【漫才】なろうになろう7
二人「はいどーもー『なろうになろう』でーす!」
ボケ「知ってるか? 交差点でトラックにひかれて異世界転生した俺って魔法が使えるんだぜ?」
ツッコミ「マァジかぁ! 見せて見せて! 魔法見たい!」
ボケ「嘘に決まってんだろ。お前いい年して『見せて見せて! 魔法見たい!』って……え、何? 異世界転生とか魔法とかチートとか無双とか悪役令嬢と信じてんの? きも!」
ツッコミ「待て待て! めっちゃ詳しいやん! お前ホントは大好きなんやろ!」
ボケ「だ、大好き……異世界転生したーい! 何とかしてくれよぉーツッコミえもーん!」
ツッコミ「むちゃくちゃ言いよる。ならお前はボケ太か!? ボケ ボケ太か!?」
ボケ「いや俺、藤尾 不二雄だけど。小学校から同じなのに何で知らないんだよ! もういい! トラックに轢かれて異世界転生してやる!」
ツッコミ「待て待て暴走しすぎや! ツッコミが追いつかん!」
ボケ「トラックだけに?」
ツッコミ「うまくない! ええか! 情報を整理するぞ! お前の本名は藤尾 不二雄。俺の小学校からの同級生だ。いいな?」
ボケ「まあいいだろう。」
ツッコミ「何こいつ、腹立つわー! で、次!さっきのお前のボケ、何とかしてーツッコミえもーんって言うから俺はのび太かとツッコミを入れた。分かるな?」
ボケ「あ、あれはツッコミだったのか! てっきり俺のことなんか忘れて新しい相方でも探すのかと思ったじゃないか!」
ツッコミ「そんなわけないだろ? 俺がツッコむのは藤尾、お前だけだよ。」
ボケ「あ、いや俺妻と子と愛人がいるから……いくら相方でもそんな……ねぇ?」
ツッコミ「何勘違いしとんねん! ツッコミは漫才のツッコミや! そっちのツッコミやない!」
ボケ「そっちのツッコミって? 俺はただ体に傷が残らないように優しく突っ込んで欲しかっただけなんだが?」
ツッコミ「ますます分からん! お前もう異世界行ってしまえ!」
ボケ「伊勢丹買ってしまえ? 俺のギャラじゃあ無理だよ。お前のギャラを2ヶ月分貸してくれるんならギリ買えるかな。」
ツッコミ「嘘つけぇー! 俺らのギャラがそんなにあるかい!」
ボケ「だから嘘に決まってるだろ。なぜ気づかない!?」
ツッコミ「俺の! 仕事は! ツッコミ! お前! ボケ!」
ボケ「俺さ、みんなに謝らなければいけないことがあるんだ。」
ツッコミ「いきなりどうした? さっきからめちゃくちゃやん!」
ボケ「さも真実であるかのように語ったけどさ、本当は……交差点でトラックに轢かれても異世界転生なんてできないんだ!」
ツッコミ「知ってる。」
ボケ「それから妻も子もいない。愛人と恋人はいる。」
ツッコミ「どうでもええわ!」
ボケ「それから魔法を使えるのは本当。時を止めるやつ。」
ツッコミ「はいはい。やってみれば?」
ボケ「となりの家に壁ができたってね。おいおいそれじゃあトマトケチャップになってしまうぜ?」
ツッコミ「………………」
ボケ「止まったな?」
ツッコミ「もうやっとれんわ!」
ボケ「そして時は動き出す!」
ツッコミ「何カッコよく決めてんだよ!」
ボケ「今夜が最後だからさ。じゃあな? 異世界で会おうぜベイビー。」
ツッコミ「壊れよった……」
ボケ「俺らの絆は壊れない! 異世界転生は廃れない!」
二人「どうも、ありがとうございました!」