは何者なの?」
「そうだね。トワカは正体不明なんだよ」
妖精ウサギがいう。
「でも、本当は知ってるでしょ」
わたしはいう。
「教えられないなぁ」
妖精帽子がいう。
「どうして」
「大丈夫。そのうちには会えるから」
「誰によ」
「トワカに、きみたちは会う運命なんだよ」
「そうなんだ。わからないけど、わかった」
「そう。ものわかりいいね」
「いや、あきらめただけよ」
「他に今日のリクエストは」
「聴かれると迷う」
妖精たちは、これから買いものなのだ。
どこをどう買いものして回るのか、帰ってくると、けっこうな買いものをしてくる。
出られないのはわたしのほう。
「じゃ、クレープでも買ってきて」
「わかった、クレープだね」
「いちごのでいいね」
「そうだね」
どうやら、わたしの好みまでわかってきたようだ。
「よろしくね」
「それじゃ、買いものにいってくるよ」
妖精ウサギがいう。
「じゃ、いってくるよ」
妖精帽子がいう。
こうして二人の妖精は部屋からでていってしまう。
こうしてひとりの時間もできるが、わたしは部屋からはでられない。
いや扉は開くのだけど、どこにも通じていなく、ただ部屋に戻されるのだ。
妖精たちは、どうやって出入りするのだろう。
今度きいてみよう。




