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外名(がいめい)の異端審問官  作者: クローン
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2話 修道院

魔法国家 アルバーヌが滅んだ情報はすぐに広まった。


クロロは教会の診療ベットの上にいた。ここに運ばれて来て1週間が経過していた。


夢をみていた。レイナを追いかけても追いかけても追いつけない。転んでも助けてくれない。辺りが真っ暗になる。でも、光だけは微かに揺らいで見える。


ここ、どこ?と辺りを見回しても何もない。ただ、光だけは微かに揺らいで見える。


歩くのが走るのが下手ではない。何故だか突然転ける。


またかよ!と心で思う


クロロは転けてもすぐに立ち上がる。それはレイナから教えてもらったからである。


一流はすぐに立ち上がる

二流はゆっくり立ち上がる

三流は立ち上がる事を止める


だったら、何度でもすぐに立ち上がってやる!といい立ち上がる。


クロロにとって辛いことは失うことである。この暗闇は1つの試練である。現状を把握すること。アルバーヌは崩壊しレイナはもう助けてくれない事を理解しなければならない。


それを理解するまでは永遠に続くのである。



教会の神官がクロロの顔を濡れたタオルで拭く。一通りクロロの身体を拭いたらそのまま部屋を出て行った。


しばらくしてから、クロロはゆっくりと目を覚ます。


ベットに寝かされていた。天井をみてから起き上がる。身体中が痛くて、全身が軋むようだ。


起き上がると自分が裸である事に気がつく。ベッドから降りて立ち上がると違和感に気づく。身長が高くなっていた。80cm程度から100cm程度に伸びていた。


クロロは指の動きを確かめていると扉が開いた。


「あら?」


声がする方をみると1人の女性が立っていた。修道女である。クロロをみるとハンカチを取り出してクロロの頬を拭く。無意識に泣いていたのである。


「もう大丈夫よ」と優しく声をかけてくれる。


クロロは頭を下げて感謝を伝えて涙を拭った。


「目が覚めたら神母様が会いたいと言っていたけど、大丈夫?」


クロロは修道女をみて頷いた。教会の服を着てから神母の所へ向かう。


長い廊下を歩くと修道場があり、神に祈る場所へと案内される。


「ここでお待ちください」と告げてどこかに行ってしまった。


クロロは周囲を見渡す。教会に来れば、お祈りをする事と教えられていた。


クロロはお祈りをする。そして、終わると同時に「レイナ様に教わったのね」と声をかけられる。


クロロは目を開けてその人物をみる。


クロロはその人物をみると修道女とは違う綺麗な服をきていた。この人が神母だとわかった。厳しそうにも見えるが柔らかくも見える。


声を出そうとするが微かにしかでない。そこで念波で会話をする事にした。


「あら、可愛い念波ね」と神母


クロロは今までの経緯を尋ねると知っている範囲で教えてくれた。


今いる場所はアルバーヌより恩恵を受けていた方はカルダッド国である。


発見されてから1週間ほど眠っていたこと。発見された当初は死んでいると思われる程の大怪我だったこと。しかし、日を追うごとに治っていること等など教えてくれた。


そして、アルバーヌが無くなった事も教えてくれた。


クロロが持っていた荷物を返してくれた。残った荷物は、なにかのカケラの様な緑色の首飾りと懐中時計であった。


懐中時計をみるとクロロは懐中時計の蓋を開ける。そこには3人の写真があった。レイナとクロロとクロロの母である。


この懐中時計はレイナが大切にしていたものであるが旅立つ時に貸してくれたのである。


あぁ、そうか…やっぱりレイナも死んでしまったんだなと目を瞑る。


「これからどうしますか?」と神母


クロロは神母をみて掠れた声で「旅をします」


「わかりました」と旅の道具を揃えてくれた。


武器は?と尋ねられたので短刀とメタルブーツを頼んだ。


クロロは喉に治癒魔法をかけるが治らない。痛みは無いが話せないのは不便だと考えているとここから南にいくと治癒魔法に特化した国があると教えてくれた。


白き治療国家 エアロ


クロロはメタルブーツを履き、荷物を背負い。神母に別れを告げた。


クロロに「神の導きのあらん事を」と教会の修道士達が願って見送ってくれた。



しばらく歩いてからクロロは改めてカルダッドに感謝すると手の甲から緑色の光が放たれた。その光はカルダッドを包み込む。


何あれ?と考えていると、声が聞こえる。


「あれは祝福の光」


クロロはなにそれ?と聞くと土地が豊作になると教えてくれた。



カルダッド国民は何事かと動揺するが神母が皆にこれは祝福の光であると伝えるとみんな安心した。


「あの子は審問官だったんだね」と呟いた。



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