プロローグ
前書き という事で……
初にお目にかかります。雨月 桜姫と申します。
今作が初投稿となります。至らない点沢山あると存じますが、生暖かい目で見守っていただけたら幸いです。
ほのぼの八割。きゅんが大さじ2分の1を目指して書いていきます!
面白いと思ったら、ブクマ、高評価いただけたら励みになります。気が向いたら是非……
よろしくお願い致します。
「でねでね、この前2週目終わらせたんだけど、王子ルートのバッドエンドがもう素敵すぎて!! アンジェリーヌの最期の言葉とか……もう泣けるの! 正直、アンジェリーヌにとってはハッピーエンドよりも幸せだったんじゃないかな、とか思うと…もう!! それでね…………」
……何故だろう。熱を込めて語る友人の顔がぼやけて行く。周りの風景が霞んでいく。激しい頭痛と一緒に、浮遊感が身体を襲う。……怖い。怖い怖い怖い!
「……オ! フィオ!!」
浮上感が最高潮に達すると同時に目を開く。さっきの不安がまだ胸の中に燻っている。口の中は乾いていて、頭は異常に重たい。
よく知っている感覚だった。また、熱でも出したのだろう。こんなことには慣れっこだった私は、重たい頭を持ち上げて辺りを見渡す。
……おかしい。驚く程上質なふかふかのベッド、繊細なレースの天蓋、その先には、シャンデリアの淡い光に照らされる、薄ピンクと白で構成された豪華で可愛らしいお部屋。
天蓋の外にずらりと控えるメイド達。
そして私の顔を覗き込んでいるのは、蒼色のサラリと流れるストレートヘアを揺らす、少々つり上がった、紫色の瞳を持つ美人な幼女だ。
「フィオ!! 目を覚ましたのね! 」
美幼女がうるうるの瞳で手を握りしめてくる……可愛い。
「……アンジィ」
自然と私の口は彼女の名前を呼んでいた。
けれど、少し待って欲しい。混沌とする記憶の中で状況整理が追いつかない。
「アンジィ、心配してくれたのね。ありがとう。もう少し休みたいから、また後で沢山お話して下さる?」
当回しに1人にして欲しいと頼むと、アンジィはこくりと頷いた。
「フィオラレーヌ様、白湯とお薬でございます」
「ありがとう」
白湯と薬を受け取って喉に通すと、心配そうに出て行くアンジィとメイド達に軽く微笑み、天蓋のカーテンを閉めてもらう。
さて、状況整理を始めましょう。